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日銀の金融政策決定会合を受けた読売と日経の社説だが、危機意識の欠如がはなはだしいと思う。長期国債の買いきり額を増額したが、2000億程度の額では、いたずらにベースマネーの増大しましたという日銀側に政策口実を与える程度のことで、デフレ脱却へのマネーサプライの増大には結びつきにくい。金融政策の特に「緩和」策は迅速かつ果断になされ目標の明示と断行が必要であるが、それもなされた気配がない。
 
 一般に金融政策が効いてくるのは、政策実行から2~3年後であるとされる。それを見れば、車の販売量などでも、2006年ごろ(量的金融緩和の解除が03年3月頃である)から国内販売は落ち気味、若しくは上限が設定されているような具合だった。車の販売量の伸びが少なくなったのは、ガソリン自動車の飽和状態も背景にはあるのだろうが、金融政策の引き締めによる総需要の非増大にも深い原因がある。そうした脆弱な経済であったのが、21世紀の日本経済で、「川上インフレ、川下デフレ」伊藤元重、だとか、実感無き景気回復だとか、「格差型景気回復」上野泰也だとか言われていた経済状態であった。そこに米国発サブプライムローンの破綻が原因で、金融危機を誘発、実体経済に波及し、米国発の総需要減の削除による世界不況が、米国のみならず、日本の輸出産業の内外の販売不振を誘ったことになる。しかもその様態は、急激に。
 
 このような観点から見ると、日銀の政策対応は、社説群が述べるような悠長で、非世界経済的構え方であってはならないはず。各国は、財政政策発動競争に赴き、金利引下げ競争、緩和的競争、へと実体経済のデフレ懸念から立て直すための可能な限りの政策を競って発動している。米国は、国内の広範な反発がありながらもビッグス3を救済へ、ドル安になるゼロ金利へ、更に長期国債の買いきりまで検討に入れる迅速かつ大胆な政策発動をした。
 
 一方日本経済は、かなり特殊な経済状態にある。他国はインフレ上昇圧力が、顕著に見られたのだか、原油高の時期にほんの少しの一般物価の上昇率で済んだのである。この背景には、以前から指摘しているようにデフレの脱却がなされなかった経済状況がある。コストレイバーユニット、実質経済成長率>名目経済成長率の状態、消費者物価指数、GDPデフレターからみて完全にデフレ脱却していない状態が安倍政権から福田政権期にすでに指摘されていた通りである。今現在、デフレがすぐそこにある。ドル買い円売りの円安政策と長期国債の買いきりオペを上限設定なく果断に実行すべきときである。
 
 CPの買い切りは評価するが、長期国債の買取り額がいかにも低く、80円台の急激な円高を阻止するべく円安政策(財務省側との協議が必要だが、財務省側もこの動きもいかにも鈍く政策当局であることの責任放棄にも見える)も今は採用するべきである。買い取り解除の目標値の明示がない。政府側は、名目経済成長率について3㌫ほどを示しているのだから、それに添った形で金融政策を実行すべきである。それでなければ政策当局という責任も採ることにもならないことになるだろう。
 
 世界デフレがその期待共に定着してしてしまえば、その可能性は少ないだろうが、円高によるデフレの輸入が日本に回収される懸念が、大いにある。ちったあ、これぐらいの「素人」にも分かる先読みぐらい味のある「論争」のきっかけになる論を提出したどうなんだ。マスコミ社説氏さんたちは・・・・。
金利0・1% 危機モードに戻った金融政策(12月20日付・読売社説)

 世界的な金融危機と国内景気の急速な悪化を受け、金融政策が再び危機対応モードに戻った。

 日本銀行は19日の金融政策決定会合で、政策金利を0・2%引き下げ、0・1%とした。

 バブル崩壊後の金融不況期に採用された「ゼロ金利政策」が事実上、復活したと見てよかろう。

 長期国債の買い取り額の上積みや、企業への新たな資金供給策も打ち出し、実質的な金融の量的緩和政策に踏み込んだ。

 ゼロ金利と量的緩和は、米連邦準備制度理事会(FRB)が16日に導入した。日銀は前回の利下げから2か月足らずでこれに呼応した形だ。

 12月の企業短期経済観測調査(短観)では急速な景気の落ち込みが確認された。米国が日本より低金利になり、円高圧力も強まっていた。迅速に追加緩和を決断したのは妥当だったと言えよう。

 政府は2008年度の実質成長率の見込みをマイナス0・8%に下方修正した。09年度は0%成長の「目標」を掲げたが、実際には約10年ぶりに2年度連続のマイナス成長となりそうだ。

 物価上昇率も、09年度はマイナスとなる見通しで、デフレ再来の恐れは一段と強まってきた。

 財政・税制による景気対策に加えて、潤沢な資金供給による金融市場の安定が、デフレの深刻化を防ぐために欠かせない。

 日銀が今回、金融機関から買い入れる長期国債の規模を、月額1・2兆円から1・4兆円に増額したのも、市場への十分な資金供給を確保するためだ。

 01年から5年間続いた量的緩和政策では、日銀当座預金に最大30兆円超の資金を積み上げ、金融市場の不安を和らげた。しかし資金の多くは金融機関に滞留して企業などに届かず、景気改善の効果は限られたとされる。

 今回の金融危機では、コマーシャルペーパー(CP)や社債での資金調達が困難になり、大企業も資金繰りに苦しんでいる。

 このため日銀は、CPを買い取る新制度を打ち出した。自ら「最後の買い手」となり、企業に資金を流すのが狙いだ。買い取る債券などの対象拡大も検討する。

 倒産などで資金が回収できなくなるリスクを日銀自身が負うのは異例だ。金融正常化に向けた強い決意がうかがえる。

 日銀は、財務の健全性を大きく損なわない範囲でさまざまな工夫を凝らし、金融緩和の実効性を高めてほしい。
(2008年12月20日01時46分 読売新聞)
社説1 政府・日銀はカネ詰まり阻止へ全力を(12/20)

 
日銀が追加的な利下げに動いた。19日の金融政策決定会合で、無担保翌日物金利の誘導目標を年0.3%から0.1%に引き下げることを決めた。企業が発行するコマーシャルペーパー(CP)の買い取りも決め、目詰まり感が強まっている企業金融を下支えする。

 米国発の金融危機をきっかけに日本経済は過去にないほどのスピードで下降しており、金融環境も悪化している。これに対応して日銀が追加的な金融緩和に踏み切ったのは当然である。カネ詰まりにより、経済が一段と押し下げられることのないよう、政府・日銀は万全の措置を取っていくべきだ。

 利下げは誘導目標を0.5%から0.2%引き下げた10月末以来2カ月ぶり。CP買い取りに加え、長期国債の買い入れ額を月2000億円増やすことも決めた。結果的に長期金利の低下を促し、景気の下支えにつながる可能性がある。

 日銀が利下げに加えて、CP買い取りという異例の措置を取ったのは金融の引き締まり感が急速に強まっているためだ。CPや社債の発行金利上昇を背景に大企業が銀行借り入れにシフトしており、中小企業がおカネを借りにくくなっている。日銀がCPを買い取ることで、銀行の貸し出し余力が高まり、企業の資金繰り改善につながるのを狙っている。

 日銀は今後も経済や金融の動向をにらみながら、景気の落ち込み防止に積極的な役割を果たすべきだ。利下げが限界に来つつあるのは確かだが、一段と強まる恐れがあるカネ詰まりの緩和や、長期金利の低下につながるような政策対応は可能だ。

 もちろん、日銀がやみくもにリスクを取ればいいわけではない。中央銀行の資産内容が悪化すれば金融政策や通貨への信認が揺らぎかねない。日銀がCPなど信用リスクのある資産を購入する場合は、損失保証など政府の後ろ盾も必要である。

 政府も金融環境の悪化を防ぐための措置を強化する必要がある。中小企業の命綱になりつつある信用保証枠の拡充や政府系金融機関の危機対応融資の活用が求められる。先に成立した金融機能強化法を活用して、中小金融機関に対する資本注入も積極的に検討すべきだ。

 経営内容が悪く、もともと生き残れないような企業まで助ける金融支援は望ましくない。ただ、暴風雨のような経済・金融環境の悪化で、普通の企業でも資金繰り倒産に追い込まれかねない状況が生まれているのが実情だ。政府や日銀はこうした被害を最小限にとどめる責務がある。
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保有株買い取り20兆円に、企業の持つ銀行株も対象 政府・与党

 政府・与党は18日午前、緊急市場安定化策として検討している株式の買い取り額について、過去に用意した2兆円から20兆円規模へ大幅に拡大する方向で検討に入った。事業会社の株買い取り規制を緩和し、銀行保有株だけでなく一般事業会社が持つ銀行株もすべて買い取り対象に含める方針だ。不安定な展開が続く銀行株価を下支えするための安全網として位置づける。

 麻生太郎首相の指示を受け、自民党は銀行株式保有制限法の改正案を議員立法でまとめる検討を開始。同日開かれた国際金融危機対応プロジェクトチームなどの合同会議では週明けにも案をまとめ、来年の通常国会での法改正を目指すことで一致した。 (16:00)

 政府が買い取るということは、税金を一時的にも使うということであるが、買取を中央銀行が行えば、市中通貨量の増大に繋がるリフレ策にもなる。つまり、デフレ対策にもなる。と同時に将来を含みこんだ「コスト」も税の使用と比較すれば中央銀行の購入策の方がコストもかからず効率的、効果的な策だと断定できる。
 理解に苦しむ政府自民党の政策である。まことに政策コストも考慮に入れない「変」な政党であることよ。これを「変」な政策と思えないエコノミスト、経済紙寄稿者、経済紙編集者たちが多いのが、経済政策以前のかなり「変」な「構造」問題だがな・・・。

金利がゼロに接近すれば量的緩和の検討が適切=英中銀金融政策委2008/12/17(水) 22:46:47 | 英国
  【ロンドン 17日 ロイター】 イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会のブランチフラワー委員は17日、デフレスパイラルの回避に向けて景気をてこ入れするため量的緩和を検討するのが適切との認識を示した。

 ロイヤル・エコノミック・ソサエティのニュースレター1月号掲載の原稿で同委員は「デフレのリスクが存在し、政策金利がゼロに接近する状況では、量的緩和を含む代替的政策手段の利用を検討するのが適切だ」と述べた。 

 また、インフレは2009年に英中銀の目標である2%を大幅に下回る可能性が高いとの見方を示した。

2008/12/17 22:20
英国は、インフレターゲットを採用している国家である。そのイングランド銀行が景気てこ入れのための量的金融緩和の検討が適切との認識を示した。 米国は、インフレターゲットの採用までは行かなくとも、それに近い政策を採っていたが、今般の世界不況によるデフレ現象は、米国だけでなく英国にも及ぶこととなる自明の現象である。それを見越した量的金融緩和に対する発言であるが、これについての日本の大手新聞社の対応はかなり鈍いものであるだろう。いや、鈍いというより故意に無視する対応に出るのでではないだろうかと危惧する。

 楽観的シナリオも描ける。大手の新聞紙は、01年のデフレスパイラル時に量的金融緩和に懐疑的であったが、12/17の日経新聞の傍流であるだろう「大磯小磯」のコラム氏も量的金融緩和、長期国債の購入オペラーションには好意的である。月刊文芸春秋では元日銀審議委員の中原伸介氏が日銀に対して量的金融緩和、長期国債の大量購入を採用するように要求していた。そうした事態に見られるように、量的金融緩和導入以前よりゼロ金利下での「緩和策」に対する理解は、深まっていることは民間の間では確かである。
 
 今日、日銀の政策決定会合が開かれる予定だが、果てさて大胆な対応策が採られるという期待はかなり薄い。おそらく失望売りが出て株価の下落と円高への拍車がかかるだろうなぁ。

 
米が大幅利下げ、史上最低の0~0・25%に

 【ワシントン=矢田俊彦】米連邦準備制度理事会(FRB)は16日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、短期金利の指標となるフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を、年1%から0~0・25%とすることを全会一致で決め、即日実施した。

 米国の金融政策で史上初となる事実上のゼロ金利に踏み切る一方、長期国債の買い入れも検討するなど、市場への資金供給を増やす「量的緩和」政策も表明した。金融政策を総動員し、景気悪化に歯止めをかける狙いだ。

 今回、FRBがFF金利の誘導目標に「0~0・25%」と幅を持たせたのは、最近、実際に市場で取引されている金利が下回り、一定の誘導水準を厳格に維持することが難しいためだ。

 低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」問題が表面化した昨年9月以来、FRBのFF金利の引き下げは10回目。

 日米の政策金利の水準は逆転し、日本(0・3%)が93年2月以来、約16年ぶりに米国を上回った。

 FRBはFOMC後に発表した声明で、「当分の間、例外的な低金利が許される弱い経済状況が続く」として、長期的に金利を低く誘導する意向を示した。

 さらに、「持続可能な経済成長と価格の安定に向けて、可能な限りあらゆる手段を用いる」と政策を総動員する構えを強調し、「信用市場と経済活動の一層の下支え」に向けて、量的緩和政策を推し進める考えを表明した。

 具体的には、今後数四半期にわたって、住宅ローン担保証券や、住宅関連の政府機関債を大量に購入して住宅市場を下支えする。長期国債の買い入れも検討し、市場への資金供給を拡大させる考えだ。

 FRBは同時に、公定歩合を0・75%引き下げて年0・5%とした。
(2008年12月17日13時52分 読売新聞)
 ますます、政策担当の能力の日米の差が顕著になるな、これで。
 日米金利差が逆転するということは、円高への拍車がかかること、日銀が無策に等しい鈍足を政策決定会合で明らかにすれば、円高傾斜はさらに鮮明になるに違いない。超短期の日本への資金流入による円高は、鈍感日銀連中の政策次第だ。どうもその傾向が短期では強まりそうだがなぁ。
 
 ところで、与謝野が下記のような発言をしたようである。唖然とする経済認識であると同時に政策当局の姿勢として妥当ではない構えだ。こんな経済財政担当相、即刻首にしたほうがいい。これでは、政府日銀がしようとしている政策を自ら否定しているようなもので、政策効果の削減には寄与し、景気対策による経済効果に対する一般の期待をはぐらかす爆弾発言だ。自衛隊航空幕僚長の田母神発言以上の暴言である。

 マスコミさん、それぐらいの辞任要求がまともな発言であると考えないのだろうか。それぐらいの見解が体勢を占めなければばおかしいのよん。
 与謝野ぼんくら大臣と比較するとき、米国FRBの発言は「質」的に全く異なる。FRBは記事にあるように「『持続可能な経済成長と価格の安定に向けて、可能な限りあらゆる手段を用いる』と政策を総動員する構え」を大胆かつ強靭な発言内容となっている。 経済金融政策は実需だけで決定されるのでなく、精神的な将来期待と持続性への期待も変更させなければならならない責務も含みこむ。そこが日米金利差だけのことではなく、政策担当者の能力の「質」の違いである。

 与謝野は即刻辞任せよ。

 
米利下げ、企業の借り入れや設備投資意欲に影響せず=与謝野担当相
 【東京 17日 ロイター】 与謝野馨経済財政担当相は17日、米連邦準備理事会(FRB)が大幅利下げに踏み切ったことについて「危機に対応する対策としては必要なものだったと思う」と評価した。日銀の利下げについては「最大でも0.3%で、直接、企業の借り入れ状況や設備投資意欲に影響するレベルではない。ただ、気分の問題だ」と語った。

 合同庁舎内でロイターに語った。
 
ビッグ3救済へつなぎ融資 法案成立なお不透明
 【ワシントン=大隅隆】ビッグスリー(米自動車大手3社)救済を巡る米政府・議会の調整がヤマ場を迎えた。年明けまでの必要資金をつなぎ融資の形で実施する妥協案で調整し週内に法案を採決する公算が大きい。議員と大統領が交代する1月下旬までの一時的な資金確保を狙った案とみられるが、慎重論もくすぶる。法案の可決・成立にはなおハードルが残る。

 複数の米メディアによると、政府・議会内で浮上しているつなぎ融資は150億ドル(約1兆4000億円)規模。環境車投資向けの融資枠(250億ドル)を転用する見込み。ブッシュ大統領がかねて示してきた案に沿ったものだ。 (16:24)

米上院委員長、GM会長「退任すべきだ」
 【ワシントン支局】ドッド米上院銀行委員長は7日、米CBSテレビでゼネラル・モーターズ(GM)のワゴナー会長に関し「彼は退任すべきだ」と発言した。後任にリストラを委ねるべきだとしている。ロイター通信が報じた。 (01:31)
米国のビッグ3の救済は、するべきだろうが、それは、雇用対策としてなされなければならないのであって、経営者など幹部の救済を意味しない。雇用の対策は、即座に需要対策であり、米国だけの問題ではない。米国と欧州が、経常収支の赤字を出しており、その赤字部分の8割は米国である。これは何を物語るかといえば、世界経済の総需要を米国と欧州が支えていたのだといえる。総需要は、企業の設備投資、個人の消費、政府の減税まで含めた総支出によって構成されるが、その総需要の非常に大きな部分を占める米国、欧州の個人消費が落ち込んでいるから、日本の欧州、北米輸出が急激に減ったのである。
 
 そのような世界需要の減衰によって、輸出産業株の大幅な下落が続き、また、原油の急激な下落にも見られるように工業資源の下落も世界需要の減衰が、主因である。投機市場への投機筋の資金の流入によって急峻な動きを減衰に付加する形で下落が演出されているのである。
 
 よって、米国のビッグ3の雇用対策としての救済策は、「調子が悪ければまた政府が助けてくれるや」という期待であるモラルハザードの危険を孕む---経営者まで救済してしまうのはこの危険を増幅する----とはいえ、世界総需要の対策として実行するのは非常に重大であると同時に緊急を要する政策なのである。一国の米国自動車会社だけの問題ではなく、ビッグ3が破綻すれば、その雇用が削減され、推定では500万人の雇用が失われるといわれるが、その失われた雇用は、総需要を構成する消費に間歇的な喪失を齎し、米国の総需要が大きく減少する。そうなれば米国だけでなく経常収支の黒字国である日本、中国、東南アジア諸国への影響は計り知れないものがある。
 
 ビッグ3の企業は残しても、経営幹部は経営の失敗の主体であり、その責任を取るべきである。彼らを企業に残すべきではないのは当然な政府の姿勢である。

  
金融システムのもろさ、誰も予見できず クルーグマン氏会見
 「金融システムがどれほどのもろさを抱えているのかをほとんど誰も予見できなかった」。今年のノーベル経済学賞を受賞するポール・クルーグマン米プリンストン大教授は7日、ストックホルムでの記者会見で米国発の金融危機について語った。

 教授は「伝統的な銀行システムが、(規制対象からはずれた)パラレル(並行した)銀行システムにどれほどの深度で取って代わられたかが見過ごされていた」と指摘。金融自由化を背景とする市場システムの複雑化に政府当局の規制や監視が追いつけなかったことがリスクを膨らませていたとの認識を示した。

 各国の景気後退への対応については「1929年の大恐慌の経験が、それを繰り返さないために生きるだろう」と指摘した。さらに「1990年代にゼロ金利下で激しいデフレ圧力にさらされた経済に対応した経験を持つ日本にわれわれは感謝すべきだ」と述べた。(23:48)日経ネット
なんとまぁ、皮肉な言い方だわね。周知のとおり、クルーグマンは、日本のデフレに対してインフレターゲット論、インフレ調整論を提唱したマクロ経済学者の一人。
 不徹底ではあるが、長期国債の買い入れによる「量的金融緩和」を日銀は実行したが、その解除も早すぎたというのが、「定説」である。これを踏まえての発言であるだろうから、皮肉である。


日経社説1 理由がわからない金融庁の代引き規制(12/7)  無用の規制によって消費者の便利さが損なわれ、それが経済活動の萎縮をもたらすような、あしき事例は少なくない。金融庁が新たな法整備によって商品代金や公共料金の支払い手段を規制対象に加えようとしていることも、その典型だろう。

 電話やインターネットで注文した商品を宅配便業者に届けてもらったときに、代金を宅配便業者を介して売り主に渡す代金引換サービス(代引きサービス)は、買う側にとってとても便利な支払い手段だ。

 電気、ガスや携帯電話などの公共料金、また一部の税金や年金保険料をコンビニエンスストアなどのレジで払う収納代行も、消費者にはありがたいサービスだ。銀行窓口で払うときのように書類への記入手続きなどがいらず、待たされる時間が格段に短い。何より24時間、365日いつでも払える。

 これらのサービスは宅配便やコンビニ業界が顧客サービスの目玉として創意工夫をこらして育ててきた。

 インターネット通販の拡大を考えると、代引きサービスの利用者は今後ますます増えるだろう。収納代行も公共料金だけでなく、国や地方自治体の税金の徴収を民間に委ねる流れは広がる一方だ。

 そんな便利なサービスを規制対象にしようとしているのはなぜか。意図がはっきりしない面もあるが、金融庁が金融審議会の部会に出した資料などによると、(1)消費者保護の仕組みが十分でない(2)宅配便業者やコンビニ業者の経営が破綻するリスクがある(3)反社会勢力などによる不正資金の洗浄行為つまりマネーロンダリングに悪用される心配がある――の3点を問題にしているようだ。

 いずれの論点も杞憂(きゆう)だろう。代引きは宅配業者が商品を購入者に渡すのと同時に行われるので、消費者が払い損になることはあり得ない。また委託元、つまり商品の販売者は大半が企業であり、代行業者に経営破綻のリスクがあるか否かを見極める力を持つとみるのが自然だ。マネーロンダリングの心配にいたっては理解に苦しむと言わざるを得ない。規制するための理由を無理に探しているのではないか。

 もちろん、代金や料金の回収を代行する企業側も一段の努力がいる。代理でお金を受け取ったことを示す領収証を消費者に渡すサービスをさらに徹底するなどだ。

 よもやと思うが、法規制によってこれらの業界に目を光らせ、あわよくば官僚の天下り先を広げられるという下心を金融庁が抱いているとすれば、とんでもないことである。
社説の熱心な読者ではないのだけど、これを見かけたときは金融庁の「経済」感覚というか「経済」観念の実生活からの大きなズレを思った。生活的利便性が、代引きによって、生活に齎されているにもかかわらずそれをいまどき規制するというお役所ってさ、どうなのよ、金融庁。
◎米大手企業に解雇の嵐=公表分が100万人突破2008年12月06日16時30分 / 提供:時事通信社
 【ニューヨーク6日時事】景気後退に入った米国で、収益悪化に歯止めを掛けようと主要企業が大規模な人員削減を進めている。各社が今年公表した削減予定人数は11月末までに100万人を突破。年末にかけての拡大は不可避で、さらなる消費減速を招いて景気回復が遅れる「負の連鎖」を引き起こしかねない。

 米転職仲介会社チャレンジャー・グレー・アンド・クリスマスによると、解雇予定の規模は、金融危機を反映して金融業界が前年比1.5倍の22万人超。それに次いで、自動車業界も、米ビッグスリー経営難のあおりで12万人に達した。ゼネラル・モーターズ(GM)はさらに最大3万1000人の追加削減を計画している。

 今月に入っても、通信大手AT&Tや化学デュポン、映画・メディアのバイアコムなど、人員カットは業態を超えて広がっている。年末は多くの米企業の決算期末で、「収益目標達成のために踏み込んだ雇用削減が発生する」(チャレンジャー社)見込みだ。時事通信 
日銀の利下げを歓迎、金融危機に立ち向かう姿勢示した=与謝野担当相
 【東京 31日 ロイター】 与謝野馨経済財政担当相は31日、日本銀行の利下げを受けて会見し、日銀の決定を歓迎すると述べた。利下げの効果については「目を見張るほどの効果を期待してはいけない」としながらも「日銀も金融危機に立ち向かう姿勢を示し、国際金融社会とともに歩む姿勢を示したもので、高く評価する」と述べた。

 また、「国内の経済対策や国際協調との整合性においても、政府として、日本銀行の決定を評価したい」と指摘。国際金融市場や11月15日に米国で開催される金融サミットに対して「当然、国際的な金融危機に対して隊列を整えて取り組んでいるという極めて重要な、象徴的な意味がある」と述べた。

 一段の利下げ期待に関しては「(政策変更前の政策金利水準は0.5%で)もともと背丈があまり高くない。それでも、率からいうと4割下げたともいえる」と語った。

 与謝野担当相は欠員となっていた日銀副総裁人事補充で積極的な役割を果たしたことが知られているが、今回の利下げ決定では賛否同数で議長が決した形となり、欠員となっている審議委員について「早急に国会の同意を得て、1人補充しなければならないとあらためて感じた」と語った。

 (ロイター日本語ニュース 吉川 裕子記者)

 与謝野氏の発言だが、日銀の金利の引き下げについて、「金融危機」に対応するものではないでしょ。株価下落で含み損を抱える金融資本の自己資金の毀損を修復するということを主とした対策ではない。日本の金融安定化法案の趣旨は、地方銀行、信金などの不良証券購入による貸与率の毀損を向上させる目的でなされる政策だと思う。そこが米国の金融危機とは趣を異にしている。
 そこで、この法案を今国会で通さなければならないのが、政府、与党のもっとも重要かつ緊急の政治的イッシューであろう。
 金利の引き下げは、株価と円、債券に影響を与えるが、金利の引き下げは、実体経済の下降懸念からの対策であると思うが・・・・。デフレ懸念に対する、景気に対する対応策だよね。

 
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