主に政治と経済について、思いついたことを語ります。リンクフリー、コピーもフリー
メモ書き
米国サブプライムローンによる金融危機と実体経済への波及経路の詳細がCDO、CDSなどの複雑怪奇な金融市場の実態通して懇切丁寧に説明してある。
商業銀行と投資銀行(証券会社)の自己資本比率とレバレッジ比率の違いによる区別など
自己資本率とレバレッジ率はそれぞれ逆数の関係であることの指摘
ローン担保証券とCDS(債務保証)の規模の異常な大きさ(4500兆円ほどもあるということが最近明らかになった)とその逆レバレッジによる資産価格下落による投売りと負債返却のための資産売却の加速による資産価格の急激な下落とその逆の急激な上昇の根拠の説明がなされている。
資産価格がバランスシート(資産と債務の構成)の悪化を招き、企業と家計は、資産価格の下落による負債の増価によって、家計は消費を切り詰め、企業は設備投資の抑制し、負債の返却を優先する。資産価格の下落によって、本来の投資より借金返済を優先する債務デフレへ道が始まることになる。
これは、竹森俊平の「資本主義は嫌いですか―それでもマネーは世界を動かす」にある、資本主義が本来持つバブル性の指摘にも通じる問題意識であるが、岩田はそれを内部の投資銀行のレバレッジ率の高騰から説き起こす。CDSのこれから引き起こす経済問題は、米国オバマ政権とCDS購入者であるであるEUの金融機関にも波及しかねない第二次金融危機を示唆する。 岩田らしい理詰めの説明がある。
註)CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の売り手は、保証料と引き換えに、社債やCDOなどに債務不履行が発生したときに、これらの証券の保有者が被る損失を肩代わり(保証金を支払う)する。
による。
ワルラスの法則から世界の貯蓄過剰とデフレ、長期金利の低落、日本以外の諸国の不動産、株のバブル関係、原油高の関係を経済学者のカバレロの理論から説明。
カバレロの議論はバブルが必要論に落ち着くが、バブルの不必要論としてロゴフの議論を取り上げるあたりが、竹森の「公平」さを示している。
東南アジア新興国の97年通貨危機以降の貯蓄の増大と米国へのファイナンス、東欧諸国の貯蓄不足と海外からの直接投資の流入による経済発展の限界と可能性も、理論的に説明されている。米国「長期」金利の低下と新興国の貯蓄が投資を上回ることによる米国へのファイナンスとの関係も述べられる。米国低金利と住宅バブルの関連、住宅バブルは低金利の要素以外で起きたとする「説」も公平に検討している。
経済学者ロゴフの「低成長」の是認の理屈の解説。などなど。
竹森や岩田はデフレスパイラル期に陥る危険のあった00年代のデフレとその波及のあり方を出来るだけ分りやすく一般の素人にも説明出来た者たちである。これらの著書の経済論は、今回の世界恐慌を「陰謀論」からかけ離れて、また、経済認識の誤りから過剰な煽動、その逆の平時と緊急時の区別をつけない素人経済論からの危機の指摘を煽動と捉える「俗論」からも自由である。29年の政界恐慌、日本の昭和恐慌からの脱却方法も弁えている。その適応範囲は、かなり広いものに渡る。
米国サブプライムローンによる金融危機と実体経済への波及経路の詳細がCDO、CDSなどの複雑怪奇な金融市場の実態通して懇切丁寧に説明してある。
商業銀行と投資銀行(証券会社)の自己資本比率とレバレッジ比率の違いによる区別など
自己資本率とレバレッジ率はそれぞれ逆数の関係であることの指摘
ローン担保証券とCDS(債務保証)の規模の異常な大きさ(4500兆円ほどもあるということが最近明らかになった)とその逆レバレッジによる資産価格下落による投売りと負債返却のための資産売却の加速による資産価格の急激な下落とその逆の急激な上昇の根拠の説明がなされている。
資産価格がバランスシート(資産と債務の構成)の悪化を招き、企業と家計は、資産価格の下落による負債の増価によって、家計は消費を切り詰め、企業は設備投資の抑制し、負債の返却を優先する。資産価格の下落によって、本来の投資より借金返済を優先する債務デフレへ道が始まることになる。
これは、竹森俊平の「資本主義は嫌いですか―それでもマネーは世界を動かす」にある、資本主義が本来持つバブル性の指摘にも通じる問題意識であるが、岩田はそれを内部の投資銀行のレバレッジ率の高騰から説き起こす。CDSのこれから引き起こす経済問題は、米国オバマ政権とCDS購入者であるであるEUの金融機関にも波及しかねない第二次金融危機を示唆する。 岩田らしい理詰めの説明がある。
註)CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の売り手は、保証料と引き換えに、社債やCDOなどに債務不履行が発生したときに、これらの証券の保有者が被る損失を肩代わり(保証金を支払う)する。
ワルラスの法則から世界の貯蓄過剰とデフレ、長期金利の低落、日本以外の諸国の不動産、株のバブル関係、原油高の関係を経済学者のカバレロの理論から説明。
カバレロの議論はバブルが必要論に落ち着くが、バブルの不必要論としてロゴフの議論を取り上げるあたりが、竹森の「公平」さを示している。
東南アジア新興国の97年通貨危機以降の貯蓄の増大と米国へのファイナンス、東欧諸国の貯蓄不足と海外からの直接投資の流入による経済発展の限界と可能性も、理論的に説明されている。米国「長期」金利の低下と新興国の貯蓄が投資を上回ることによる米国へのファイナンスとの関係も述べられる。米国低金利と住宅バブルの関連、住宅バブルは低金利の要素以外で起きたとする「説」も公平に検討している。
経済学者ロゴフの「低成長」の是認の理屈の解説。などなど。
竹森や岩田はデフレスパイラル期に陥る危険のあった00年代のデフレとその波及のあり方を出来るだけ分りやすく一般の素人にも説明出来た者たちである。これらの著書の経済論は、今回の世界恐慌を「陰謀論」からかけ離れて、また、経済認識の誤りから過剰な煽動、その逆の平時と緊急時の区別をつけない素人経済論からの危機の指摘を煽動と捉える「俗論」からも自由である。29年の政界恐慌、日本の昭和恐慌からの脱却方法も弁えている。その適応範囲は、かなり広いものに渡る。
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