忍者ブログ
主に政治と経済について、思いついたことを語ります。リンクフリー、コピーもフリー
Admin | Write
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 1929に始まるとされる大恐慌論は、国際経済学者のアイケングリーンの見解がグッド。民主党のフランクリン・ルーズベルトのニューディール政策より、金本位制とデフレ脱却、それを保証した政策レジームの転換にこそ大恐慌の終息を求めている。
 大恐慌期には、金本位制という固定相場制と資本の移動の自由が認められていた。それ故、諸国には、金融政策を自国のインフレ沈静化のための引き締めかデフレ解消のための緩和かという政策選択はとれないという制約があった。当時の米国は、輸出国であり、経常収支は黒字であった。金本位制では、金の流入を伴う。金流入、民間の金兌換請求によって、米国中央銀行は結果的に金と通貨の交換をすることになるので、中央銀行には通貨が入り、民間にはその通貨が吸収される金融引き締め策をとることになる。これによって、金本本位制の維持のために米国以外の諸国は、金の流出を阻止し、為替レートを維持するために金融引き締めに向かうことになる。このような金本位制に引きずられた米国の金融引き締め策によって、金利が高ければ、米国以外の民間は米国ドルに体現された米国証券を保有するインセンティブを持つだろう。このインセンティブの実行は、他国にとっての金の流出に繋がる。更に他国は金本位制を維持する拘束性から金流出を防ぐために、通貨供給を国内景気がよろしくないのに引き締める策を採用することになる。金本位制維持のためには米国は金融緩和を実行しなければならなかったのにもかかわらず、米国は引き締め策を採用し、米国以外の諸国家も国内景気に金融政策を割り当てることが出来ず、景気の悪い国も世界中がこぞって、金融引き締めに突っ込んでいったのである。これによって、世界の恐慌デフレーションが完結する。
 金本位制と資本の移動を認めることは、金流入国が、インフレの状況を迎えていれば、金融引き締め策に中央銀行はぶれる。金本位制では金流入国は、金本位制を維持するためには金融緩和策をとらなければならないが、国内がインフレであればそのようにもいかず、金融引き締め策、すなわち「デフレ」政策を採用することに他ならなかった。
 そこで、米国発の株価暴落は、金本位制という拘束ある制度によって、恐慌の発信源ではなかった各国に適度なインフレ=好況を、強制的に金融引き締め策に向き合わせる拘束性から、世界デフレショーンに向かわせることとなった。
 いわば金本位制の維持という目的によって人為的に引き起こされた世界デフレーションが、大恐慌の実態である。
 
 内閣府の経済社会総合研究所の堀 雅博のアイケングリーンを紹介しながらの1929の恐慌論が読める。一部引用。
 
ですから、このことから、金本位制離脱というのは、回復・デフレの必要条件であったということがわかります。それは全ての国が大恐慌から回復する前に金本位制を離脱したということで確認できたわけです。ただし、離脱から回復までの期間は、国ごとにまちまちでありまして、そういう意味では、金本位制の離脱は必要条件であるけれども、十分条件ではなかったということになるかと思います。
 そのほか、金本位制離脱後の経済の変数を見てみますと、ほとんどの国でデフレをした国は大幅な貨幣の切下げをやっているということ。それから、可能な国は金利を引下げている。
 それから、マネーサプライですけれども、これは後々には増えております。ただ、1つポイントを上げておきますと、回復が始まった時点でマネーサプライが増えていたとは限らないということであります。
必読、優れもの。
PR
 米国のサブプライムローンと米国以外からの資源高によって、証券会社の破綻に代表されるように、米国発恐慌の恐れを懸念する言辞がある。
 
1929の米国発大恐慌は、株価暴落による金融恐慌であり、ニューディール政策という民主党ルーズベルト大統領の果敢な積極財政政策によって米国景気が回復したという定説は、どうもそうでもないらしいということである。
 
見落としてならないのは、金融恐慌が実体経済に影響を与え、米国は「デフレ」に陥った。実体経済がデフレ不況に陥って、失業率が20㌫以上にも上がった、ということである。その社会的影響は、かなり深刻であったが、その当時レイオフされなかった、レイオフされるまでに至らなかった就業者達には、「デフレ」は賃金の上昇が見送られる中、かえって望ましい経済状態であったということである。
 
 実体経済としては、デフレ状況であったことと金本位制という固定相場制であったことを見落とすと、政府と中央銀行の対策の適否の判断を間違えるのではないかと思う。詳細 wiki
 フリードマン、シュウォーツの恐慌論
 
 こういうと大概は、当時の米国と今現在の米国の特に金融「構造」が違う、世界経済は当時よりグローバリズムの「構造」にあるという言辞が返される。よって構造を変換しない限り、恐慌は防げないという「文明」の差異論がかまされる。「構造」の違いは当然認めた上での「政府と中央銀行」採用する対策は、本質的には同じであると言うことである。「構造」を焼きなおすということは、長期的な視野に立ってなされるべきことで、「循環性」の金融恐慌、デフレ、インフレ対策とは異なった政策割り当てが必用とされる。
 ◇土居丈朗(慶大経済学部准教授)
 今回の自民党総裁選では与謝野馨経済財政担当相が立候補したことで、財源論を無視できなくなった。財源なくして政策は実施できない。これは重要な問題提起といえる。ただ、消費税増税に踏み込んでいるのは与謝野氏だけで、他の候補者が皆「霞が関埋蔵金」頼みとなのは気になる。埋蔵金については、麻生氏が外国為替資金特別会計、石原氏が財政投融資資金特別会計の準備金を念頭に置いた発言をした。

 しかし、「霞が関埋蔵金」は財源としてとても当てにはできない。外国為替資金特別会計の積立金は、1ドル=101円を超えて円高になれば、含み損と相殺して事実上ゼロになる。米国債などで保有する資産は、外貨建てのままで運用しなければ為替相場に影響するし、運用益も今まで以上に上げることは難しい情勢だ。財政投融資資金特別会計の準備金は同特会を債務超過にしないために不可欠なものだ。使えないお金を使えるかのように勘違いするのは、真っ当な政策論ではない。

 国家財政はリスクを抱えるのではなく保守的に手堅く運営すべきものだ。多くの国民もそう望んでいる。公的年金の運用損が出たときの批判を見れば自明である。これは国家運営の基本方針にもかかわる。「埋蔵金」を当てにする候補者、さらに民主党はこの点をどう考えるか、厳しく問われるべきである。

■具体性に乏しい歳出削減策
 歳出削減の議論が具体性に乏しいところも、これからの政策論議を通じて明確にしてもらいたい。無駄遣いをなくすことはよいことだ。しかし、どこの費目のどの無駄遣いでいくら削減するか、具体的に示さないと財源にならない。

 高コストや非効率による無駄遣いは、削減できてもたかだか1000億円単位にすぎない。政策の棚卸しをし、高度な政治判断を伴って、廃止縮減する事業や法人を「ばっさり」切らなければ兆円単位の削減はできない。どの政策や法人をやめるか、明示すべきである。この点は、民主党のマニフェスト(政権公約)もまだ具体性が乏しい。

 民主党は野党ならではの立場で、政治家と官僚の関係について、政治任用や天下りを含め具体的に言及している。自民党総裁選の各候補者にも見解を聞きたいところである。

■財政健全化の先送りで高金利も
 2011年度までの財政健全化目標を堅持するか否かについて、麻生太郎幹事長以外の候補者と民主党は堅持することを明示している。麻生氏は

 「状況による」としているが、本当に目標達成を先送りしてよいと考えているのか。目下の国債金利が低く収まっているのは財政健全化へのコミットメントがあるからだ。それを外すことで国債金利が急騰し、企業金融にも高金利の影響が及ぶとすれば、景気対策の効果も吹き飛ぼう。このあたりの政策の整合性は、これからの政策論議の中で、観念論でなく論理的に説明してもらいたい。
なんだかな、かなり違和感持つんだよな。土居のこの吼え方と内容について・・・・。年金の基金を株や債券での資産運用ついては基本的に反対(但し、配当狙いである限りは、概ね成長率に依存するから考慮もでいるのだろうけど)であるが、財政の再建を優先しなければならないとするのはどうも優先順位を掃き違えているのでは、と思える。
 長期金利と市中金利の動きは、筆者は詳しくはないので、言明を避けるが、中央と地方の債券発行による債務は800兆を超えているが、政府資産が300兆ほどもあるとのことで、純債務としてはGDP比率としてはそれほど高くはない。国債、地方債の償還を資産で行うという政策も考慮するのは、財政の圧縮として考えられてもいい手段だと思うが・・・・。
 ただし、債券の償還によって、金利がどのように動くのか筆者には、不明であることを前提としている。
 自民総裁候補に欠けているもの
◇竹中平蔵(日本経済研究センター特別顧問、慶大教授、元総務相)
 自民党総裁選が始まった。5人の候補で争われる今回はこれまでの総裁選といくつかの点で違っている。

 国民が最も嫌うのは「密室で決まる」「皆が勝ち馬に乗る(つまり実質的な論戦がない)」ということである。前者が森内閣、後者が福田内閣における誕生時の状況だった。

 しかし、今回は従来にはなかった若手による候補擁立の動き、女性候補の登場、そして活発な政策論争という意味で、新しい形が生じつつある。特に経済活性化と財政健全化のシナリオについては、激しい論争をしてもらいたい。

 まだまだ国民の期待に応えていない点は多い。せっかくの機会だから、以下の2点について前向きな展開を期待したい。

■見えてこない情熱あるメッセージ
 第一は、候補者のパッション(熱情)を示すという点だ。政治のリーダーの強烈なパッションなくして、政策の進展はありえない。いったい何を実現するために自民党のリーダーに(そして日本のリーダーに)なろうとしているのかが、あふれる情熱とともに示されねばならない。

 5人の候補者のパッションとは何なのだろうか。2001年の総裁選で小泉純一郎元首相は「郵政民営化」という明確な目標を掲げた。そのためなら「自民党をぶっ壊す」というパッションを示した。5人からはそれに匹敵するメッセージが、まだ見えていないのではないか。

■大胆な政策を公約に
 第二は日常的な政策論議を通じては実現できないような、ジャンプ(飛躍)した政策目標の提示だ。

 政策を実現するには通常、担当官庁で審議会を開き、1年以上の時間をかけて原案を議論する。さらに自民党の政務調査会で合意を形成し、最終的に党の最高意思決定機関である総務会の了承を得なければならない。そうして初めて法案は閣議決定され、国会に送られる。その間、多くの利害関係者の間で調整がなされ、修正されていく。当初の意図とは大きく変化してしまうことも頻繁に起こる。

 これに対し総裁選の公約は、まさに候補者個人の熱い思いを直接反映できる。その候補が総裁になれば、審議会がどう考えようが政務調査会がどう思おうが、実現を目指さざるを得なくなる。だからこそ郵政民営化は実現できた。総務省の審議会から、郵政民営化の意見が出てくるわけがない。小泉氏が総裁選でいわば関係者の頭越しに民営化を主張し、総裁になったから、民営化が政策決定のレールに乗ったのである。

 せっかくの総裁選で、つまりジャンプ型の政策を実現できるこの機会に、各候補者の意欲が十分示されているだろうか。あえていえば、石原伸晃元政調会長と小池百合子元防衛相の「議員定数削減」はこれに当たる。通常では、絶対実現できない政策である。一方で、一部の候補者は政策公約作りそのものを官僚に任せているふしがある。これこそ政治の自殺である。

 今からでも遅くない。各候補者は通常では議論の対象にすらならないような大胆な政策を掲げ、その政策の実現に向けた大いなるパッションを示してもらいたい。
 
 以上の発言では、竹中平蔵の現状の経済についてどのように認識し、どのような対策が望ましいのかが詳しく見えなてこないので、8/27日の掲載記事を見てみる。
 カネを配れば経済復活か
◇原田泰(大和総研チーフエコノミスト)
 自分の衆院選向けの選挙運動を前倒しでやりたいから総裁選に立候補していると揶揄(やゆ)されている人もいた乱戦気味の前哨戦だったが、ここで5人の候補が正式に出そろった。

■昔来た道 麻生・石破氏
 本命は麻生太郎幹事長だが、その経済政策は旧来の自民党政治の復活に思える。公共事業や補助金でカネを配れば経済は復活するという。そうしても1990 年代の日本経済は復活せず、公共事業を削減しながら2002年以降の景気は回復した。また、全員が景気対策に言及しながら、誰も金融政策について語らないのも残念だ。

 石破茂前防衛相の基本姿勢は、「改革のひずみに手当て」だが、改革のひずみとはなんだろうか。公共事業や補助金の削減がひずみなら、それへの手当ては、やはり昔来た道にならないか。

■小池・石原氏 政策にあいまいさ
 小池百合子元防衛相と石原伸晃元政調会長は「構造改革派」とされているが、その中身はまだ曖昧(あいまい)だ。福田内閣で緒に就いた道路特定財源の一般財源化をどう進めるのか、具体性のある政策を聞きたい。

 小池氏は特別会計の剰余金などいわゆる「霞が関埋蔵金」の活用を考えているようだ。活用は必要で埋蔵金の掘り出しは長期的に歳出の効率向上に効果を持つ。しかし、1回限りの巨額の財源であることをどう考えているのだろうか。今後、公約の詰めが必要と思われる。

■与謝野氏は若年層に冷淡
 財政再建重視の与謝野馨経済財政担当相は、年金・医療・介護のために消費税率の引き上げが必至とする。だが、不合理な社会保障制度、歳出一般の無駄の見直しが優先ではないか。また高齢者への福祉には熱心だが、若い家族向けの社会保障には熱心でないようだ。

 麻生氏以外の候補は、基礎的財政収支の黒字化目標を堅持しているが、これは現実的ではない。政府が責任を持ってコントロールできるのは歳出であって歳入ではない。不況になれば歳入は減少する。今回の世界不況は石油価格高騰と、米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題から起きた。日本政府にコントロールできるものではない。基礎的財政収支の黒字化目標のうち、歳出目標だけを堅持すればよい。

 不況はいつまでも続かない。歳出目標さえ堅持していれば、1、2年遅れで目標を達成できるだろう。できないことを主張しても信頼を失うだけだ。候補者は、政府に何ができて何ができないかをはっきりさせた方がよい。

■首相としての覚悟を示せ
 各候補の公約の中には、巨額の財源が必要で実現が危ぶまれる内容も含まれるが、首相の覚悟さえあればできることもある。麻生候補は学校を各家庭が選べる仕組みにすると公約している。首相になったときには、ぜひ実現を望みたい。

 具体性に欠けた政策も、本気で論戦すれば、次第に具体化せざる得なくなる。国民に課題を明らかにする活発な論争を望みたい。

太字の指摘は、原田の旧来からのリフレ派の主張と整合している。ただし、埋蔵金の使い方を今ひとつ考えていないのではないか。高橋洋一は、埋蔵金を市中金融機関にある国債の償還に使ったらどうかという提言をしている。この案は、非常に魅力的だ。市中のマネーサプライが増えることになるから、金利の低下効果を期待できる。量的金融緩和によるマネーサプライの増大効果と等しい効果を齎す。
 
 更に、高橋は埋蔵金使用は、ストックの使用であるが、フローの財政に常時使えないということもないと、高橋はしている。郵政民営化よる郵政が株式会社となれば郵政の株の売却による収益が生まれるとしている。
 
 周知のように中央銀行のベースマネーの増加は、2006年の3月以降解除され、実質金融引き締めの状態が、2008年9月現在まで続いている。単純にいえば、国民生活の窮乏を日銀は本人たちの意図とは別に強力に推進しているのである。
 そんな中、政府にしか景気の回復の政策は期待できない。財政政策の効果についてそれほどの効果は持たないなか、政府が行える金融政策がある指摘は、非常に面白い。
「公共事業=バラマキ」の発想を問う
 ◇リチャード・クー(野村総合研究所主席研究員)
 自民党の新総裁はまず景気回復を最優先すべきだ。低金利下でも企業がお金を借りて設備投資をしないのが問題。資産の法定耐用年数を見直して減価償却期間を短くするなど税制改正で投資を促す必要がある。しかし、その効果が出るまでは一定の時間がかかる。まず公共投資で下支えすべきだ。

■成立しない上げ潮派の議論
 これまでは米国、欧州、中国などの経済が活況で外需が強かったため、内需拡大策を取らずに済んだだけだ。経済成長重視の「上げ潮派」の議論が成り立ったのも外需が伸びたから。今やその大前提が崩れ、トヨタ自動車でさえ生産調整に踏み切らざるを得ない状況だ。外需依存度の高い日本は早く景気対策を取らなければならない。

 内需低迷の理由は金利が低いのに企業がお金を借りようとしないからだ。私はバブル経済崩壊後の不況を「バランスシート不況」と呼んでいる。過去15年間、バブル崩壊で資産価格が下落し、借金だけが残った。債務超過の状態に日本中が置かれた。日本企業は2002-03年ごろには年間20兆-30兆円を借金返済に回してきた。

■企業にカネを借りてもらう政策を
 借金返済に追われ続けた企業経営者は「二度と借金をしたくない」と考えている。企業部門がゼロ金利でも借りず、家計部門は貯金する。経済全体で見ればお金が出て行く先がない。企業にカネを借りてもらうのが問題解決につながる。

 対策は3年間の時限立法で償却期間を縮めるなどの税制見直しが適切。効果が出るまでは財政支出の拡大が必要だ。財政支出の対象としては、道路や橋を造る公共事業だけでなく、医療や教育なども含めるべきだろう。

 景気対策は財政再建と矛盾しない。むしろ何もしない方が財政赤字は拡大する。政府は1997年、2001年に財政再建に取り組んだが、景気悪化を招いただけではなく、財政事情も悪化させた。97年に消費税率を5%に引き上げたが財政赤字は拡大している。

■財政再建は資金需要が増えてから
 財政再建は企業がお金を借り始めたときに始めるべきだ。資金需要が出てくれば社債発行が増え、銀行貸し出しが伸びる。そうなれば即座に財政再建に取り組むべきだ。

 公共事業を「バラマキ」と批判する人がいるが、バラマキの定義は何か。定義がない言葉を巡り、まともな政策論議ができないのは日本にとって最大の悲劇だ。バラマキの一言であらゆる議論が思考停止に陥る。

 自民党総裁選には5候補が立候補した。麻生太郎幹事長がほかの4候補と大きく違う点はもともと企業経営者だったことだ。バランスシート不況の問題は経営者なら一発で理解できる。経営に携わった経験のない人は、学者も含めてだが、まったく理解できない。
日銀:中立の金融政策を支持…審議委員候補の池尾和人氏

政府が日銀審議委員候補として国会に提示した池尾和人慶応大教授は3日、衆参両院の議院運営委員会の所信聴取に臨み、日銀の金融政策について、利上げと利下げのどちらにも予断を持たない中立的な現行政策を支持する考えを表明した。

 池尾氏は「企業の過剰な債務・人員・設備が解消され、金利正常化の条件が整ってきた」と将来的には追加利上げに前向きな姿勢を示した。ただ、最近の物価上昇は「利上げで抑え込もうとして失敗すれば、(インフレと不況が併存する)スタグフレーションを起こしかねない」と指摘。「(景気の)上下両方向のリスク要因を点検した上で機動的な政策を行う日銀の考え方は適切」と述べた。

 日銀が物価上昇率の目標を示して金融政策を運営する「インフレ目標」については、採用している英国で金融市場が混乱したことを指摘。「今回の混乱を総括して再検討すべきだ」と慎重な考えを示した。【斉藤望】

毎日新聞 2008年6月3日 21時14分
この報道を見る限り、池尾の政策スタンスは、ある意味、想像し難い「理論」からできている。
ガソリンの価格が投機によって決まっているという報道がなされる中、ガソリンが高すぎるじゃないか、ということで遅まきながら、原油の価格の決まり方を調べた。原油高で、「デフレ」圧力で価格転嫁が出来にくい運輸業者は、死活問題に直面している。この業界は想像以上に厳しい状況だろう。
 池上彰の『解決!ニュースのギモン』が詳しかったな。2005/11/29の掲載だからちっとは古いが、基本的な価格の決まり方は変わらないだろう。
 要は、米国のテキサス北米産の代表的な原油は「WTI」(West Texas Intermediate)といい。「西テキサスの中質油」という意味で、アメリカのテキサス州を中心とした中西部でとれる中質油の価格が、決まれば、日本の輸入量が多い「ドバイ」の価格も決まるということだ。

 
 
日本が輸入している原油は、アラブ首長国連邦のドバイ原油を中心とする中東産です。中東産油国は、オープンな市場で原油が自由に取引されるのを嫌い、閉鎖的な市場を形成しています。自由に価格が決まるのではなく、アメリカのWTIの価格より少し安い価格で売買される仕組みにしているのです。

 このため、ニューヨークの取引所で原油価格が上昇すれば、ドバイ原油も値上がりします。日本が輸入する中東の原油も値上がりし、私たちがガソリンや灯油の値上がりに悩まされるというわけです。

 ドバイの原油握っている連中、通常価格より儲けすぎだわな。

 
 まずは日経新聞のWEB版の報道。
4月の消費者物価0.9%上昇、食料品の値上がり目立つ
 総務省が30日発表した4月の全国消費者物価指数(CPI、2005年=100、季節調整値)は、変動の激しい生鮮食品を除くベースで前年同月比 0.9%上昇した。暫定税率の期限切れでガソリンが値下がりしたが、穀類を中心に食料品が幅広く値上がりした。暫定税率の復活でガソリンが値上がりした5 月の上昇率は、4月より拡大する公算が大きい。

 4月のCPIは100.8で、7カ月続けて前年同月を上回った。上昇率は3月より0.3ポイント縮小したが、昨年12月以降は1%前後の高い伸びが続いている。酒類以外の食料とガソリンなどのエネルギーを除いたCPIは前年同月比0.1%下がり、2カ月ぶりのマイナスに転じた。

 品目別では食料品の値上がりが目立った。全体の物価上昇への貢献を示す寄与度は生鮮食品を除く食料が0.54ポイントと、3月より0.15ポイント拡大。スパゲティ(30.2%上昇)、チーズ(27.7%上昇)、即席めん(18.4%上昇)などの上昇率が高かった。(13:28) 日経新聞
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
マクロ経済学の学習
政府、日銀の政策、マスコミの報道に疑問を持つならここを読め
リフレ政策を発動せよ
最新コメント
[10/17 coach outlet]
[10/15 ティンバーランド ブーツ]
[10/11 モンクレール ever]
[10/11 コーチ バッグ]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
解 龍馬
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析
フリーエリア
組織の中の人

忍者ブログ [PR]

Designed by