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 自民総裁候補に欠けているもの
◇竹中平蔵(日本経済研究センター特別顧問、慶大教授、元総務相)
 自民党総裁選が始まった。5人の候補で争われる今回はこれまでの総裁選といくつかの点で違っている。

 国民が最も嫌うのは「密室で決まる」「皆が勝ち馬に乗る(つまり実質的な論戦がない)」ということである。前者が森内閣、後者が福田内閣における誕生時の状況だった。

 しかし、今回は従来にはなかった若手による候補擁立の動き、女性候補の登場、そして活発な政策論争という意味で、新しい形が生じつつある。特に経済活性化と財政健全化のシナリオについては、激しい論争をしてもらいたい。

 まだまだ国民の期待に応えていない点は多い。せっかくの機会だから、以下の2点について前向きな展開を期待したい。

■見えてこない情熱あるメッセージ
 第一は、候補者のパッション(熱情)を示すという点だ。政治のリーダーの強烈なパッションなくして、政策の進展はありえない。いったい何を実現するために自民党のリーダーに(そして日本のリーダーに)なろうとしているのかが、あふれる情熱とともに示されねばならない。

 5人の候補者のパッションとは何なのだろうか。2001年の総裁選で小泉純一郎元首相は「郵政民営化」という明確な目標を掲げた。そのためなら「自民党をぶっ壊す」というパッションを示した。5人からはそれに匹敵するメッセージが、まだ見えていないのではないか。

■大胆な政策を公約に
 第二は日常的な政策論議を通じては実現できないような、ジャンプ(飛躍)した政策目標の提示だ。

 政策を実現するには通常、担当官庁で審議会を開き、1年以上の時間をかけて原案を議論する。さらに自民党の政務調査会で合意を形成し、最終的に党の最高意思決定機関である総務会の了承を得なければならない。そうして初めて法案は閣議決定され、国会に送られる。その間、多くの利害関係者の間で調整がなされ、修正されていく。当初の意図とは大きく変化してしまうことも頻繁に起こる。

 これに対し総裁選の公約は、まさに候補者個人の熱い思いを直接反映できる。その候補が総裁になれば、審議会がどう考えようが政務調査会がどう思おうが、実現を目指さざるを得なくなる。だからこそ郵政民営化は実現できた。総務省の審議会から、郵政民営化の意見が出てくるわけがない。小泉氏が総裁選でいわば関係者の頭越しに民営化を主張し、総裁になったから、民営化が政策決定のレールに乗ったのである。

 せっかくの総裁選で、つまりジャンプ型の政策を実現できるこの機会に、各候補者の意欲が十分示されているだろうか。あえていえば、石原伸晃元政調会長と小池百合子元防衛相の「議員定数削減」はこれに当たる。通常では、絶対実現できない政策である。一方で、一部の候補者は政策公約作りそのものを官僚に任せているふしがある。これこそ政治の自殺である。

 今からでも遅くない。各候補者は通常では議論の対象にすらならないような大胆な政策を掲げ、その政策の実現に向けた大いなるパッションを示してもらいたい。
 
 以上の発言では、竹中平蔵の現状の経済についてどのように認識し、どのような対策が望ましいのかが詳しく見えなてこないので、8/27日の掲載記事を見てみる。

 バラマキ予算の前にやるべきこと
(2008/08/27)

◇竹中平蔵(日本経済研究センター特別顧問、慶大教授、元総務相)
 今年4-6月期の国内総生産(GDP)は、年率マイナス2.4%という厳しい数字になった。これを受けて、経済対策と補正予算の議論が活発化している。

 有力政治家たちは大型補正予算の編成を繰り返し主張し、「2兆円」「3兆円」とその規模を競い合っている。与党のみならず、民主党も既に3兆円規模の経済対策を打ち出し、選挙を意識した大盤振る舞いの気配が濃厚となっている。

 財務省や同省に近い政治家からは補正予算に伴う赤字国債の発行を戒める発言も聞かれる。しかし、政治の世界では「相当規模の経済対策・補正予算」が規定路線になりつつあるようだ。

内需がマイナス成長の原因
 政策論としてまず議論すべきことがある。それは「なぜ日本経済がここまで悪くなったのか」という点だ。マイナス2.4%成長のうち外需はゼロ成長である。マイナス分はすべて内需から来ている。したがって、単に世界経済が停滞したことによって、つまり外需の関係で日本がマイナス成長になった(与謝野馨経済財政担当相はそう受け取れるような発言をしているが……)というのは適切ではない。経済が停滞した国内要因を考える必要
がある。

 経済悪化の要因として、大きく次の3点が挙げられる。第ーは構造改革のモメンタム(勢い)低下によって、期待成長率が押し下げられたことだ。期待の低下が個人消費と設備投資の低迷を招いている。

 第二はコンプラ不況といわれるような行き過ぎた規制強化である。コンプライアンス(法令順守)や安全・安心のための規制は重要だが、だからといって行き過ぎは正当化されない。建築基準法の修正の結果、建築確認が停滞し、それが住宅投資の大幅減少をもたらしたのは記憶に新しい。ほかにも、外資規制や金融取引規制が強化され、経済活動の萎縮している。

 そして第三は、金融引き締めである。日本では2006年にいわゆる量的緩和を解除して以来、金融の引き締めが続いてきた。デフレを放置したままでの金利引き上げが実質金利を上昇させ、経済活動にマイナスの影響を与えたことは明白である。

■効果少ない財政資金投入
 したがって、経済を活性化させるための対策として、この3つの要因に対処するのが常識だ。構造改革の新しいプランを明確に示し、誤った規制を緩和し、金融も緩和する……。補正予算や新たな経済対策を実施するのは、そのうえでのことである。手を着けないまま、何兆円もの財政資金をつぎ込むのは、穴の空いたバケツに大量の水を注ぎ込むのと似ている。まるで不良債権に手を着けることなく、やみくもに財政拡大を行なった「失われた10年」の経済政策をほうふつさせるものがある。

 今月25日の経済財政諮問会議で「バラマキはしない」との趣旨の民間議員ぺーパーが提出された。バラマキをしてはならないのは当然であるが、どのような政策で経済を立て直すのかは必ずしも明らかではない。伝えられるところによれば、福田康夫首相は改革のビジョンを作ることを考えているという。そうであれば、21世紀版「前川レポート」として経済財政諮問会議が今年7月にまとめた「グローバル経済に生きる--日本経済の『若返り』を」は一体何だったのかという思いもある。

■金融政策と行き過ぎた規制の是正を
 ともあれ、改革ビジョンそのものは必要である。まず金融政策の重要性(金融政策こそが最も重要なマクロ政策であることは世界の常識である)を指摘し、行き過ぎた規制を急いで元に戻す必要がある。

 少なくとも、今のところ失業率の急激な上昇は見られない。つまり、経済対策は金融政策の後で考えるべき問題なのだ。個別産業に対する裁量的な関与、救済など、経済効果がないうえに中期的な経済活力を損なうものでしかない。
太字については、全く賛成。大手新聞メディアの内で、著名であるもののうち筆者が知る限り、金融緩和を進めることを提唱しているのは竹中平蔵ぐらいである。いつからリフレ金融緩和派になったのか、聞いて見たい気がするが、とりもなおさず、竹中平蔵は現状では「構造改革」リフレ派であるのだろうか。
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