主に政治と経済について、思いついたことを語ります。リンクフリー、コピーもフリー
1929に始まるとされる大恐慌論は、国際経済学者のアイケングリーンの見解がグッド。民主党のフランクリン・ルーズベルトのニューディール政策より、金本位制とデフレ脱却、それを保証した政策レジームの転換にこそ大恐慌の終息を求めている。
大恐慌期には、金本位制という固定相場制と資本の移動の自由が認められていた。それ故、諸国には、金融政策を自国のインフレ沈静化のための引き締めかデフレ解消のための緩和かという政策選択はとれないという制約があった。当時の米国は、輸出国であり、経常収支は黒字であった。金本位制では、金の流入を伴う。金流入、民間の金兌換請求によって、米国中央銀行は結果的に金と通貨の交換をすることになるので、中央銀行には通貨が入り、民間にはその通貨が吸収される金融引き締め策をとることになる。これによって、金本本位制の維持のために米国以外の諸国は、金の流出を阻止し、為替レートを維持するために金融引き締めに向かうことになる。このような金本位制に引きずられた米国の金融引き締め策によって、金利が高ければ、米国以外の民間は米国ドルに体現された米国証券を保有するインセンティブを持つだろう。このインセンティブの実行は、他国にとっての金の流出に繋がる。更に他国は金本位制を維持する拘束性から金流出を防ぐために、通貨供給を国内景気がよろしくないのに引き締める策を採用することになる。金本位制維持のためには米国は金融緩和を実行しなければならなかったのにもかかわらず、米国は引き締め策を採用し、米国以外の諸国家も国内景気に金融政策を割り当てることが出来ず、景気の悪い国も世界中がこぞって、金融引き締めに突っ込んでいったのである。これによって、世界の恐慌デフレーションが完結する。
金本位制と資本の移動を認めることは、金流入国が、インフレの状況を迎えていれば、金融引き締め策に中央銀行はぶれる。金本位制では金流入国は、金本位制を維持するためには金融緩和策をとらなければならないが、国内がインフレであればそのようにもいかず、金融引き締め策、すなわち「デフレ」政策を採用することに他ならなかった。
そこで、米国発の株価暴落は、金本位制という拘束ある制度によって、恐慌の発信源ではなかった各国に適度なインフレ=好況を、強制的に金融引き締め策に向き合わせる拘束性から、世界デフレショーンに向かわせることとなった。
いわば金本位制の維持という目的によって人為的に引き起こされた世界デフレーションが、大恐慌の実態である。
内閣府の経済社会総合研究所の堀 雅博のアイケングリーンを紹介しながらの1929の恐慌論が読める。一部引用。
大恐慌期には、金本位制という固定相場制と資本の移動の自由が認められていた。それ故、諸国には、金融政策を自国のインフレ沈静化のための引き締めかデフレ解消のための緩和かという政策選択はとれないという制約があった。当時の米国は、輸出国であり、経常収支は黒字であった。金本位制では、金の流入を伴う。金流入、民間の金兌換請求によって、米国中央銀行は結果的に金と通貨の交換をすることになるので、中央銀行には通貨が入り、民間にはその通貨が吸収される金融引き締め策をとることになる。これによって、金本本位制の維持のために米国以外の諸国は、金の流出を阻止し、為替レートを維持するために金融引き締めに向かうことになる。このような金本位制に引きずられた米国の金融引き締め策によって、金利が高ければ、米国以外の民間は米国ドルに体現された米国証券を保有するインセンティブを持つだろう。このインセンティブの実行は、他国にとっての金の流出に繋がる。更に他国は金本位制を維持する拘束性から金流出を防ぐために、通貨供給を国内景気がよろしくないのに引き締める策を採用することになる。金本位制維持のためには米国は金融緩和を実行しなければならなかったのにもかかわらず、米国は引き締め策を採用し、米国以外の諸国家も国内景気に金融政策を割り当てることが出来ず、景気の悪い国も世界中がこぞって、金融引き締めに突っ込んでいったのである。これによって、世界の恐慌デフレーションが完結する。
金本位制と資本の移動を認めることは、金流入国が、インフレの状況を迎えていれば、金融引き締め策に中央銀行はぶれる。金本位制では金流入国は、金本位制を維持するためには金融緩和策をとらなければならないが、国内がインフレであればそのようにもいかず、金融引き締め策、すなわち「デフレ」政策を採用することに他ならなかった。
そこで、米国発の株価暴落は、金本位制という拘束ある制度によって、恐慌の発信源ではなかった各国に適度なインフレ=好況を、強制的に金融引き締め策に向き合わせる拘束性から、世界デフレショーンに向かわせることとなった。
いわば金本位制の維持という目的によって人為的に引き起こされた世界デフレーションが、大恐慌の実態である。
内閣府の経済社会総合研究所の堀 雅博のアイケングリーンを紹介しながらの1929の恐慌論が読める。一部引用。
ですから、このことから、金本位制離脱というのは、回復・デフレの必要条件であったということがわかります。それは全ての国が大恐慌から回復する前に金本位制を離脱したということで確認できたわけです。ただし、離脱から回復までの期間は、国ごとにまちまちでありまして、そういう意味では、金本位制の離脱は必要条件であるけれども、十分条件ではなかったということになるかと思います。必読、優れもの。
そのほか、金本位制離脱後の経済の変数を見てみますと、ほとんどの国でデフレをした国は大幅な貨幣の切下げをやっているということ。それから、可能な国は金利を引下げている。
それから、マネーサプライですけれども、これは後々には増えております。ただ、1つポイントを上げておきますと、回復が始まった時点でマネーサプライが増えていたとは限らないということであります。
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