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 5/25日の日経新聞一面(13版)トップは、長期金利、日米欧で上昇、という記事だった。大きなニュースがなかったこともあるかもしれないが、長期金利が一面トップに来るにも珍しい。それだけ、ここにきての長期金利の動きが気になってきたとも言える。

 特に昨年末に一時2%近くまで低下していた米国の長期金利は先週末、3.45%に上昇した。ドイツの長期金利も3.46%と、こちらもじわりじわりと上昇し、そして英国の長期金利も同様で、先週末は3.7%近辺に上昇している。日本の長期金利の上昇は欧米ほどではないものの、年末の1.2%割れから直近では1.5%近くにまで上昇した。

 これをどう見るか?以前も書いたが、ひとつは、景気回復期待による金利の上昇である。期待実質金利=名目金利-インフレ予想率というフィッシャー方程式がある。フィッシャーの方程式は、平常時つまりは「完全雇用」時には成立して、実質の金利は名目金利が変化しなくてもインフレ時には下落する。しかし非常事態のとき「不完全雇用」のときには、インフレであっても実質の金利は上昇しない。完全雇用まで、すなわち潜在的な成長率を使い切るまで、効率的な資源配分が行われるれ、あるいは、設備投資の減少、店舗展開の減少を通じて、資金需要が減少するため名目金利は上昇しないと考えられる。まして、不完全雇用のときにデフレであれば実質金利は、その率だけ上昇してしまうといえる。

 二つ目には、財政規模の拡大によって長期国債の発行が増える。この増発された国債を需要するものが少なければ、需要と供給の緩みから国債の価格は下落する。価格が下落すれば、利回りは、上昇することになる。これが長期金利の上昇の原因だとする。

 昨今の長期金利の上昇は、後者の方の要因のほうが大きいのだろうと「検討」した結果思う。現状での雇用情勢を見れば明らかなように「失業率」が上昇、景気一致指数としての有効求人率は0.45倍である。これは、労働を、雇用を十分に活かしていない情勢を示す。このような雇用の情勢では、名目の経済成長率の向上、基準をどこに置くかで異なるが、直近では07年の成長率、さらに次の段階では90年代の名目でも2㌫以上の成長率とすれば、景気の回復、業績の回復が達成されているとはいえない。とすれば、景気回復期待は、株価の上昇、原油先物、穀物関連の先物、金などのETFなのど金融商品の上昇によって期待された「期待」の要因のほうが大きいのではないか?

 そうでなければ、株価の上昇は、過剰流動性の向かい先が一気に消え去り、経済実態を反映したものということになってしまう。それは明らかにおかしい。なぜなら、日米欧の失業率は上昇していることの説明が説得的に出来ないからである。
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 景気「下げ止まる動き」 4月一致指数、11カ月ぶり改善 日経新聞
 内閣府が9日発表した4月の景気動向指数(CI、2005年=100)は、景気の現状を示す一致指数が前月に比べ1.0ポイント高い85.8となり11カ月ぶりに改善した。生産に持ち直しの兆しがあり、製造業では残業時間や中小企業の売上高がプラスに転じた。内閣府は基調判断を従来の「悪化を示している」に「下げ止まりの動きもみられる」との表現を加え、9カ月ぶりに上方修正した。
 一致指数は速報段階で使う9つの指標のうち、生産や出荷、商業販売額など7つが改善した。数カ月先の情勢を示す先行指数も2カ月連続で上昇しており、民間シンクタンクの多くは「1~3月期が景気の底」との見方を強めている。
 4月の生産指数は前月比5.2%上昇し、2カ月連続で改善。製造業の所定外労働時間指数がほぼ1年ぶりに前月水準を上回ったほか、中小製造業の売上高も前月より改善した。在庫調整が進んだことが背景で、先行指数を構成する鉱工業生産財の在庫率指数は前月比で14.9ポイント改善した。(00:09)


日経平均反発、一時1万円に接近
 10日の東京株式市場で日経平均株価は反発。一時、8日の取引時間中の高値(9914円07銭)を上回る場面があった。米自動車大手クライスラーの資産譲渡を米最高裁が認めたと伝わり、ゼネラル・モーターズ(GM)の再建もスムーズに進むとの期待感が株価を支えた。
 朝方発表された4月の機械受注統計で、「自動車工業」や「電気機械」の受注が増えたことも好感された。輸出株、資源関連株など幅広い銘柄が物色された。午後1時時点では東京証券取引所第1部の約8割が上昇するほぼ全面高となった。
 午後1時10分時点の日経平均は前日比166円88銭(1.71%)高の9953円70銭。香港株などアジア市場の上昇も追い風だった。 (13:27)


5月の企業物価指数、5.4%下落 22年ぶりの大幅下げ
 日銀が10日発表した5月の国内企業物価指数(2005年=100、速報値)は103.0と、前年同月比で5.4%下がった。下落率は1987年3月以来、22年2カ月ぶりの大きさ。昨年と比べ原油など資源価格が低下していることが影響した。原油価格は足もとで再び上昇しているが、7~9月までは同指数は下落傾向が続く公算が大きい。
 企業物価は出荷や卸売段階で企業同士がやりとりするモノの価格水準を示す。品目別では石油・石炭製品や非鉄金属が前年同月比で約3~4割下がった。鉄くずなどのスクラップ類や化学製品も大幅に下落。資源・エネルギー関連の価格低下が響いている。
 全体としては足もとでも下落傾向が続いている。同指数は前月比ではマイナス0.4%と9カ月連続で下落した。電力や都市ガスが値下げによって同マイナス7.0%と下げ幅を拡大した。 (10:56)

ドバイ原油、一時70ドル台 8カ月ぶり高値
 東京原油スポット市場の中東産ドバイ原油は10日午前、取引の中心となっている8月渡しが1バレル70.30ドル(中心値)となり前日比1.1ドル上がった。昨年10月中旬以来、約8カ月ぶりに70ドル台に乗せた。ニューヨーク原油相場が上昇した流れを受けた。中国やインドの景気回復による需要増見通しも強まっている。 (10:06)


 平均株価は上昇して、機械の受注は減って、企業の卸売り物価が下落、中東ドバイの原油価格が上昇ってなぐあいで・・・・。リスクはあるが資産価格としての株価は上証するという「金融相場」の状態にある。この金融相場、また景気回期待相場から実態経済を反映した「業績相場」への移行する過渡期にあるのだと思う。そうした傾向は、本年09年の3月から始まっていた。世界的な景気の不況の底から脱して、回復基準は低いが最悪期は脱して、世界的な株価上昇が起きている。
 
 実体経済の本格的経済回復は、まだまだ先のことで、これを企業卸売物価の下落が物語る。雇用の回復は、まだまだ先のことで、全国的な新規求人は低く、有効求人倍率は、0.45あたりだとされている。
 
 また、あまりすっきりせず、とらえどころのない指標が、長期金利の上昇であって、米国は3.5パーセントほどに上昇。この上昇の捕らえ方には二つあるようである。ひとつは、米国のオバマ政権の大型予算の出動によって、財政支出の拡大による米国債の大量発行によって長期金利が上昇している、という見方である。二つ目には、米国経済の回復期待によって長期金利が上昇しているという見方である。景気回復期待という見方をとると長期子国債という安全資産より、リスクの高い資産へ資金が動いているということがいえる。
 
 いずれにしても過剰流動性は、リスクは高いが原油先物、穀物類の先物相場、新興国の株、などリスク資産へ流れ込んでいるのだろうと思う。その一端がドバイ原油の上昇にあらわされている。原油高は、過剰流動性が投機に向かっているから起きているのだと思う。そうであれば、投機の根拠は、原油はこれから高くなるだろうという期待、思惑から動いているのだろうからこれからは上昇する。穀物相場もその部類だろう、と思う。原油高、穀物高が続けば、コストプッシュインフレの懸念を招きよせる。

 だが、企業の卸売り物価は下落しているので、それほど消費者物価には跳ね返らないだろうとも思う。原油高は日本経済に大きな打撃を与える懸念材料である。卸売物価の下落の圧力があるので、どこかで原油上昇分を吸収しなければならない、ことになる。おおく上場企業は在庫の整理は、終わっていると聞く。よって、最後のコストカットは賃金である。夏ごろの失業率が高くならなければ、賃金の上昇率も下落するだろう。本年後期から、過剰雇用とデフレ危機が、さらに深まるかもしれない。まあ、そのころには、どうにもならない自民か民主の政権が出来ているのだろうけど・・・・。
 
 さて話題を変えて、バルト三国、ハンガリーなど欧州金融機関が積極的に投資してきた中東欧諸国では、サブプライム関連証券の価格下落によって、欧州が金不安に陥り、投資基金を引き上げた。こうしたことはあまり起こってもらいたくないが、中東欧が筆者には非常に危ない現状にあると思う。中東欧へ投資したは、欧州の金融機関である。IMFが中東欧諸国に資金融資供給しているが、それによってかの国の経済が回復するということは、なかなかに難しいように思う。というのも中東欧諸国は、他の国の資金で、しかも短期資金で、高い経済成長を遂げていた。この資金が引き上げられたのだから、余剰資金はない。
 
 もし、中東欧の諸国が、IMFによる資金融資によっても、政策的に引き締め策をとるということをすれば、さらに通貨は暴落し、過剰な外貨建て債務の返却に追われ、民間、政府の債務の返却は、市中の通貨供給量の減少を意味するから、引き締め策と同様に景気の減速、経済の悪化を招くことになる。
 
 過剰に貸し付けていた欧州金融機関の貸付が、債務不履行の危機に陥らないとは限らない。債務不履行、国家の債務不履行、つまりデフォルトが起きれば、欧州金融危機へと再燃しかねないことになる。
 こんなことは起きてほしくはないが、そうした火種を、欧州は抱えている。これは、EUの崩壊、ユーロの放棄と繋がりかねない。
 
 まあ、ないだろうとは楽観しているのだけどね、筆者は、根拠はあまりないが・・・・。

下請け代金法違反、総額12億円の返還命令 08年度、中企庁
 中小企業庁は3日、2008年度の下請代金支払遅延等防止法(下請代金法)違反や、取り締まり活動の結果を発表した。企業が下請け企業への支払いを不当に減額したり遅らせたりする悪質なケースについて、計270社に対し総額12億4500万円の返還を命じた。返還額は前年度の2億3100万円から5倍以上増えており、中企庁は今後もさらに取り締まり強化していく方針。
 中企庁は08年度に、景気低迷に乗じた「下請けいじめ」を防ぐために、取り締まりの端緒となる書面調査を前年度の13万件から20万件に増やした。警告文書や立ち入り検査にいたるケースは合計約8000社から9500社に増加。下請け企業からの告発も57件あり、前年の29件から2倍近く増えた。(03日 23:04)日経新聞

 
 景気後退気には、このようないわれなき中小企業虐めがはびこるのは世の常ではある。
 
 しかしながら、景気後退を口実にした支払いの不当減額などは、止めるべきで、「市場」の失敗とまではいわないが市場のゆがみを助長するする点は、公正な取引をしないカルテル、談合と同じ部類の社会を作るもとになる。市場は歪み易いし、不公平な弱肉強食競争社会「観」を涵養させるもととなる。

 またその逆に、「競走」なき社会は「弱者」競走に向かい、同情心に訴えかけること、施しを求めることが経済的合理的な動機となるような社会も病的である。そのさまはおおよそ活況に満ちたそれとはならないだろう。

 どちらの「社会」も拒否しするというのは言うが易き、実行はかなりむつかしいが・・・・。「公」による「市場」をゆがめない様な措置が必要となる所以でもある。
GM負債16兆4000億円、破産法申請 大統領「再建は可能」
2009年6月2日 朝刊
 【ワシントン=古川雅和、デトロイト=阿部伸哉】米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)は1日朝、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用をニューヨークの連邦破産裁判所に申請した。3月末時点の負債総額は1728億1000万ドル(約16兆4000億円)に達し、米製造業で史上最大の経営破綻(はたん)となった。
 オバマ大統領は同日正午前(日本時間2日未明)ホワイトハウスで声明を発表し、GMの再建計画は「現実味があり、実現可能だ」と述べるとともに「破産手続きは迅速に進む」と自信を示した。
 大統領はまた「米自動車産業が崩壊していれば、経済に壊滅的打撃を与えていただろう」と強調。301億ドル(約2兆9000億円)を追加融資し、GMを「国有化」する米政府の支援策を「唯一の方法」として国民の理解を求めた。
 GMは同日、2008年に47あった米国内工場を10年末までに34に減らし、12年までにさらに33に削減するリストラ計画も発表した。
 GMの破綻により、4月30日のクライスラーに続いて、1カ月余にビッグスリー(米自動車大手3社)の2社が倒産した。クライスラーについては6月1日までに米連邦裁判所が新会社への資産売却を承認。米政府はGMについても60~90日程度で破産手続きを終え、スピード再建を図る意向だ。
 米政府は新生GM株式の約60%を取得し最大株主となり、カナダ政府なども12%の普通株を保有する。米メディアによると設立後6~18カ月で再上場を目指す考えだ。
 新会社は、旧GMから「キャデラック」「シボレー」「ビュイック」など中核4ブランドを引き継ぎ、競争力回復を狙う。
 米政府は「日々の経営には口を出さない」方針だが、新車販売市場の低迷に出口が見えない中、「国有化」をいつまで続けるか、難しい判断を迫られる。


 そこで米国のダウを見ると株価を見ると上昇してるねぇ。あれだけ長い間、昨年から騒がれ続けていた「破綻」の話題が続いたのだから「市場」関係筋だけでなく、一般人々も織り込み済みの結果となったわけだ。米国の実体経済とは別な動きが金融緩和を背景に「金融相場」として描かれ、実体経済の所得、雇用などの経済は「悪化」していくことは、「景気」回復期としては当然に迎える経済事象なのだろうといえる。
【ニューヨーク11日共同】週明け11日のニューヨーク外国為替市場の円相場は午後5時現在、前週末比99銭円高ドル安の1ドル=97円44-54銭。


お、円高か。麻生の財政出動、主要国と比較して、日銀の非緩和策が続けば、出動で金利の上昇、非緩和で、モノに対する通貨価値の上昇で、円高になると思うわ。
 
 前年度の3月期決算が相次いで発表される中、赤字や減益の輸出産業には酷だね。

 にもかかわらず、日経平均株価は、9500円台を回復。3月期決算は、「市場の折込済み」という決算の悪化は予想通りで、これからの経済環境を景気の底打ちを好感しているのだと思う。鉱工業生産指数の上昇が、底打ちの指標として市場が読み込んだのだろうというが大きいのだろうな。いずれにしても、これまでの相場は、「金融相場」と言われて、金融緩和による「低利」を背景にした投資家諸氏の株への資金流入と市場が決算の悪化を織り込み済みで上昇している一種の「期待」から来る相場らしいが、実体経済を反映する「業績の相場」ではない。「低利」を背景にした金融相場をいかにして業績相場にさせるかが、政策当局の経済政策「手腕」となる。劣悪な経済・金融政策では業績相場への転換は、困難ではある。景気の本格的回復は、雇用の不安、失業率の増加、さらに年金(企業年金など基本的に景気に関わる。その後に財務的な給付と負担を問題視すべきである)、医療、介護までの「財務」(財務は、負担者の所得に依存するのだから、国民所得が減少すれば、負担割合は、当然増えることになる)が関連した総ての分野に関わることだからである。そこで、次回総選挙の大きな争点は、政府・日銀の経済運営、経済・金融政策が争点になるべきだと考える。
 ここで、単なる自民か、民主かなどという政権選択が重要なことではなく、国民経済全体を、どのように伸ばしていくかが議論の中心に置かれるべきである。といってもなぁ、そんなことを議論できるほどの能力を「政治家」は持ち合わせてはいないだろうか?
ウイルスは弱毒性、米もWHOも冷静対応目立つ新型インフル
 【ワシントン=山田哲朗、ジュネーブ=平本秀樹】新型インフルエンザの感染例が最初に見つかってから3週間以上たつ米国では、ウイルスの毒性が弱いとわかってきたこともあり、冷静な対応が目立っている。


 米政府は国内感染者が20人になった4月26日、「非常事態」を宣言したが、国民に大きな動揺は見られなかった。米ハーバード大が5月8日に発表した電話調査では、「1年以内に家族が感染する懸念はない」と予測した人が61%に上り、米国内の楽観的なムードを反映した。

 米疾病対策センター(CDC)は1日、疑わしい生徒が見つかった学校に14日間の休校を勧告。一時700校が休校したが、ウイルスが「弱毒性」であることがはっきりしたことを受け、休校勧告は6日に撤回され、大半の学校が再開した。

 世界保健機関(WHO)も、国民生活や経済活動を過度に制約する対策を勧めていない。警戒水準については最高の「フェーズ6」への引き上げを検討しているが、渡航制限や国境閉鎖は引き続き行わないよう各国に要請する方針だ。

 シルビ・ブリアン・インフルエンザ対策部長代理は8日、空港での水際対策の限界を指摘。軽症者がほとんどという「実態」に「対策」を合わせるべきだと述べ、「封じ込め」より感染の早期発見、早期治療の方が重要になるとの見解を示した。

(2009年5月9日22時38分 読売新聞)

 この騒動もウイルスの正体が分らずに不安の増幅が起きている面もある。騒ぎも分らないではないが、昨年9月リーマンショック以来の世界同時不況の方が、実態に対して影響ははるかに大きいだろう、と思う。
 
 もっとも、主要国が金融安定化のための諸策を実施、大規模な財政出動と激しい金融緩和による大量の流動性供給と中央銀行の民間銀行を介さない直接ローン、社債の買取などに走り出したので、29年の「世界恐慌」ほどの巨大な落ち込みはないと思う。景気のリセッションは、これからであるが、国政が間違った方向や消極的な出動、緩和の方法を誤らなければリッセションの傷は小さくて済む。実体経済、企業所得、生産、雇用の悪化はこれからである。輸出産業のトヨタが最高益から転落し巨額な赤字記録、家電も巨額な赤字を出した。
 
 米国株価、日本の株価も9000台に乗った。株価は景気の先行指標であるから、この上昇は、景気の底打ちを示す指標の一つだ。これから、金融危機、下手な原油の上昇、などショックが無ければ、株価は上昇するだろう。実体経済の回復はまだまだ先だが、失業率はおそらく米国では10パーセントまで上昇、日本では5、5㌫ほどになるともいわれている。

 昨年9月から本年09年5月という期間は短いな。ほんとに大不況かよ、騒ぎすぎではと思っている人もいるかもしれない。景気の底割れを財政出動と金融緩和で、防いでいるから、この程度の不況、景気のリセッションで収まっている。
 
 米国では29年から33年までにデフレ率25%、失業率が3%から25%になったということであるから、国民所得は大雑把に計算して、3/4には縮小したことになる。当時の米国では、地方の銀行の多くは、取り付け騒ぎ多くがつ潰れ、債務デフレから借金を負っていた地方の農家、自営業者は多くは返済に困り、困窮し、自殺者も多かったといわれている。

 日本では、当時は、民政党浜口雄幸は、田中内閣の外交に批判的だった。政友会、田中義一内閣が張作霖爆殺事件の対処を巡って辞任。その後元老の西園寺公望の指名によって、浜口が天皇に総理を任命される。29年7月、国民の圧倒的支持を背景に政党本格内閣を組織。浜口内閣が出来るまでは、1914から18年の第一次世界での戦争特需によって日本は輸出を大きく伸ばし、株価は大きく上昇した。特需によって成金が生まれ、景気の活況に沸いていた。17年の貿易収支は20億弱の輸出、輸入は、21億強の輸入で、貿易赤字ではあったが、その額は1億8600万であった。これが、19年以降、輸入超は植民地もあわせて41億8000万円となった。18年に戦争終結。戦争特需は萎み、資金需要の停滞特需を背景にした過剰な資金貸し込みによる不良債権の増大から金融恐慌が起きる。全国で取り付け騒ぎが起き、これを緊急の公的資本注入などで、当時の井上準之助日銀総裁は迅速に金融危機に対処した。1923年に関東大震災。東京、横浜では、多数の死傷者、負傷者がでることとなる。経済をいっそう冷え込ませ、不況を長引かせた。
 
 輸入超過、戦争特需の終息による不況を生産側の怠慢に人々や浜口政府が求めた。今後の産業政策の基本方向として、「国家の調整」による無駄な乱費、過剰な重複を整理し「産業組織の現代化」と実現し、その上で、「主要産業」を建設して、「国家生産力の根底」固めることが必要とした。生産力を強固にするためには、今は緊縮整理が、具体的には財政緊縮と公債発行の削減、財界整理が必要だとした。こうした緊縮政策と旧平価での金本位制への復帰準備は、不況下での円高政策と金融引締め策を必要とした。政策的に、不況を日本経済に持ち込むこととなった。デフレ率は10%ほどに下落、デフレと不況が共存する深刻な不況へと落ち込んだ。
 
 デフレは、借金を抱える者、債務者には一層の不利になる。何故なら、実質の金利が、デフレによって、その率の分だけ増えるからである。借財をする動機は二つほどあるだろうか、一つは恒常的債務者、後は一つは設備投資に積極的な借財である。後者には、流動性の確保からの借財と支払能力の不足によるそれがある。設備投資、また、流動性の確保としての借財は、積極的、果断な判断が必要とされ、ケインズが資本主義に必要な精神であるアニマルスピリットの持ち主が多い。(無論、筆者のような下々の者には、そのスピリットも無いし、またそのような設備投資に躍起となる「自惚れた」者たちとの付き合いも御免ではあるが・・・。)設備投資をしようとする環境は、どういった具合のものだろうか?巷が、景気に沸いているときであろう。この好況の経済状態を概ね予想インフレ率というと考えていいと思う。つまりインフレ率がある程度高ければ、実質金利は下がるのである。よって、投資者にとっての実質の金利負担は、デフレより下がることとなる。インフレ時には、積極的な設備投資、店舗展開のための借財は、負担が減ることになる。デフレ時には借財は、その名目の率よりデフレ率の分だけ重くなることになる。この現象は、デフレ時だけでなく、景気後退期、不況期にも見られる現象だが、しかしながら、デフレは債務解消が、債務の維持より、企業や積極的に起業しようとすることより「儲かる」ことに繋がる。よって、企業の工場、店舗などは、稼働率を低下させるか、あるいは人員を減らすか、さらに賃金を減らすか、またそれの同時並行的な策を選択することになるだろう。よって雇用の収縮を齎す。
 
そうなれば、不景気、活況を呈していない経済社会を認識した経済主体で、負債を負っているものは、債務を返済する方に走り、金融機関の利潤は減り、また、流動性の危機から支払い能力の危機へと陥った負債者は倒産、破産し不良資産を金融機関は抱えることになる。銀行の側は、不景気を背景に融資に慎重になり、貸し渋りに繋がることなる。信用収縮の始まりであり、不況への突入のステージが出来上がることになる。
 
 当時は農業就業が圧倒的に多く、その比率は就業者の8割ほどであったとされる。東北の農業就業者には、不作も重なって、所得不足から娘を売りに出す者もいたという。都会では物が売れなくなり、失業者も溢れたといわれる。浜口内閣(外交的には優れた功績と慧眼に満ちていた、この次期で非戦条約を締結したのであるから、政治家としては「国際」的な慧眼に満ちていたといえる。)は、井上準之助大蔵大臣の下、緊縮財政、旧平価での金解禁(宿願の金本位制への復帰のため)の準備のため金融引締めへとのめりこんでいった。 

 これがデフレ率10数㌫を伴った不況である「政策」的に引き起こされた昭和恐慌である。
 となるのに、世間ではあまり騒がれないNTT。NTTは1兆円以上の営業利益を確保する。まさに「不況に強いNTT」であるにもかかわらず、マスコミ世間から注目されるのを嫌うNTT。(笑
 利益日本一のNTTがリスペクトされない理由

 鉄道車両メーカーやJRが相次いで海外受注に力を入れ始めた。時速300キロにも達する高速鉄道をはじめとして、世界各国で鉄道の新線建設が活発化しているためだ。日本は高速で高密度な新幹線の運行ノウハウを含め、車両や制御などの鉄道システムで世界最高水準の技術力を誇る。地球環境問題も追い風になり、鉄道への評価が高まるなか、日本企業に大きなビジネスチャンスが到来している。

 ≪18兆円、市場増殖≫

 「2016年には18兆円に拡大」

 欧州鉄道産業連盟が試算した鉄道関連製品の世界市場推移だ。現在の世界市場は約14兆円とされ、毎年、数千億円規模が上積みされていく格好だ。

 国土交通省によると、日本の新幹線にあたる高速鉄道だけをみても、今秋に入札が予定されているブラジルや米国をはじめ、世界で建設計画がめじろ押しだ。これに加えてインドや中国などの新興国では、インフラ整備の一環として、在来線に相当する都市型鉄道プロジェクトも目立つ。このため鉄道車両メーカーは、大型受注獲得の一大好機とみて、海外シフトを強める。

 川崎重工業もそうした一社で、北米向けの鉄道事業を強化するため、主力の車両のほか、信号などのシステムを一括供給するプロジェクトチームを5倍に拡大する方針を4日明らかにした。

 鉄道車両事業の拠点となる同社兵庫工場(神戸市兵庫区)には、運行管理や信号システムなどの技術者約20人で構成する「鉄道システムプロジェクトチーム」が設けられている。これを6年後の15年までに、100人規模の体制へと拡充する。すでに鉄道会社など社外から技術者を招くなど、組織の拡充を進めており、車両製造から運行システムまで包括的に提案し、北米市場での受注拡大につなげる。

 同社は1985年に米ニューヨーク市交通局から地下鉄車両を受注したのを手始めに、これまでに同局から累計2000台を超える地下鉄車両を受注している。今年度中にはカナダのボンバルディアを抜いて、ニューヨーク市営地下鉄の車両シェアで首位となる見通しで、米国市場では圧倒的な強みを持つ。

 ≪オバマ政策追い風≫

 米国では、オバマ大統領のグリーン・ニューディール政策に基づく景気対策などでも、高速鉄道整備が予算化されるなど市場拡大が見込まれる。このため車両を製造するリンカーン工場(ネブラスカ州)では工場建屋の拡充を進めている。

 川崎重工は、北米市場が「脱石油に向けた都市交通として、次世代型路面電車システム(LRT)でも一番大きな市場になる」(幹部)と予想。自社開発した鉄道用の大型ニッケル水素電池を組み込んだ環境性能に優れたLRTでも、北米向け事業を強化し、現地の鉄道運営会社などとの提携なども検討する。

 さらに、時速350キロで走行可能な新型高速鉄道車両「efSET(イーエフセット)」の基本設計や図面上での開発作業を今年度中に終える。次年度以降は、実際の生産や高速走行実験などに乗り出す予定で、今後はインドやベトナムなど新興国に加えて、米国での受注も検討する方針だ。

                   ◇

 ■JR東海・東日本 優位の日本勢

 鉄道会社も海外受注への態勢を整える。JR東海は今夏、海外で新幹線の建設計画や運行システムを手がける「海外高速鉄道プロジェクトC&C事業室」を設立する。当初は総合技術本部の技術者を中心に約10人で構成。東海道新幹線で培った設計や保守、運行指導までを一括して請け負うことを目指す。加えて車両や信号機器などメーカーの取りまとめも手がける。

 高速鉄道の受注をめぐっては、仏TGVなど欧州勢との競争が焦点。JR東海の小菅俊一技術企画部長は「踏切のない専用線で走る新幹線のシステムは運行の正確性や快適さで優位に立つ」と自信を示す。

 在来線の線路を一部使用するTGVなどと違い、専用線を走行する方式は、運行の正確性に加え、車両を軽量にできるため省エネ走行などが可能になるとされる。こうした利点を訴えていく考えだ。

 JR東日本も4月に「海外鉄道事業推進室」を開設した。これまでは政府開発援助(ODA)の一環として、海外に技術者派遣などをしてきたが、今後は人材育成や計画立案など幅広い分野で海外事業の可能性を探る。同推進室の高橋徹室長は「高速鉄道とともに都市型鉄道も視野に入れる」と意欲的だ。

 交通体系の主軸を鉄道に置いてきた日本の実力が試されそうだ。(内田博文、会田聡)
 
日経平均、終値も今年最高値 408円高の9385円

* 2009/05/07(木) 15:47:50 |


7日の東京株式市場は、大型連休中の米欧市場での株価上昇を反映してほぼ全面高となり、日経平均株価の終値は連休前の1日の終値より408円33銭(4.55%)高い9385円70銭と年初来の高値で取引を終えた。

 東京証券取引所第1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は同39.08ポイント(4.61%)高い885.93。出来高は31億株。
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