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 竹中平蔵の議論 「経済悪化を直視せよ
 econ-economeの議論
 原油高騰による「物価高」の喧騒がマスコミを中心に絶えないが、その中にあっても、一般消費者物価指数としての変動から観た議論で、喧騒からの論点とは違ったマクロ経済の側面が見えるだろう。果たしてデフレから脱却したののだろうか、日本経済は。そうした意味で、必読もの。
 
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 サブプライム問題どれほどの影響が出るの分らないが、洒落や悪ふざけとしてこの影響を見てみる。
 住宅購入低所得者向けローンの不良債権化問題なわけだが、このローンの方法自体が問題なのか、また、ローンの設定による証券化、債券化が問題あるかなどの、議論が存在する。そして住宅購入が減少するということはそれに伴う消費量、家具、家電なども購入量が減るということを意味する。前者は、民間経済の立ち振る舞いの是非と経済規範の問題を含む。後者は、住宅購入者が当てにしていた、住宅の売買が予想通りの展開が見込めなくなったことで、住宅販売量が低下し、消費量が減ることによる米国の経済だけではなく、世界経済への影響である。
 マクロ的な経済の問題として、米国の総消費ーーー大まかに言って、米国のGDPは、世界経済の2割を占めるといわれているーーーが、落ち込むと東南アジア(貯蓄が投資を大きく上回っているから輸出>輸入という形になっている)、東アジア、欧州(米国と欧州の金利差と「質への逃避」(竹森俊平)により、資本の流入増によるユーロ高、ドル安による輸出の低下、とサブプライムが証券化された金融商品が売れにないことによる金融不安)の経済に対する影響は、はなはだ大きい。何しろ米国の消費者は、所得<消費で快楽の世界に浸りきっているほどの「豊かさ」を味わっているからだ。が、違った側面から見ると、米国の総消費は、総需要ーーー投資と消費の政府支出の合計ーーーの3分の2を占めるといわれ、世界経済にとっては米国の総消費は非常に大きな要因になっていることが分る。そして、その3分の2の多くをクリスマス期での消費に当てられるというが、12月の米国消費がどうなるかが、経済の先行きをみる指標となるのだろう。
 ローンの金利を5年間凍結する、そして、住宅所有者には差し押さえなどの措置を控えるとか言う政策をブッシュ政権が打ち出した。この政策に対する是非は論議されるのだろうが、これぞ「自由主義」の共和党らしい政策だといえる。ほとんど、政府が金銭的に援助することは無いのだからである。日本では、こうした「自由主義」の政策では、「自由主義」を無意識に、主張する「文化」自由主義者たちでも、戸惑うような政策であろうと思う。
 大まかに言って経済学の<左>派ーーー社民的な統制経済派、ないしは、保守的自由主義ーーーは、ローンの債券化、証券化そのものを否定するものたちが多い。<右>派ーーー新自由主義者ーーーーはそれについては、否定しない傾向がある。

野口 旭 / 講談社(2002/12)
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 経済学の基本中の基本が述べられている。GNPの計算の方法、そこには経済素人にも分りやすく、勘違いしやすいことも、丁寧に述べられている。例えば、不動産の値上がり、株の値上がりはまったく付加価値を生まないので、GNPの計算値には含まれていないのである。株の値下がりを「国富」が失われたなどいうたとえを間々聞くことがあるが、それはまったくのでたらめである。というのも「市場」という需要と供給を媒介として始めて「付加価値」が生まれるのであり、株についての付加価値は、売買手数料がこれにあたり、不動産の売買手数料、仲介料が、不動産の「付加価値」である。国富などいうものではないのである。  本書を読む上で必要な知識は需要と供給ぐらいで気楽に読めるが、それが基本であり、その基本によってマクロ経済が説明できることがよく理解できる一冊である。   さらにそれだけではなく、政府が固有に持つ役割に、市場の失敗の是正、所得再分配の平等化、さらに、マクロ経済の安定化があるとする。いわゆる使える「経済学」の基本知識がやさしく述べられていて基本書としてお勧めである。

飯田 泰之 / ダイヤモンド社(2003/12/11)
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 経済学的思考の技術 「知る経済学から、使える経済学へ」の導きへを唱える意欲的な経済書籍である。
 経済的な取引・契約が行われる状況を纏めて「市場」という。取引の「買い手」「売り手」が特に情報の格差がない、といった状況を「完全競争市場」という。こういった簡素で、基本的な経済学的事項を説明してくれている基本書である。であるから決して難しい類の「専門書」ではない。以下に基本的な「知識」を粗略ながら記述したいと思う。

 

[東京 13日 ロイター] 福井俊彦日銀総裁の残りの任期が1年あまりとなり、後任人事の行方が永田町で話題に上り始めている。そうした動きの1つとして、政府・与党内の一部から、竹中平蔵前総務相(現慶應義塾大学教授)の総裁就任を予想する声も出てきている。安倍晋三首相の推し進める成長重視の経済路線である「上げ潮戦略」を実現するには、超低金利が長期化しても金融面から経済をサポートするべきだという竹中氏の起用が得策との判断があるようだ。
 ただ、竹中氏のイメージが、小泉純一郎前首相時代を彷彿(ほうふつ)とさせ、当時の「反小泉」勢力から批判が根強いという党内事情もある。

 

 この記事の党内事情の記述が正当なら、ホント自民党の議員ってマクロ経済の現状認識がなっていないのだな。ほんとに彼らは、「自由主義者」なのだろうか?あのまともではない民主党の小沢一郎でさえ二大政党制への政界再編を言っている。これは正論である。自由主義経済は担保されなければならならないとすれば、大きく分けて中央集権的な所得再分配による政党と小さな政府を目指す「自由主義」の政策を標榜する共和党的政党の二者択一的な政党論=政策論しかない。小泉は不明瞭ではあったが、「自由主義」へ傾いた政治家であったのは確かであろう。そこで自民党内で旧自民党的中央集権派と自由主義型の対立抗争が生まれてきた。この対立は政党が政治理念が中心として組まれるものである限り、宿命的である。そこで小沢の政界再編が述べられたのだろう。

 小泉時代は自民党は中央集権的政党から脱却しようとした過渡期にあったのだろう。その過渡期には、強大な権力が入用である。中央主権的平等性の思考には、凭れあいの曖昧さが腐敗へと導く、それを解体するには強固な意志と改革権力が必要なのである。安倍はこの点を引き継げ無かったのではないかと思える。調整型の権力者では、改革にはそぐはない。この点も自民党の議員諸氏には自覚が無いのではないのか。
 

 金融政策は、そのどちらにおいても財政政策から比較的中立的てある。なぜなら、ベースマネーの増減により、インフレとデフレを調節する機能がただ中央銀行にだけある政策責任であるからである。竹中のような俗に言う市場原理主義者(サプライサイドの信奉者)であるのだろうが、サービスとものの取引される市場のコントロールは、需要を通してされるところを、長期の視点に立って観るが故に短期の需給を見落とす経済「学」の信奉者である。が、金融は、サービスともの需給に対しては直接関与しない市場である。よって、中央銀行の位置は、市場原理主義者であっても、中央銀行の役割と責任、マクロの経済の認識が間違っていなければ十分に務まる経済的位置にある。金融政策は、自立的な政策が採れる。それ故、責任が重いが故に、現状の認識には十分なデータの分析力と確たる姿勢が必要である。
 

竹中はインフレターゲット論者である。と同時に現状のマクロ経済の認識も「デフレである」としている。 それは以下の記事に明瞭に見える。

[ダボス(スイス) 25日 ロイター] 小泉前政権で経済財政担当相や総務相を歴任した竹中平蔵氏(慶応大教授)は25日、日本は依然としてデフレーションの状況にあると述べたうえで、日銀は2月の金融政策決定会合で利上げすべきではないとの認識を明らかにした。世界経済フォーラム年次総会「ダボス会議」の合間に、記者団に対して述べた。 また、竹中氏は日銀は金融政策を遂行する上で目標を公表し説明責任をより明確にすべきと述べ、インフレターゲット導入に言及した。 日銀は今月の金融政策決定会合で、現行の金融政策維持を決定した。 同氏は、(2月に)利上げすべきではないと考える理由として、2006年は名目消費者物価の伸び率2%を達成することが彼らの目標だったが、達成は不可能に近くデフレが依然続いていると述べた。政府・日銀は、なぜこうした状況になっているのか説明する必要があるとも語った。 下げ圧力がかかる円については、目先は金利差がこうした動きを助長すると指摘。そのうえで(円安が行きすぎかどうかは)ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)をどう評価するかによる、としている。

 この認識はあまりにも正当である。竹中は閣僚向きの思考の持ち主ではなかったのである。竹中の業績として不良債権の処理が適切であったとする言辞があるが、不良債権が処理されたから大手の銀行が救われたのではなく、公的資本の注入があったから銀行の倒産を防いだのであって、因果関係が逆なのである。公的資本の注入は、自由主義的経済観から演繹される方法ではない。規制や公的保証を求めるレントシーキング(規制の要請、政府の援助の要請)の方法による解決だったのである。これは中央集権的政党が採用する方法なのである。

原田 泰 / 東洋経済新報社
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 現象をなめるだけの経済分析ではなく、何故その現象が起こり、そのメカニズムを探り、そして、その起きた失敗の現象を回避するための提言が、90年代アジア経済の危機を例題にマクロ経済学的に示している良書。原田泰は、著作が多い部類の人であるが、基本的姿勢が、マクロの経済政策の視点を崩さず、眺めることができる信頼できるエコノミストの一人である。団塊の世代の退職によってどのように日本経済がなっていくか「2007年団塊定年!日本はこう変わる」、また、少子化はどのような経済現象「人口減少社会は怖くない」として踏まえるべきかをマクロの視点から、マクロ経済の基本を踏み外さず解き明かすことのできる政策家である。さすが碩学原田泰である。一目置くべしである。しかし、彼は一般に人気がない(-_-;)。残念である。以下引用とメモ。図表は端折らせてもらった。

 

「アジア経済の発展には限界があり、九〇年代には、これまでのような高い成長を続けることは困難になっていた。一〇%の成長が、水遠に続くことは、いかなる経済でもあり得ない。日本の場合を見ても、成長率は徐々に低下し、六〇年代の一〇%成長から九〇年代にはついに一%成長となってしまった。  
 しかし、アジアの国々は日本の停滞とは違う。アジアの経済に生じたことは、日本のように徐々に停滞するのではなくて、一九九七年中の突然の失速だった。  なぜ、高い成長を続けてきたアジアが危機に襲われたのか。この危機が、金融政策の失敗と金融構造の脆弱性から生じたことを明らかにする。  金融政策の失敗とはバブルを引き起こすような金融緩和を続けたことであるが、なぜそのような金融政策を行ったのか。また、アジアはなぜ危機をもたらすような弱い金融構造を持っていたのか。

 

 インフレと財政破綻の関係を考えてみると・・・・。

 インフレ、消費者物価が上がることは物やサービスの価値が貨幣、通貨に対してあがること。であれば、マスコミで喧伝されている、「税収不足」による財政圧迫などの問題は極端で不愉快ではあるが、仮説を設定すれば、今現状の物価を例えば700倍にすれば中央政府と地方政府の借金である700兆の価値が700分の1になり財政破綻は片付くことになる。この現象をインフレ税といい、民間所得が国に移転されることから「税」という言辞が使われる。

「安倍晋三首相は31日、英紙フィナンシャル・タイムズとのインタビューに応じ、安倍政権が公約に掲げる今年度中のデフレ脱却宣言について「まだデフレ脱却の目標には達していない」と指摘、同宣言の時期は慎重に判断する姿勢を示した。首相自身が就任後、デフレ脱却宣言は時期尚早との認識を示したのは初めて。
 首相はまた、日銀内に追加利上げを模索する動きがあることについて「金融政策の手段は日銀が判断すること」としながらも、「日銀には金融政策で経済を下支えしてもらいたい」と語った。
 一方、「日銀にインフレ目標設定を期待するか」に関して首相は「そうは考えていない」と否定的な考えを示した。 
(時事通信) - 11月1日」

 ということで、安倍さんの経済論、その基は中川秀直自民党幹事長の経済成長論の焼き直しなんだが、その理屈で行くと名目の経済成長を3パーセントに置いて、技術革新で供給側つまり企業の生産性を上げることによって、その目標を達成。でもって財政の自然増収を図って、財政再建をするというマクロ経済論なんだろうけどが、これは財界よりの政策であって、需要する側の所得を上げ、また、失業率を下げることによる需要の増加によって、名目経済成長の4パーセントを達成するという方法もある。こちらの方が、国民経済として、マクロ経済安定が日銀の政策としてふさわしいのだから、そちらにシフトすべきだ。

 格差社会とマスコミは騒がしいが、デフレ不況をこのままの「自然治癒」の状態で、技術革新という供給側の「改革」でもって、この不況から脱却するという戦略は、富むものはさらに富を得、貧しいものは貧しさの呪縛から逃れることが出来ず、格差社会と地方格差をさらに広げることになると予測できる。

 企業や家計の需要を増やす方にな政策シフトをするなら、日銀の量的金融緩和の解除の凍結と長期の国債の買い上げを通じて、マネーサプライを増やすべきだろう。もって、インフレターゲットによって、消費者物価の引き上げに日銀と政府が責任を持つといった宣言をすべきなのだ。安倍政権は名目の成長率を3パーセント上げるという数値目標を掲げているのだから、インフレターゲット論と成長率の数値目標とまったく齟齬など無いのに、彼はマクロ経済無知だから、こんなトンデモ論を、打ち上げるのだろう。事実、自民党の山本幸三氏は、インフレターゲットという言葉は誤解を招くから名目経済成長論として打ち上げている。インフレターゲットにしろ名目経済成長にしろ、言葉の違いだけでその目指すところは、デフレの脱却であり、また、デフレ期待のインフレ期待への転換による経済成長が目的なのである。

 さらに言うならば、民主党の政策には、全くこの理屈が理解できない小沢とかという党首も存在する。彼によれば、日本には経済成長はもういらないというようなコメントをどこかの報道で拝見した。安倍政権に
比肩すれば民主党の「政策」とやらの方が、マクロ経済無知といえるのだろう。有権者に選択肢がほとんど無いという状態が、さらに続くことになる。全く・・・・・orz.

 「構造改革と金融政策の役割分担
 

 経済が潜在的に持っている成長能力を潜在成長率という。潜在成長率は政府や企業の構造改革などによって労働の生産性を高めることにより上昇する。しかし、これまでの各国の経験は、インフレ率が安定していなければ、供給能力の増大に見合って、経済全体の需要が伸びないため、潜在成長率は実際の実質成長率として顕在化しないことを示している。
 したがって、日本銀行には、インフレ目標政策によってインフレ率を二%程度に安定化させることが望まれる。あるいは、政府がインフレ目標を設定して、その実現は日本銀行にまかせるという役割分担も考えられる。」

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