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主に政治と経済について、思いついたことを語ります。リンクフリー、コピーもフリー
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野口 旭 / 講談社(2002/12)
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 経済学の基本中の基本が述べられている。GNPの計算の方法、そこには経済素人にも分りやすく、勘違いしやすいことも、丁寧に述べられている。例えば、不動産の値上がり、株の値上がりはまったく付加価値を生まないので、GNPの計算値には含まれていないのである。株の値下がりを「国富」が失われたなどいうたとえを間々聞くことがあるが、それはまったくのでたらめである。というのも「市場」という需要と供給を媒介として始めて「付加価値」が生まれるのであり、株についての付加価値は、売買手数料がこれにあたり、不動産の売買手数料、仲介料が、不動産の「付加価値」である。国富などいうものではないのである。  本書を読む上で必要な知識は需要と供給ぐらいで気楽に読めるが、それが基本であり、その基本によってマクロ経済が説明できることがよく理解できる一冊である。   さらにそれだけではなく、政府が固有に持つ役割に、市場の失敗の是正、所得再分配の平等化、さらに、マクロ経済の安定化があるとする。いわゆる使える「経済学」の基本知識がやさしく述べられていて基本書としてお勧めである。

市場は、需要と供給のバランスによって「価格」が決定するが、公共財、つまり、排除の原則が成立せず、利用の競合がない財とサービス、例えば、一般道路、医療などはこの例に当たるが、市場の外部性に含まれる。市場経済は、必然的に所得分配の不平等、資産確保の不平等を結果として常に伴う。これは、市場経済が、総て悪いという評価に結びつけるのではなく、市場の外部性であり、不平等が必ずしも望ましい社会ではないという価値評価として持つ。この結果としての不平等の是正を、政府が担保が政策的にする必要が、米国社会と比較して述べられる。 2002年、東京証券取引所に上場、一部上場1496、二部上場570、マザーズ、38社。 比較優位と貿易、貿易摩擦と貿易、グローバリズムと貿易、の関係が、マクロ経済の視点から述べられている。  一般に投資機会が豊富にある国や、貯蓄が不足している国は、資本輸入国=貿易収支赤字国になりがちである。投資機会が豊富にあるということは、投資をすれば大きな収益を得られ、したがって企業の資金需要が大きいということを意味する。資金需要が大きい国、資金供給が小さい国は、金利が高くなり、海外から資本が流入してくることになる。つまり、資本収支の「黒字」になる。(ものの流入である輸入は、赤字要因であるのとは逆)日本の内需が国内総生産より小さいということは、必ずその分だけ対外投資を行ったことを意味する。日本の総生産とは、国内所得であるから、この所得と、国内への支出総計である内需との差は、対外世界への貸し出しつまり対外投資を意味する。この対外投資の額は、常に貿易黒字=財貨・サービスの純輸出の額と等しくなる。貿易黒字=財貨・サービスの純輸出とは、まさに国内総生産と内需と差額であるからである。したがって、日本貿易黒字の額に常に等しくなる。日本の貿易黒字が大きいのは、日本の対外投資が大きいからである。貿易黒字の大きさは、「国際競争力」の現れでも、貿易の閉鎖性の現われでもないのである。
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