「安倍晋三首相は31日、英紙フィナンシャル・タイムズとのインタビューに応じ、安倍政権が公約に掲げる今年度中のデフレ脱却宣言について「まだデフレ脱却の目標には達していない」と指摘、同宣言の時期は慎重に判断する姿勢を示した。首相自身が就任後、デフレ脱却宣言は時期尚早との認識を示したのは初めて。
首相はまた、日銀内に追加利上げを模索する動きがあることについて「金融政策の手段は日銀が判断すること」としながらも、「日銀には金融政策で経済を下支えしてもらいたい」と語った。
一方、「日銀にインフレ目標設定を期待するか」に関して首相は「そうは考えていない」と否定的な考えを示した。
(時事通信) - 11月1日」
ということで、安倍さんの経済論、その基は中川秀直自民党幹事長の経済成長論の焼き直しなんだが、その理屈で行くと名目の経済成長を3パーセントに置いて、技術革新で供給側つまり企業の生産性を上げることによって、その目標を達成。でもって財政の自然増収を図って、財政再建をするというマクロ経済論なんだろうけどが、これは財界よりの政策であって、需要する側の所得を上げ、また、失業率を下げることによる需要の増加によって、名目経済成長の4パーセントを達成するという方法もある。こちらの方が、国民経済として、マクロ経済安定が日銀の政策としてふさわしいのだから、そちらにシフトすべきだ。
格差社会とマスコミは騒がしいが、デフレ不況をこのままの「自然治癒」の状態で、技術革新という供給側の「改革」でもって、この不況から脱却するという戦略は、富むものはさらに富を得、貧しいものは貧しさの呪縛から逃れることが出来ず、格差社会と地方格差をさらに広げることになると予測できる。
企業や家計の需要を増やす方にな政策シフトをするなら、日銀の量的金融緩和の解除の凍結と長期の国債の買い上げを通じて、マネーサプライを増やすべきだろう。もって、インフレターゲットによって、消費者物価の引き上げに日銀と政府が責任を持つといった宣言をすべきなのだ。安倍政権は名目の成長率を3パーセント上げるという数値目標を掲げているのだから、インフレターゲット論と成長率の数値目標とまったく齟齬など無いのに、彼はマクロ経済無知だから、こんなトンデモ論を、打ち上げるのだろう。事実、自民党の山本幸三氏は、インフレターゲットという言葉は誤解を招くから名目経済成長論として打ち上げている。インフレターゲットにしろ名目経済成長にしろ、言葉の違いだけでその目指すところは、デフレの脱却であり、また、デフレ期待のインフレ期待への転換による経済成長が目的なのである。
さらに言うならば、民主党の政策には、全くこの理屈が理解できない小沢とかという党首も存在する。彼によれば、日本には経済成長はもういらないというようなコメントをどこかの報道で拝見した。安倍政権に比肩すれば民主党の「政策」とやらの方が、マクロ経済無知といえるのだろう。有権者に選択肢がほとんど無いという状態が、さらに続くことになる。全く・・・・・orz.