[東京 13日 ロイター] 福井俊彦日銀総裁の残りの任期が1年あまりとなり、後任人事の行方が永田町で話題に上り始めている。そうした動きの1つとして、政府・与党内の一部から、竹中平蔵前総務相(現慶應義塾大学教授)の総裁就任を予想する声も出てきている。安倍晋三首相の推し進める成長重視の経済路線である「上げ潮戦略」を実現するには、超低金利が長期化しても金融面から経済をサポートするべきだという竹中氏の起用が得策との判断があるようだ。
ただ、竹中氏のイメージが、小泉純一郎前首相時代を彷彿(ほうふつ)とさせ、当時の「反小泉」勢力から批判が根強いという党内事情もある。
この記事の党内事情の記述が正当なら、ホント自民党の議員ってマクロ経済の現状認識がなっていないのだな。ほんとに彼らは、「自由主義者」なのだろうか?あのまともではない民主党の小沢一郎でさえ二大政党制への政界再編を言っている。これは正論である。自由主義経済は担保されなければならならないとすれば、大きく分けて中央集権的な所得再分配による政党と小さな政府を目指す「自由主義」の政策を標榜する共和党的政党の二者択一的な政党論=政策論しかない。小泉は不明瞭ではあったが、「自由主義」へ傾いた政治家であったのは確かであろう。そこで自民党内で旧自民党的中央集権派と自由主義型の対立抗争が生まれてきた。この対立は政党が政治理念が中心として組まれるものである限り、宿命的である。そこで小沢の政界再編が述べられたのだろう。
小泉時代は自民党は中央集権的政党から脱却しようとした過渡期にあったのだろう。その過渡期には、強大な権力が入用である。中央主権的平等性の思考には、凭れあいの曖昧さが腐敗へと導く、それを解体するには強固な意志と改革権力が必要なのである。安倍はこの点を引き継げ無かったのではないかと思える。調整型の権力者では、改革にはそぐはない。この点も自民党の議員諸氏には自覚が無いのではないのか。
金融政策は、そのどちらにおいても財政政策から比較的中立的てある。なぜなら、ベースマネーの増減により、インフレとデフレを調節する機能がただ中央銀行にだけある政策責任であるからである。竹中のような俗に言う市場原理主義者(サプライサイドの信奉者)であるのだろうが、サービスとものの取引される市場のコントロールは、需要を通してされるところを、長期の視点に立って観るが故に短期の需給を見落とす経済「学」の信奉者である。が、金融は、サービスともの需給に対しては直接関与しない市場である。よって、中央銀行の位置は、市場原理主義者であっても、中央銀行の役割と責任、マクロの経済の認識が間違っていなければ十分に務まる経済的位置にある。金融政策は、自立的な政策が採れる。それ故、責任が重いが故に、現状の認識には十分なデータの分析力と確たる姿勢が必要である。
竹中はインフレターゲット論者である。と同時に現状のマクロ経済の認識も「デフレである」としている。 それは以下の記事に明瞭に見える。
この認識はあまりにも正当である。竹中は閣僚向きの思考の持ち主ではなかったのである。竹中の業績として不良債権の処理が適切であったとする言辞があるが、不良債権が処理されたから大手の銀行が救われたのではなく、公的資本の注入があったから銀行の倒産を防いだのであって、因果関係が逆なのである。公的資本の注入は、自由主義的経済観から演繹される方法ではない。規制や公的保証を求めるレントシーキング(規制の要請、政府の援助の要請)の方法による解決だったのである。これは中央集権的政党が採用する方法なのである。[ダボス(スイス) 25日 ロイター] 小泉前政権で経済財政担当相や総務相を歴任した竹中平蔵氏(慶応大教授)は25日、日本は依然としてデフレーションの状況にあると述べたうえで、日銀は2月の金融政策決定会合で利上げすべきではないとの認識を明らかにした。世界経済フォーラム年次総会「ダボス会議」の合間に、記者団に対して述べた。 また、竹中氏は日銀は金融政策を遂行する上で目標を公表し説明責任をより明確にすべきと述べ、インフレターゲット導入に言及した。 日銀は今月の金融政策決定会合で、現行の金融政策維持を決定した。 同氏は、(2月に)利上げすべきではないと考える理由として、2006年は名目消費者物価の伸び率2%を達成することが彼らの目標だったが、達成は不可能に近くデフレが依然続いていると述べた。政府・日銀は、なぜこうした状況になっているのか説明する必要があるとも語った。 下げ圧力がかかる円については、目先は金利差がこうした動きを助長すると指摘。そのうえで(円安が行きすぎかどうかは)ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)をどう評価するかによる、としている。
「やっぱり竹中さんじゃないと日銀の改革が進まない」--。与党の政調幹部は、福井氏の後任人事に話題が及ぶとこう述べる。竹中氏は安倍首相と中川秀直自民党幹事長をつなぐパイプで、上げ潮戦略の陰の立案者ともうわさされている。 実際、竹中氏に対する好意的な意見は、官邸内でも聞かれる。先の政調幹部は「今後、政策金利を上げていくことになれば、その説明が市場関係者だけに理解されればいいということでは済まなくなる」とし、政府・与党への十分な説明責任が求められると強調している。 日銀が昨年12月と今年1月に利上げに前向きな姿勢を見せながら、最終的には見送ったことに関連して、その与党政調幹部は、日銀の対応ぶりを批判し、日銀による市場との対話は「うまくいっていない」と断じている。別の与党議員も、「竹中氏だったら面白い金融政策運営になるだろう」と歓迎の意向をみせた。それにしてもこの記事は、いかにも「政局」くさい政治屋の書きそうな記事だな。どんな政権でも、金融政策の等閑視は、変動相場制である限り、政権維持の重要な政治問題であることは、忘れるべきことではないだろう。超政党的重要な案件であり、円安になれば米国との貿易摩擦を恐れるあまり金利を上げるような「米国」よりの金融政策を採る傾向のある中央銀行の金融政策を経済の基礎条件から観ることが出来ない中央銀行総裁などいなくてもいい。金融政策は優先事態が国内にあり、政権などとは独立した問題だということをジャーナリストは忘れるべきではない。
しかし、「竹中総裁」が誕生するには厚い壁がある。ある自民党議員は「竹中イコール小泉だから、竹中氏が日銀総裁就任となれば自民党内からは相当強い反発が出る」という。小泉前首相の時代に派閥の活力が減退したと言われる津島派や伊吹派などの当時の反小泉グループの反撃の矛先が、安倍内閣の支持率低下を背景に、当時の前小泉首相の側近らに向けられている、と言う声も自民党関係者から出ている。 「竹中日銀総裁」誕生は、福井総裁の任期切れとなる来年3月まで安倍内閣が存続することが大前提だ。だが、与党はここまで宮崎県知事選など地方選で、星を落としている。自民党ナンバー2の中川幹事長が党総裁に対して「指導力を発揮してください」と求めるほど首相の政権運営は深刻だ。当面は「予算審議などで地道に政策を訴える」(官邸筋)とし、政権浮揚へのカードは見当たらない。