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 「構造改革と金融政策の役割分担
 

 経済が潜在的に持っている成長能力を潜在成長率という。潜在成長率は政府や企業の構造改革などによって労働の生産性を高めることにより上昇する。しかし、これまでの各国の経験は、インフレ率が安定していなければ、供給能力の増大に見合って、経済全体の需要が伸びないため、潜在成長率は実際の実質成長率として顕在化しないことを示している。
 したがって、日本銀行には、インフレ目標政策によってインフレ率を二%程度に安定化させることが望まれる。あるいは、政府がインフレ目標を設定して、その実現は日本銀行にまかせるという役割分担も考えられる。」


 「構造改革によって高められた潜在成長率が実現すれば、生産性の上昇を反映して、未熟練労働者を含めた労働者の賃金も上昇する。生産のために必要な雇用も増えるから、非正規社員がより賃金が高く、雇用も安定している正規社員になれる可能性も増大する。
 

 以上から、失業を減らし、熟練労働者だけでなく、新卒や非正規社員の賃金も引き上げ、非正規社員が正規社員になれる可能性を高めるためには、①すぺての労働者の生産性を引き上げる構造改革とともに、②インフレ目標政策の導入により、インフレ率を二%程度に安定化させ、経済全体の需要を生産性の上昇による供給能力の増大に合わせて増やしていくことが必要である。
 ①の構造改革とは、機会の平等を推進するマクロ経済政策(構造改革) である 。
 具体的には、市場を自由競争的に維持することによって、人々の自由な創意と工夫を引き出し、教育切符制度によって教育の機会平等を促進し、人々が仕事に役に立つ知識や技術
を身につけようとするときの費用の相当部分を、政府が援助することである。
 日本では、①の構造改革さえ進めれば、実質成長率は上昇するという考え方が有力である。しかし、一九九〇年代以降の各国の経験は、①と②のいずれの政策が欠けても、実質
成長率を高めることはできないことを示している。」

「小さな政府を問いなおす」 岩田規久男より引用。
 新自由主義的考え方で、構造改革を捉えている典型。正規社員と非正規社員の区別など、社会保障、福祉や労働は、階層的に上のものにも、下のものにも社会的連帯として国家が指導、支配しなければ達成できない社会的概念であって、岩田の言うような所得再分配の結果の平等という思考方法にもとづくものではない。上の階層も、社会保障、福祉、有給休暇、基本的労働時間の遵守、子供の教育、社会的治安のよさの享受など恩恵を受けることが、上の階層ほど多いのである。このような社会的に共通な連帯性のある考え方も、選挙的な選択肢として政党の中にもあってもいいのではないか、いやそれが無ければ、経済的自由主義だけが、蔓延る社会になるだろうし、また、日本の思惟形式である規範としての「世間」もいっそう強化されることになるだろう。規範としての「世間」は、成長期には社会的安定を齎すものとして機能したが、停滞期には福祉関係などに見られるように、弱者と強者に選別し、強者に施しを求める者を仲間として認めがたい排除の危険性を含意した思考方法にも転化するのである。尤も、排除性、そのものを一律に否定しているわけではないが・・・・。

 とまれ、インフレターゲット論については、政府と日銀がこの論理をなぜ採用しないのか、理解に苦しむ。

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