主に政治と経済について、思いついたことを語ります。リンクフリー、コピーもフリー
デフレ本格化、阻止へ正念場 企業物価、6年10カ月ぶり急落
2009/04/14(火) 17:38:51 | 経済
日銀が13日発表した3月の企業物価指数(2005年=100、速報)は104.3と、前年同月比で2.2%下落した。下落は3カ月連続で、下落率は02年5月以来、6年10カ月ぶりの大きさ。前月比でも0.2%下落し、昨年9月以降、7カ月連続のマイナスとなった。製品の値下がりがさらなる景気悪化を招く「負の連鎖」が現実味を増しており、デフレの本格化に歯止めをかけられるか、政府・日銀は正念場を迎えている。
前年比で最も下落率が大きかった品目は石油・石炭製品で34.6%。非鉄金属は30.5%、化学製品も7.6%下落した。昨年は秋に向けて原料費値上がりの影響が続いたが、足元の原料費は値下がりしているため、前年比の指数は今後も大幅下落が続く見通しだ。
前月比でみると、鉄鋼はアジアの製造業の需要減退などを受けマイナス1.8%となり、下落幅は工業製品の中で最大。贈答用の高級塩ザケの値下がりなどが影響し、農林水産物もマイナス1.4%と落ち込んだ。
逆に、前月まで下落していた化学製品は0.1%の上昇に転じた。
原油などの市況軟化による素材価格下落が一段落したことを反映し、価格低下の流れが素材産業から川下の最終製品へ移行しつつある実態を浮き彫りにした。
ただ、4月以降は、鉄鋼などの価格が新年度の改定を受けていっそう下落するとみられ、企業物価指数も一段と低下する可能性がある。
追加経済対策で需要創出を狙う政府だが、雇用や賃金への不安が深まる中、個人消費が回復するかどうかは不透明だ。効果が見込めなければ、政府はさらなる景気刺激策を迫られ、日銀にも追加的な金融緩和策を求める声が高まりかねない。
同時に発表された08年度の国内企業物価指数(年度平均)は108.4で、1980年度以来の大幅上昇だった。産経新聞
消費者物価、3月はマイナス予測 デフレ懸念強まる
2009/03/28(土) 08:35:34 | 経済
物価が持続的に下がる「デフレ」への懸念が強まってきた。総務省が27日発表した2月の全国消費者物価指数(CPI、2005年=100)は変動の激しい生鮮食品を除くベースで2カ月連続の前年比横ばい。民間調査機関は3月に前年を下回るとみている。今夏には低下幅が2%を超す可能性もあり、景気後退の影響が強くにじみそうだ。
2月のCPIは酒類以外の食料とエネルギーを除く指数が前年同月比0.1%の低下で、2カ月連続のマイナスとなった。生鮮食品を除く指数も前月比では5カ月連続の低下で、物価下落のすそ野が広がっている。(07:00) nikkei
3月の独卸売物価、前年同月比8%低下-87年1月以来の大幅下落2009/04/15(水) 16:41:41 | ドイツ
4月15日(ブルームバーグ):ドイツ連邦統計庁が15日発表した3月の独卸売物価指数は前年同月比8%低下と、1987年1月以来の大幅な落ち込みとなった。エネルギーコスト低下と農産物の値下がりが影響した。
2月は同5.7%低下だった。3月の指数は前月比では0.9%低下。
大和証券SMBCヨーロッパの欧州担当エコノミスト、コリン・エリス氏(ロンドン在勤)は、「生産急減で切羽詰った企業が需要喚起のためさらに値下げするとの懸念を高めるものだ。ユーロ圏でデフレが長期化するリスクが増大している」と述べた。bloomberg
3月の米消費者物価、前月比0.1%下落
2009/04/17(金) 09:51:03 | 米国問題
【ワシントン=大隅隆】米労働省が15日発表した3月の消費者物価指数(1982―84年の平均値=100)は212.709となり、季節調整済みの前月比で0.1%下落した。3カ月ぶりの下落で市場予測の平均(0.1%上昇)を下回った。
エネルギーと食品を除いたコア指数は0.2%の上昇。市場予測の平均(0.1%上昇)をわずかに上回った。(21:46)
3月の米卸売物価指数、1.2%下落 コア指数は変わらず
2009/04/17(金) 09:50:00 | 米国問題
【ワシントン=大隅隆】米労働省が14日発表した3月の卸売物価指数(1982年=100)は168.9となり、季節調整済みで前月比1.2%下落した。市場予測(2月と同じ)を下回り、3カ月ぶりの下落。原油価格下落に伴いエネルギー価格指数が5.5%下落したのが響いた。エネルギーと食品を除くコア指数は2月と変わらなかった。(14日 22:10)
3月の米消費者物価、前年比で54年ぶりの下落 0.4%マイナス
2009/04/16(木) 09:43:57 | 米国問題
【ワシントン=大隅隆】米労働省が15日発表した3月の消費者物価指数(1982―84年の平均値=100)は212.709となり、季節調整済みの前月比で0.1%下落した。市場予測の平均(0.1%上昇)を下回り3カ月ぶりに下落した。エネルギーと食品を除いたコア指数は0.2%上昇。2月と同じ上昇率で、物価の先行きを判断しにくい状況になっている。
長期的な傾向を示す前年同月比(季節調整前)ベースでは、0.4%の下落。単月ベースでは1955年8月以来、約54年ぶりの下落となった。原油価格の乱高下が影響している。コア指数の前年同月比は1.8%の上昇だった。nikkei
ドイツで、卸売物価が、大幅な下落で、81年以来の下落。
日本でのそれは、6年ぶりの2.2㌫の下落。米国のそれは変わりなく、生鮮食品、エネルギー関連を除いたコアの消費者物価下落は、なく1.8㌫の上昇率である。
つまりは、ドイツがこれから「本格的」なデフレへの不況へ向かうかもしれないということ、日本は、完全にデフレへと向かい、さらに、日銀自身が予想しているように実質での成長率の下落が2.2㌫としているように「不況」がデフレに重なることになる。
単純にいえば、日本でのデフレ圧力は、小売業だけでなく、全産業にさま様な形で価格破壊、低価格、路線がとられ、納入業者、にもその圧力が掛かるということ。それによって、実体経済を構成する、所得が下落に傾き、消費落ち込みを招き、企業業績が悪化し、雇用が減少する全体での不況の加速を導き出すことになる。
日本はデフレ懸念ではなく、現状デフレと不況が同居するデフレスパイラルへ落ち込込むかという状態。かろうじてそれを防いでいるのは、内容の是非は別に、また財政出動そのものの是非の議論は別にして、政府の「大型の経済対策」への期待だろうと思う。日銀の金融政策にデフレ脱却の政策スタンスが見受けられない中、財政出動への必要以上の過剰な期待、米国の景気回復、中国の景気回復への必要以上の過剰な期待という外需頼みが市場関係者に顕著に現れている、と思う。自国での解決手段が政府と日銀、そして多くの評論人たちの提案する「政策」が非常に狭苦しく限りなく限定され、財政出動だけへの期待は、自らが、自らの首を絞めつけることになる。
その中でも、米国のデフレ懸念の解消は、外需頼み、財政頼みの日本経済には非常に大きい影響がある。つまりはデフレ懸念がないということは米国の消費がこれ以上の落ち込みがないということを物語るからである。米国内需が、復帰するのにはかなり時間が掛かるとされている。 これを経常収支から見れば、米国の購買量が増え、米国の内需(消費、設備投資、住宅投資、政府支出)が、米国国民所得を上回る状態が起きるのだろうか、かなり疑問でもある。逆に、今年度の後半、あるいはそれ以後にある可能性もあるということである。いずれにしても、多くの経済指標から、米国の経済は、底打ちしたのは確かだろう。
米企業の景況感、下げ止まりの兆し 4月調査の指数改善
全米企業エコノミスト協会(NABE)が20日発表した4月の企業景況感調査によると、需要が「増加した」と回答した企業割合から「減少」とした企業割合を引いた指数はマイナス14となり、過去最悪だった前回1月調査から14ポイント改善した。同協会は「景気悪化が緩やかになっている」とみている。
需要指数の改善は2008年7月調査以来、3四半期ぶり。雇用情勢を示す指数も前回のマイナス30からマイナス25にやや改善。企業の景況感の悪化に下げ止まりの兆しが出ていることを裏づけた。
ただ09年の米実質経済成長率がマイナスに落ち込むとの予想は93%と、前回調査の78%から上昇。景気が年内に仮に底入れしても、回復力は極めて乏しいとの見方を映した。(ワシントン=米山雄介)(14:14)
米国にとって景気の回復は、上記に述べたように内需の振興であって、外需の振興ではない。また、株価の暴落の社会的経済的影響と住宅価格の暴落による社会的経済的影響は、後者の方が影響は大きい。住民に対する影響が大きく、また、家計へのダメージが大きく、消費の緊縮が起きる影響は株価の下落より「逆資産効果」として実体経済への影響は甚大である。米国の経済を牽引し、世界経済からの供給、つまりは、モノ・サービスの輸出を一手に引き受けてきた、米国内需が大きく小さくなることになる。
オバマ政権が、逆に外需の振興、裏からいえば、貯蓄の向上を目論み、経常収支の黒字化を目指す政策を強く打ち出すようならば、外需頼みのままの日本には将来はないということになる。
一般に、米国の住宅「バブル」の主因は、01年ほどからのグリーンスパン当時のFRB議長による5㌫台から1㌫台に1年ほどで落とした金利低下による金融緩和によるとされる。この緩和策を受けて住宅「バブル」が住宅価格が上がるのだから、ローンを借りて、住宅を購入した方が得策であり、その余りを消費に回し消費が増大、米国の内需のけん引役の、住宅投資と資産効果によって個人消費が拡大し、世界的な好況を招いた。米国の金融緩和が、米国の内需を引き出し、その内需が世界の2割ほどの世界供給を引き受けていた。世界的な「金融緩和」の状態、つまりは米国の需要増大は、世界的に景気のいい状態、名目成長率が2㌫を切るような国はほとんどなかったことにも現れている。名目が2㌫を切る国は日本ぐらいで他国はそれ以上の経済状態が米国金融緩和以降、サブプライムショック以前の間継続した。
他方から見ると、このアジアによる米国の貯蓄不足を支えたのは、東アジア、東南アジア諸国の経常黒字=資本流出である。00年のITバブル崩壊、01年の9・15同時多発テロ事件によるテロの恐怖などによって、米国諸企業の経営側の気分を、投資から貯蓄へと萎縮する方に向かわせた。諸企業は通常の経済状態であれば、悲観よりも、リスクテイクして実質金利の低下、期待実質金利の低下による設備投資、店舗展開に向かっていく。 が、しかし、00年、01年の崩壊、テロ事故によ楽観から悲観への消極性による投資萎縮が、企業行動に変化を齎した。投資より貯蓄への経済行動である。米国諸企業の貯蓄の高さは、投資環境がインフレでありかなり整っているにもかかわらず、貯蓄が高いというのはかなり異常である。にもかかわらず米国は経済成長率は、高かった。一般の消費者は、この悲観への影響をそれほど受けることなく将来経済対する「楽観」が、低利のローンによる住宅投資を支え、内需を引き上げ、総投資が総貯蓄を超えるでっ経済であった、といえる。
そこで、米国経済の投資と貯蓄のインバランスは、消費者、家計の消費量は増え続け、企業の貯蓄、内部留保が増えた。このような奇妙ではあるが、米国の経常収支赤字、総需要が国民所得を超える状態、総貯蓄が総投資より低い経済状態は、企業の投資行動より、FRBによる金融緩和による内需振興が大きく作用している。金融緩和は米国の庶民の消費者、自動車ローンの金利の低下、住宅ローンの低下はもちろん、中小諸企業、内需産業などの投資環境の改善などを齎したのだろう。米国経常収支の赤字は、これに伴った米国庶民の「楽観」主義に赴く住宅購入経済行動によって作られたのである。住宅「バブル」が、金融機関の過剰な不動産企業への資金融通によって引き起こされた日本の80年代後半の経済行動と異なるところである。米国の経済の膨張は、米国の消費者、庶民によってなされた住宅投資、自動車ローン、消費者ローンによる総需要の押し上げが主たる原因である。
その恩恵を受けたのが、外需の日本であり、また外需の中国であり、97年タイのバール急落による通貨危機に始まるマレーシア、インドネシア、韓国などの通貨危機以降、外需に政策転換した韓国と東南アジア諸国であった。その様相は、中国ではドルペッグ相場制維持のため、元売り、ドル買いによる外貨準備の大きな積み上がり、日本では03年の35兆円ほどのドル買い円安介入による外貨準備高の積みあがりが存在し、さらに変動相場制に移行し、東南アジア諸国の貯蓄投資のインバランスで見ると貯蓄の方が投資よりおおきいことによる経常収支の黒字化に見て取れる。
このような外需への依存経済体制は、97年の東アジアと東南アジア諸国の通貨危機の悲劇的で不幸な経験が必要であった。通貨危機に見舞われた東南アジアは、投資不足を補うための外資の直接短期資金の導入に頼る経常赤字の状態だった。通貨危機に見舞われた諸国は、ドルにペッグしている為替制を採用していた。自国通貨がドルに対して上昇するなら、ドルペッグ制でも、自国通貨売り、ドル買いの為替介入で外貨準備の積み増し、発行通貨拡大で、米国証券を購入し、通貨供給を増やす(金融緩和)ことによって維持できる。景気の過熱を演出することが出来るのである。反対に、ドルが自国通貨より高いと、ドル売り自国通貨買いでドルペッグ制を維持しなければならなくなる。ドルペッグ制維持は、このドル高時には、金融引締め策を要求する。というのも、自国通貨の下落の原因である短期の資金の流出を防ぐため、また自国通貨安は外貨建て債務(短期資金は、外貨であった)の膨張を招くのを防ぐため、金利を引き上げる引締め策が必要となる。外貨準備を取り崩す、つまり、米国証券を売ることによって、ドル売り、自国通貨の買いを入れる自国通貨高の為替政策へ転換しなければならなくなる。外貨準備の取り崩しは、国内政策では、金融の引締めを意味する。外貨建て米国証券を市中に売るということは、自国通貨を買うということに等しく、通貨供給量を絞るということに等しい。ドルペッグ制維持のためドル買い、自国通貨売りを続ければ限られた外貨準備は、そのうちに底をつく。ジョージ・ソロスなどのファンド、投機筋の暗闘が始まり、売り圧力がこれを促進した。通貨下落、暴落が急激に加速する。外貨建て債務の膨張と金融引締めによって、国内経済の失速を加速する。悪の循環がスパイラルとして始まる。ドルのペッグが維持できなくなるまでそれは続けられたのである。
通貨危機に見舞われた韓国、東南アジア諸国は、IMFに資金援助を仰ぎ、また、通貨危機による経済の悪化を阻止するため、IMFは構造改革要請、金利の上昇と緊縮財政の提案をする。それを、通貨危機当事諸国は受け入れる。構造改革は、縁故資本主義の解体である。政府と経済の癒着、政治の実力者の家族の経営する企業が、政府公共投資などの落札を受け、政府が実力者によって私物化されること、政府の規制、制限が増えると、政府に近いものへの賄賂などがはびここることになる。それを廃止することを要求したのである。アジアにはびこる縁故資本主義は、政治的、社会的にも問題があるし、資本市場の透明性、資源配分の点でもすぐれた「制度」とはいいがたい。が、その政治的改革と経済の循環的景気とは別物である。
景気減速期の金利の上昇、緊縮財政(変動相場制採用国では、この景気への影響は少ないとされるが・・)は、景気減速をさらに下に加速する。
こうした為替制度と外貨建て債務、外資の短期の融資に依存した国際経済制を97年の通貨危機以降、変動相場制の採用と外貨準備備蓄に、韓国、東南アジア諸国は政策転換する。
貯蓄が投資より大きい経常収支の黒字(輸出が輸入より大きい)=資本の輸出(資本収支では赤字、対外債権が対外債務より大きい状態)が大きな意味での東南アジア諸国の経済「戦略」となった。こうした自国通貨安「政策」のアジアでの為替政策が、米国の経常収支の赤字、内需が国民所得以上である収支を一面では支えていたともいえる。
日本の「景気拡大」は02年から始まったとされるが、それは、米国の今は批判されている、皮肉なことだが、米国金融緩和による内需拡大の影響が大きく作用している。米国金融緩和策によって招いた住宅「バブル」は、米国内需の増大を引き起こし、日本の輸出が増え、景気拡大を齎した主因であるのだろう。国内的にも、06年3月までは「日銀」の緩和策は続けられ、その月に解除されるという緩和の原因も重なっていにはいるのだが、「国内の景気回復」の主因は、米国発の金融緩和による米国内需の拡大にある。「景気回復期」開始時期だとされる02年の輸出の成長率献度は、8割がたの貢献度である。米国、中国、東南アジアへの輸出に支えられたと考えらる。
竹森俊平の「1997年-世界を変えた金融危機」からの孫引きになるが、小峰隆夫の分析を借りる。
02年 総需要成長率1.4㌫ 内需寄与率 0.3㌫ 輸出寄与率1.1㌫
03年 総需要成長率2.4㌫ 内需寄与率 1.3㌫ 輸出寄与率1.0㌫
04年 総需要成長率2.3㌫ 内需寄与率 1.3㌫ 輸出寄与率1.0㌫
05年 総需要成長率3.5㌫ 内需寄与率 2.4㌫ 輸出寄与率1.1㌫
とすれば、米国の金融緩和とサブプライムのローンの拡大、金融工学によるCDSなどの(債務不履行の保証)などの証券化による信用拡張、また、拡張による実体経済の好況、すなわち米国の住宅投資と米国民の消費増大、内需振興を一方的に非難する言説には、一部頷けるところがあっても完全にデリバティブ金融商品、米国の過剰消費、住宅価格の上昇による消費拡大は駄目だとはいえないことになるのではないか。
米国のAIGなどの過剰な信用膨張と住宅投資、消費の拡大があって、日本の景気回復はあったといえる。
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マクロの設備投資額を調べていたら、ニッセイの基礎研究所の櫨 浩一氏がこういった記事を掲載されていた。
日本の設備投資額は2002年7-9月期で、おおよそ名目で18兆。実質で21兆ということが目を引いた。これを年額で現すと名目で72兆円、実質で84兆円となる。
実質は、物価上昇率を差し引いた額であるから、デフレ下の設備投資額としては、実質が名目を上回るのはマクロ経済としては、当然の状況。上記の記事からは、さらには、ほぼ2.8㌫の物価下落率ということが分かる。
2009年3月現在では、デフレと不況が重なり、さらに減少しているだろうと思える。で、米国では、どうであろうかといえば、岩田規久男の世界同時不況 (ちくま新書)によると、2008年次でおおよそドルベースで14000億ドル、円ベースで140兆円(1ドル=100円で計算)である。デフレ社会とインフレ社会との差はあるが、米国と日本の経済規模は、日本が名目で500兆円、米国は名目で1500兆とほぼ3倍の経済規模の差があることを見ると日本の投資額の方が216兆円となり、大きいことが分かる。
名目で縮小、実質では拡大する日本経済~デフレの矛盾
2003/02/24号
「2.物価の下落で経済が拡大する?
実質GDPの企業設備投資の推計に用いる物価指数をこれまでの卸売物価指数から企業物価指数に変更したため、実質GDPのレベルが過去にさかのぼって上方に改定されている。例えば、7-9月期の民間企業設備投資は、12月に発表された時点では、名目で18兆3433億円、実質では21兆3792億円だった。ところが、今回のGDP統計発表時には、名目では18兆3746億円と0.2%だけ上方に修正されたに過ぎないが、実質では21兆9794億円と 2.8%も上方修正された。企業物価指数の導入で、設備投資に使われる機械などの価格が今まで考えられていた以上に下落していることが明らかとなった。設備投資に使われている金額は同じでも、実際には「もっと多くの」設備投資が行なわれていた、ということなのだ。
モノの値段が上がったからといって我々の生活が豊かになるという訳ではないという道理からすれば、実質経済成長率こそが実体であって名目経済成長率はうわべの姿に過ぎない。100円のパンの値段が200円になったと言ってもそれでもっと腹が膨れるわけではない。所詮パン1個はパン1個に過ぎない。そこで物価の変動分を調整した「実質経済成長率」が登場するというわけなのだが、現実は教科書に書いてあるほど単純ではない。
先日家にあるパソコンを買い換えようと思って、量販店を覗いてみた。店頭にならんでいるパソコンは、4年ほど前に買った家のパソコンとほぼ同じ値段なのだが、もちろん性能は格段にアップしている。CPUの速度は段違い、ハードディスクの容量はケタ違いに大きいし、昔は無かったDVDだって付いている。こうした性能のアップをどうって物価統計に織り込むかは難しい問題だが、今回の企業物価指数ではこういう点の改善も図られた。」
日本の設備投資額は2002年7-9月期で、おおよそ名目で18兆。実質で21兆ということが目を引いた。これを年額で現すと名目で72兆円、実質で84兆円となる。
実質は、物価上昇率を差し引いた額であるから、デフレ下の設備投資額としては、実質が名目を上回るのはマクロ経済としては、当然の状況。上記の記事からは、さらには、ほぼ2.8㌫の物価下落率ということが分かる。
2009年3月現在では、デフレと不況が重なり、さらに減少しているだろうと思える。で、米国では、どうであろうかといえば、岩田規久男の世界同時不況 (ちくま新書)によると、2008年次でおおよそドルベースで14000億ドル、円ベースで140兆円(1ドル=100円で計算)である。デフレ社会とインフレ社会との差はあるが、米国と日本の経済規模は、日本が名目で500兆円、米国は名目で1500兆とほぼ3倍の経済規模の差があることを見ると日本の投資額の方が216兆円となり、大きいことが分かる。
産経のビジネスアイからの引用。浜矩子、高橋洋一、深尾光洋の3氏がご登場。筆者としては、浜は完全に論外で、こいつの見解こそ「劇薬」いや「毒薬」でしかない。一般には受けやすい浜の議論だろうが、マクロの経済論を人の道で片付ける噴飯モノへ理屈。浜に聞きたいが、失業率とインフレ率はトレードオフの関係あるが、人の労働、勤労を優先に置くなら、インフレ率を2㌫ほどに高めれば、失業率は、大きく見積もっても3.5パーセントほどに落ち着くのが日本経済の今までのあり方である。人を大事にするなら、失業率とインフレ率ぐらいの関係を見ておくべきだろう。そのためにも、インフレへの転換は重要なマクロ経済政策となるのである。
浜は経済学者の肩書きを外すことだ。それが嫌なら倫理とマクロ経済の分野で研究した方がいいだろう。この分野は、マクロ経済学では今だ未発達だろうから、さ。研究が「現実」に追いついていないといった方がいいのだろうか。
で、高橋洋一、深尾光洋の議論が面白いが、日銀の「量的金融緩和」に二人とも積極的であるが、深尾は引き気味。マイナス金利、貯蓄課税という政治的劇技を推奨しているのは、以前からの深尾議論である。高橋は「量的金融緩和」に積極的で、当然に政府紙幣発行による通貨発行益の積極的活用を述べている。政府紙幣発行議論は、日銀の緩和策が極めてもたついており、日銀の発行券量以下に長期国債の買い取り量を抑えるという「日銀」独自ルールによって通貨供給量を抑える逆行理論に対する苛立ちが伺える。デフレ脱却さえしていない経済状況の認識がないことへの苛立ちから発せられた議論である。
正当な方法としては、長期国債の買取の6000億程度の増額ではなく、限度を設けない設定が必要だということだろう。この点で、深尾より高橋の方が、現状の不況に対して危機感が強く、対策も政府紙幣発行という劇薬にならざるを得ないのだろう。筆者は、政府紙幣の発行には賛成だが、「社会的」同意には程遠い議論となるため、折角の議論も「際物」扱いになる可能性の方が高い、と思う。
深尾の1930年代の世界恐慌期の米国のデフレ脱却認識は、完全におかしい。ルーズベルトの二次世界大戦参加によってデフレ脱却がなされたとする認識は、間違っている。フーバー大統領期に金本位制の下で、当時の債権国家であった米国に金の流入が起きる。金の流入と共に本来は金融の緩和をすべきであった米国は、それを出来なかった。若しくは、しなかった。株価の上昇を見てか、金融引き締めを実施する。これが29年の株価暴落への「布石」となった。住宅価格も暴落へ向かい。資産デフレの状況が訪れる。逆資産効果によって、実体経済へもデフレの圧力がかかる事態となる。33年にルーズベルトが大統領に就くと金本位制の廃棄によってデフレ脱却への切っ掛けが生まれた。変動相場制の採用ともに金融の自由を手に入れ引締め策から緩和策へ大きく動き、リフレ政策へ転換したことがデフレ脱却を可能にした。太平洋戦争開始の1941年時では、すでに米国はデフレを脱却し、不況から脱出し景気は回復、成長率は回復している。
大胆な危機対策 専門家3氏座談会(2-1)
大胆な危機対策 専門家3氏座談会(2-2)
浜は経済学者の肩書きを外すことだ。それが嫌なら倫理とマクロ経済の分野で研究した方がいいだろう。この分野は、マクロ経済学では今だ未発達だろうから、さ。研究が「現実」に追いついていないといった方がいいのだろうか。
で、高橋洋一、深尾光洋の議論が面白いが、日銀の「量的金融緩和」に二人とも積極的であるが、深尾は引き気味。マイナス金利、貯蓄課税という政治的劇技を推奨しているのは、以前からの深尾議論である。高橋は「量的金融緩和」に積極的で、当然に政府紙幣発行による通貨発行益の積極的活用を述べている。政府紙幣発行議論は、日銀の緩和策が極めてもたついており、日銀の発行券量以下に長期国債の買い取り量を抑えるという「日銀」独自ルールによって通貨供給量を抑える逆行理論に対する苛立ちが伺える。デフレ脱却さえしていない経済状況の認識がないことへの苛立ちから発せられた議論である。
正当な方法としては、長期国債の買取の6000億程度の増額ではなく、限度を設けない設定が必要だということだろう。この点で、深尾より高橋の方が、現状の不況に対して危機感が強く、対策も政府紙幣発行という劇薬にならざるを得ないのだろう。筆者は、政府紙幣の発行には賛成だが、「社会的」同意には程遠い議論となるため、折角の議論も「際物」扱いになる可能性の方が高い、と思う。
深尾の1930年代の世界恐慌期の米国のデフレ脱却認識は、完全におかしい。ルーズベルトの二次世界大戦参加によってデフレ脱却がなされたとする認識は、間違っている。フーバー大統領期に金本位制の下で、当時の債権国家であった米国に金の流入が起きる。金の流入と共に本来は金融の緩和をすべきであった米国は、それを出来なかった。若しくは、しなかった。株価の上昇を見てか、金融引き締めを実施する。これが29年の株価暴落への「布石」となった。住宅価格も暴落へ向かい。資産デフレの状況が訪れる。逆資産効果によって、実体経済へもデフレの圧力がかかる事態となる。33年にルーズベルトが大統領に就くと金本位制の廃棄によってデフレ脱却への切っ掛けが生まれた。変動相場制の採用ともに金融の自由を手に入れ引締め策から緩和策へ大きく動き、リフレ政策へ転換したことがデフレ脱却を可能にした。太平洋戦争開始の1941年時では、すでに米国はデフレを脱却し、不況から脱出し景気は回復、成長率は回復している。
大胆な危機対策 専門家3氏座談会(2-1)
大胆な危機対策 専門家3氏座談会(2-2)
金融政策で、マスコミのお偉いさん方で、まともな見解が述べられるのは筆者の知る限りでは非常に数が少ないのだけど、日経新聞の太田 康夫 編集委員の見解はまともであるな。最新版はここに。「暗愚のゼロ金利10年(2009/2/16)」感心するわ、マスメディアにこういった人士が存在するとは・・・・。太田 康夫の過去記事も時間と余裕があるとき読んでみるか・・・・・。その価値は充分ありそう。
「まさにゴッド・ダム・ストゥーピッド(大バカ野郎)だ」
フレドリック・ミシュキン元米連邦準備理事会(FRB)理事が27日、ニューヨーク市内で講演し、1990年代の不況を長期化させた元凶として日本の財政・金融政策を厳しく批判した。米金融界の大物が露骨に日本の政策を批判するのは異例だ。
昨年8月までバーナンキ議長の側近かつ相談役として活躍したミシュキン元理事は現在、米コロンビア大学経営大学院の教授。この日はシカゴ大学大学院が主催したセミナーに出席し、2000年にゼロ金利を解除した日銀の政策を「尚早」、日本の財政政策は「小出しだった」などと指摘。「私はもう公職にないから」と断ったうえで「(日本は)財政政策も金融政策もちゃんと仕事をしなかった」「大バカ野郎だ」と批判した。(ニューヨーク=松浦肇) (12:02)
この記事で大笑いしたが、政策当局にいた人物が、このような発言ををするほど、金融政策が稚拙であったし、今後も日銀のお偉いさん方の無責任な内需喚起を意図しない「政策」が続くのだろう。
イングランド銀:3月にも量的緩和示唆 景気後退深刻
【ロンドン藤好陽太郎】イングランド銀行(BOE)のキング総裁は11日の会見で、「金融政策をさらに緩和する必要がある」と述べ、3月にも量的緩和に踏み切ることを示唆した。英経済の現状については「深刻な景気後退にある」と明言。キング総裁は、「金利がゼロに低下するのを待つ必要はない」と早期に実施する考えを示した。
BOEは物価上昇率を2%とする政策目標を掲げている。英国の物価上昇率は今後急低下するとみて、キング氏は「マネーを十分供給すれば、目標に戻る」と述べた。BOEは今月5日に最重要政策金利を1.5%から1%に引き下げた。13日には、英政府の資金で企業からコマーシャルペーパー(CP)などの買い取りを始める。日経新聞
やれやれ、やっとぉ、英国も量的金融緩和ですか。とっくの前に、不十分ではあったが量的金融緩和をして、不徹底な「構造改革」によって経済の効率を高めるほどの「改革」は出来はなされず返ってそれが景気の下降をまなかずにすんだという皮肉な改革を実施した。それらの不十分な量的金融緩和と不十分な「改革」が、「かげろう景気」という名目賃金のほとんど上昇のない実感無き景気回復を齎し、デフレのまんまの国があるんですけど・・・・。
不景気のとき、地方ではなく国家の民営化という意味での構造改革は、不徹底に終わる、そのサンプルが日本。今時の郵政民営化の見直し「論」、とか先延ばし論とか、「かんぽの宿」の落札に対しての疑義とか、それらも、郵政民営化の完了を先伸ばしにしたのが根本問題。
何故先延ばししなければならなかったかは、事務的な問題、組織上の完成に期間が掛かることなど、既得権益側の抵抗などが指摘されるのだろうが、それは根本的な問題ではない。
単純な問題で、景気の回復の、また、潜在成長率の見積もりが低く、景気回復という循環の予測が、それによって低かったからであろう。そこで、03年から06年までの量的金融緩和が効果を持った。デフレの中での実感無き景気回復が起き、それで良しだ。というのも、改革は痛みを伴い、抵抗勢力が大きな反対をする。その反対の度合いは、経済の成長率が低ければ、低いほど抵抗は大きくなる。これは当たり前のことであって、改革という効率性の推進によって現状の生活が脅かされる、あるいは生活水準が低下するということが抵抗側に明らかになれば、その度合いが大きくなる。
規制緩和改革は、生産性の上昇を齎すが、名目経済成長率が低いときのそれは、生産性が上昇した分、雇用を吸収できないほどの雇用の流動性の拡大を生み出す。が、景気回復が不足すれば求人率の上昇は望めず。雇用の流動性の拡大によって、失業率の向上、あるいは、潜在的失業率の向上を齎す。長期的には潜在的成長率の向上を目論む政策、環境対策的政策は、なされるべきであるが、それを加速させることは、循環的短期的な景気の動向を予測の元になされなければならない。
この景気の動向の予測のシグナルになるのが、金融政策であり、かつ、当時のデフレ予測の定着からの脱却であった。しかしそれは、郵政民営化騒動に見られるように、騒動の中心から外れた政治経済課題となってしまっていた感が非常に強かった。
量的金融緩和の解除が早すぎたのであり、また量的金融緩和の規模に上限を設けたのが効力を齎さなかった原因である。こうした内需振興としての金融政策の失政が、景気回復を遅らせ、社会全般の、地方郵便局の抵抗勢力に対しての制御力を弱くすることなった主因なのだろうと今から考えれば思える。
郵政だけでなく、道路公団の民営化もかなり中途半端で終わった。というのも、道路公団を二つに分けて、高速道路の利用、パーキングエリアでの売店などの利用は民間が出来ることとなった。しかしその利益を返却する先が、高速道路を所有する民営高速道路会社であり、債務保証を国土交通省が出来る構造になっている。これでは高速道路を所有する民営高速道路会社が、赤字になっても、道路建設を続け、あるいは、見通しの甘い需要予測によって建設計画も実施されやすいことになる。というのも民営企業のように、赤字による株価の下落、企業業績の悪化による経営判断の甘さの追及が、株主によってなされるということもなくなることになり、「責任」の所在が分りにくくなるからである。高速道路を作ることが、民営化されていないのであるから中途半端な政府保証から免れることのない民営化である。
政治家の定数削減、官僚の配置換えを含めた行政府の改革とは別の意味での民営化構造改革は、どうしても民間に大きな負荷、痛みを経済成長が不足するときは必要以上にかける。
その例に倣うなら、大不況の克服のため上限を設けない長期の国債などの買い切り、買取を含めた量的金融緩和とインフレターゲットを設定することの再公表が必要だろう。断固やり遂げる意志の表明を!!!頑張れや、キング総裁!
インフレ目標に前向き=「建設的なステップ」-FRB議長
【ワシントン10日時事】バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は10日、下院金融サービス委員会で証言し、望ましい物価上昇率を設定して金融政策を運営するインフレ目標の枠組みについて「建設的なステップだと思う」と述べ、改めて前向きな姿勢を示した。
インフレ目標は通常物価高騰を抑えるために設定されるが、デフレ回避の有力策として期待する声がある。物価下落と景気悪化が相乗的に悪化するデフレスパイラルの懸念が強まる中で、FRB内でインフレ目標の論議が再燃しそうだ。(2009/02/11-09:12)時事
FRBでは、一ヶ月ほど前に長期国債の買い入れによる量的金融緩和の採用が議論されている模様だった。
FRB:景気後退長期化、連銀報告で判断
【ワシントン斉藤信宏】米連邦準備制度理事会(FRB)は14日、全米12地区の景気情勢を示す地区連銀報告を公表した。昨年12月初旬以降の米国経済について「12地区すべてで経済活動が弱まった」と前回(12月3日)同様の表現で、景気後退が長期化しているとの判断を示した。
年末商戦が不振で、小売売上高の落ち込みが激しかったほか、引き続き自動車販売も低迷し、製造業全体が落ち込んだ。サービス業も一部の地区を除き、おおむね低下、雇用の悪化にも拍車がかかった。
また、大半の地区で住宅不動産市場の状況がさらに悪化。多くの地区で販売が減少し、価格も下落した。金融危機の深刻化の影響で、金融機関の貸し出し基準が一段と厳しさを増しており、小売売上高や自動車販売にも悪影響を及ぼした。
報告は、FRBが27、28日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)の基礎資料となる。米国では景気後退の長期化が懸念されており、事実上のゼロ金利に踏み切ったFRBが、市場への追加の流動性供給策など一段の量的緩和政策に踏み込むかどうかに注目が集まっている。
毎日新聞 2009年1月15日 13時17分
量的金融緩和の検討に入ってから、すでに一ヶ月経っている。とっとと、長期国債の買い切りとインフレターゲット導入すべき。米国もすでにデフレ懸念から、デフレへ移行してるんじゃないのか。
米国が、金融緩和策も無い、インフレ目標もなさずでは、総需要の不足を招きデフレへ移行するのは目に見えている。住宅価格の下落も続いていることであるから、総需要を構成する実体経済の景気減速は、まだ長引くと見るのが当然だろうと思う。頑張れや、バーナンキ!
09年度成長率、過去最悪に=マイナス2%、デフレ懸念も-日銀見通しこれで、デフレへの舞い戻りを認識したことになる。さすがに頑固な日銀もスタンスを変えるのだろうか?ま、期待倒れに終わるだろう。経済状態がこうなった以上、ゼロ金利へ、長期国債買い切りへ始動すべきだろう。0.1㌫の低金利であれば常識的には、これ以上の金利の引き下げによる金融緩和は出来ないということになろう。が、金融緩和とは、金利の引き下げで成立しているわけではない。
1月22日17時0分配信 時事通信
日銀は22日、昨年10月末に示した2010年度までの「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」の中間評価を公表した。経済成長率は、08年度がマイナス1.8%(従来予想プラス0.1%)、09年度がマイナス2.0%(同プラス0.6%)に大幅下方修正。いずれも過去最悪となった98年度(マイナス 1.5%)を下回るマイナス幅となる。
消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く)も09年度がマイナス1.1%(同0.0%)、10年度がマイナス0.4%(同0.3%)を見込んでおり、日本経済はデフレ的状況に陥る可能性が高まってきた。
「10月末以降、新興国を含めた海外経済が大幅に減速し、日本経済を取り巻く情勢に大きな変化があった」-。白川方明総裁は22日の記者会見で、前回予想から3カ月足らずで大幅な下方修正に至った理由を説明した。
民間の銀行間での資金融通は短期の無担保コールレートの市場で行われている。が、この市場であっても日銀が金利を直接決定するわけではなく、短期レートが誘導目標となっているに過ぎない。この短期無担保コールレートの市場政策金利を日銀が短期の証券、国債などの売り買いによって、通貨供給量によって金利を誘導している。すなわち、通貨の供給量をコントロールすることによって、金利を誘導しているのである。
こうした操作を採ること自体が通貨供給量を多くすることが緩和、供給量を少なくするすることが引き締めという日銀の通貨供給量による操作が可能であることを日銀自体が認めていることになる。
であれば、実際の短期の国債などの売買による通貨供給量を、長期の国債を民間銀行から買い取るという、返却の必要性がある平時の買いオペではなく、長期の国債を買い切るという返却不要の緊急時のオペによる増減することが出来るということになる。長期の国債の買い切りは、国債の償還を政府がする必要もないことにも繋がる。不景気で、国税も不足、地方税も不足しているのだから、通貨供給量の増大だけではなく、国や地方債の借金もチャラに出来るということになる、一石二鳥の方法でもあることになる。
何故、短期の証券の買い切りではなく、民間銀行からの長期の国債の買い切りが必要なのかといえば、デフレ下では、モノ・サービスの価値より、通貨の価値の方が相対的に高いからである。通貨は流動性といわれるように、それ自体では金利を生まない財である。よって、短期より長期の方が、流動性とは異なる性格が強いことになる。これを換金したほうが、はるかに通貨の流通による、流動性の供給には好都合で、効果があるからである。
反対にインフレは、モノ・サービスの価値が、通貨の価値より高いときに起きる現象である。インフレのとき、将来がインフレになるというとき、例えば昨年のガソリン価格の高騰時には、ガソリンスタンドに行列を作る車が溢れているのをTVで見かけた。これは、インフレ時に起きる将来インフレになるという思いが強い購買者たちの経済行動のから生まれた現象である。
インフレ時には、通常の金利が復活し、名目金利が上昇するが、インフレ予想率が向上し、実質金利は低下する。そうした場合、このインフレ予想がある範囲に収まるとの認識が、社会にあれば、それほどのインフレ率は向上しない。金融政策としては、通常の伝統的な政策に回帰できる。当然に通貨の供給の引き締め、公開市場操作としての売りオペ、預金準備率の引き上げがなされる。
インフレとデフレは、将来の価格、物価と価格は違うが、議論を単純化したほうが分りやすいから大きく敷衍してしまえば、将来の物価に対しての経済主体の姿勢でもある。個人、家計、企業の民間経済主体が描く、将来の物価に対する予算制約のなかでの現在の経済行動の結果なのである。
その将来への物価に対して経済主体の物価予想への働きかけを、通貨供給量の変更可能な機関による物価安定目標が、デフレ脱却には、大きな政策ツールになる。
現状のデフレ状況は、戦前の恐慌期と比較すれば非常に低い程度のことかもしれないから、それほどデフレっちゅうのは悪くないかもと思う向きもかなり多いだろう。米国の1929年の大恐慌は、年率15㌫のデフレ、昭和恐慌のデフレは、年率15㌫であった。このデフレは、激しい不況を齎し、失業率は15㌫~20㌫はあったのだろう。現状のデフレ率はこれほど酷くはないとしても、デフレの放置は、恐慌時の社会の再来を招き寄せ、総需要の減退が、販売不振からさらにデフレ圧力を高めるデフレスパイラルを齎すと、経済ががたがたになるだけではなく、解雇が横行し、正規の社員の間でも、嫉妬、妬み、能力のあるものに対して足を引っ張ることなど、陰湿な社会構成を生み出すことになる。当然に負債の多い者たちに対して、実質金利の上昇という圧力をインフレ時より負荷を掛ける。「格差」の拡大圧力も薄く広がることになるのである。
デフレと不況は結びつきやすく、デフレ下では失業率は高くなりやすいことになる。
現在の物価が将来の物価をあらわすとすれば、中央銀行は、将来の物価に対する人々の予想、期待に働きかけることが出来る唯一の国の機関である。何故なら、通貨供給量の支配ができるのが中央銀行であるからである。この機関はそれによって、インフレへと導くことも、またデフレへの転換も出来る強大な経済「権力」を持つ誘導機関なのである。
予断だが、1万円札は、原価25円である。これを大量に発行し、市中にお金が溢れさせ、中央銀行にはその差額を得ることになる。中央銀行に入ったお金は、国庫納付金として政府に入る。この仕組みも、財政悪化を軽減する手段として使わない手はないだろう。財務省や増税だけによって財政規律を考える議員ども、長期の構造課題と短期の循環型課題を混同して経済論をぶち上げるマスコミの論者。中年連中に多いのが社会派「良識」派である。高度成熟社会には、成長性など必要もないこと、あるいは、耐久消費財の販売不振は、成熟市場の当然の結果として述べるだけのものども・・・。諸兄ほど、思考をゼロベースに戻して考えられない愚か者はいない。思考力ゼロほどにたちの悪い「良識」派は、極端な「共産主義」よりたちが悪いのではなかろうか。後者は明らかに、反資本主義だから、本質的に資本主義の横着さの指摘、資本主義の市場が持つ欺瞞を突き詰めたり、社会常識の破壊性の指摘などがあるが、前者には、資本主義の擁護が前提にあり、「良識」をデフレ期という異常な時期に、今まで通用した「良識」で対応するということが、異常なのだということに思い至らない。だから、有効ではあるが異常状態を脱却する「政策」提言には結びつかない。
例えば、三原 淳雄の稚拙な言論である。こいつの最近の言辞を纏めると、「良識」派の要約になるだろう。「政治家が悪い。日銀が悪い。誰かの責任にするな」などとこの方はの賜る。これは、個人の倫理としてはそうだろう。しかし、経済は倫理だけで成立していない「市場」がある。ミクロの経済とマクロの経済を弁えない、経済論以外の言辞である。
そして、マクロの経済とミクロの企業、家計の経済を容易にマクロの経済に適用し、ミクロの改革方法をマクロ経済に使って判断したりする。デフレ期では、ミクロの経済は、直接マクロの経済、全体の経済として眺めることは、避けるべきである。合成の誤謬という部分的には正当な判断ではあっても、マクロ全体では、正当な判断にはならないということが往々にして起きる。
構造的な改革によって経済に持ち込まれるものと、循環的に持ち込まれるものとの区別と連関を見失っている経済論も、多く散見される。
「世界の主要中央銀行は、穏やかにインフレを高進させることが巨額の債務から逃れるうえで有益であることを認識すべきである。」
大恐慌を防ぐにはインフレ政策しかない――ケネス・ロゴフ ハーバード大学教授 東洋経済
チョトドッキリとする原題だけどが、コゾフの言辞は面白いし、「世界の最大手銀行の大半は実質的に破綻しており、生き残るためには政府の支援と資金に依存しなければならない。多くの銀行は住宅ローンで巨額な損失を被っていることを認めている。不況が深刻になれば、銀行のバランスシートは新たに商業用不動産やクレジットカード、プライベート・エクイティ、ヘッジファンドの破綻の連鎖に直撃される。政府は銀行の直接的な国有化を避けながら、第2次、第3次の資本増強を行わなければならなくなる。」といった言葉にも見られるように、米国の金融危機の底深さにも言及している。
筆者は、米国の金融危機は、もう収まったんだろうという楽観的な認識だったんだけどが・・・・・。
大恐慌を防ぐにはインフレ政策しかない――ケネス・ロゴフ ハーバード大学教授 東洋経済
チョトドッキリとする原題だけどが、コゾフの言辞は面白いし、「世界の最大手銀行の大半は実質的に破綻しており、生き残るためには政府の支援と資金に依存しなければならない。多くの銀行は住宅ローンで巨額な損失を被っていることを認めている。不況が深刻になれば、銀行のバランスシートは新たに商業用不動産やクレジットカード、プライベート・エクイティ、ヘッジファンドの破綻の連鎖に直撃される。政府は銀行の直接的な国有化を避けながら、第2次、第3次の資本増強を行わなければならなくなる。」といった言葉にも見られるように、米国の金融危機の底深さにも言及している。
筆者は、米国の金融危機は、もう収まったんだろうという楽観的な認識だったんだけどが・・・・・。
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