主に政治と経済について、思いついたことを語ります。リンクフリー、コピーもフリー
為替介入が先般あった。この介入の是非が問われるところだが、エコノミストは国際協調介入がなければ介入の効果は少ないという。これは当然のことであるが、筆者はこの介入は日銀の非不胎化=通貨供給量の拡大、日銀のバランスシートの拡大(市中の債権の買い取りによる資産の拡大)がそれ相応にあれば、緩和措置となり長期では円安に振れやすく、是だと考える。
理由としては、円高があまりにも急に過ぎる、円高は貿易産業だけに打撃を与えるだけではなく、輸入競争産業、つまり、たとえばアパレル産業、陶器、などなど幅広く中堅国内産業に打撃を与える。海外の輸入品の方が円高により安く入る。同品質のものであっても海外品の方が廉価になればそれが売れると予想される。磁器や陶器、刃物、プラスティック製品などなど海外で容易に作成される商品が手に入りやすくなる。それらを製造、販売する企業にとっては非常に痛手である。またそこに勤める者たちの就業人口も多いことから「所得の拡大」も見込みにくい。よって、デフレの圧力が、実物経済でも強く働くことになる。
そしてこれに20年間続く物価下落の圧力が国内産業の体力を蝕むことになる。円高とデフレの二重の圧力がかかることになるわけだ。平均賃金も上がる見込みは当分ないだろうという予測が強くなる。 当然にデフレ圧力がじわじわと響くことになるだろう。そのような観点から言うと、円高は、緊急の非常事態である。非常時には、非常時の政策が望まれるのは、マクロ経済の安定という点からも公的に是認される。効果の点で国際協調介入が望ましいのだが、円高を放置したままでは、株式相場も急落し、金融機関も自己資金比率の逼迫によって、貸し渋りも横行することになりかねない。
為替の介入は、政府が資金を民間銀行に政府短期証券を売って、資金を作り、それによって米国債を買って外為特別会計とするのが通常の措置である。このとき民間銀行の資金が政府に吸収される。市中のマネーサプライが減少することになる。これは流動性の吸収作用を持つ。つまり、流動性の引き締めである。日銀がこの政府発行証券を買わない限りは、金融の緩和になることはなく、「放置」しておけば逆に引き締めの政策として機能することになる。
池田元久とかいう民主党の議員が、放置しておけば非不胎化だとか述べていたのを散見した気がするが、もしそれが事実だとすると大きな間違いである。為替介入は、あくまで日銀の非不胎、つまり、民間銀行から証券を買わなければ通貨供給量は増えない、流動性の供給政策=デフレ脱却への道の一つの経路にもならないのである。はたして日銀は単独でその政策を採るのだろうか、甚だしく疑問である。
白川とかいう日銀総裁が、「非不胎化をする」などいっていたが、これもただの口先だけに終わるだろう。何んといっても日銀は手段の独立性を持っているからであるし、歴史的にも03年の為替介入でも白川は、非不胎化に断じて反対だったからである。
インフレ率2%程(名目経済成長率4%程)の目標付き非不胎化≒金融緩和付き為替介入を!!
不胎化と非不胎化についてはIrregular Economist ~hicksianの経済学学習帳~
為替介入については 明暗 | 情に棹させば流される参照
理由としては、円高があまりにも急に過ぎる、円高は貿易産業だけに打撃を与えるだけではなく、輸入競争産業、つまり、たとえばアパレル産業、陶器、などなど幅広く中堅国内産業に打撃を与える。海外の輸入品の方が円高により安く入る。同品質のものであっても海外品の方が廉価になればそれが売れると予想される。磁器や陶器、刃物、プラスティック製品などなど海外で容易に作成される商品が手に入りやすくなる。それらを製造、販売する企業にとっては非常に痛手である。またそこに勤める者たちの就業人口も多いことから「所得の拡大」も見込みにくい。よって、デフレの圧力が、実物経済でも強く働くことになる。
そしてこれに20年間続く物価下落の圧力が国内産業の体力を蝕むことになる。円高とデフレの二重の圧力がかかることになるわけだ。平均賃金も上がる見込みは当分ないだろうという予測が強くなる。 当然にデフレ圧力がじわじわと響くことになるだろう。そのような観点から言うと、円高は、緊急の非常事態である。非常時には、非常時の政策が望まれるのは、マクロ経済の安定という点からも公的に是認される。効果の点で国際協調介入が望ましいのだが、円高を放置したままでは、株式相場も急落し、金融機関も自己資金比率の逼迫によって、貸し渋りも横行することになりかねない。
為替の介入は、政府が資金を民間銀行に政府短期証券を売って、資金を作り、それによって米国債を買って外為特別会計とするのが通常の措置である。このとき民間銀行の資金が政府に吸収される。市中のマネーサプライが減少することになる。これは流動性の吸収作用を持つ。つまり、流動性の引き締めである。日銀がこの政府発行証券を買わない限りは、金融の緩和になることはなく、「放置」しておけば逆に引き締めの政策として機能することになる。
池田元久とかいう民主党の議員が、放置しておけば非不胎化だとか述べていたのを散見した気がするが、もしそれが事実だとすると大きな間違いである。為替介入は、あくまで日銀の非不胎、つまり、民間銀行から証券を買わなければ通貨供給量は増えない、流動性の供給政策=デフレ脱却への道の一つの経路にもならないのである。はたして日銀は単独でその政策を採るのだろうか、甚だしく疑問である。
白川とかいう日銀総裁が、「非不胎化をする」などいっていたが、これもただの口先だけに終わるだろう。何んといっても日銀は手段の独立性を持っているからであるし、歴史的にも03年の為替介入でも白川は、非不胎化に断じて反対だったからである。
インフレ率2%程(名目経済成長率4%程)の目標付き非不胎化≒金融緩和付き為替介入を!!
不胎化と非不胎化についてはIrregular Economist ~hicksianの経済学学習帳~
為替介入については 明暗 | 情に棹させば流される参照
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インフレ率に目標を設定するインフレ目標政策の伊藤 隆敏のコラム。イケてるね。
伊藤隆敏は、前回の参議院の日銀副総裁の就任国会同意人事案で、「ミンス党」が就任同意を拒んだ人物。そんな「ミンス党」の執行部がデフレを脱却できるなどと考えるのが、そもそもおかしいし、副総裁だった白川を総裁にした自民党が、デフレ脱却に本腰だったなどと思うのも馬鹿げている。白川日銀総体制なんて、「ミスター円高」バカじゃねえか。円安円高という通貨の「価値」は、発行される通貨量に影響されるなんていうことなど、小学生でも直感的に理解できるだろう。
余談だが、へんちくりんな「経済」学本が巷で受けてるようでもある。「デフレの正体」とかいう少子高齢化、人口の減少がデフレの正体だとかいうのだけど・・・・。人口減少がひどい韓国、一人っ子政策で人口が減りつつある中国が、OECD先進国で少子高齢化のドイツがデフレなんでしょうか?高齢者達が、消費をすることが減るのでしょうか?生活が苦しくても貯蓄を減らしてでも介護や生活必需品を購入していますが、どうなんでしょうねえ?
伊藤隆敏は、前回の参議院の日銀副総裁の就任国会同意人事案で、「ミンス党」が就任同意を拒んだ人物。そんな「ミンス党」の執行部がデフレを脱却できるなどと考えるのが、そもそもおかしいし、副総裁だった白川を総裁にした自民党が、デフレ脱却に本腰だったなどと思うのも馬鹿げている。白川日銀総体制なんて、「ミスター円高」バカじゃねえか。円安円高という通貨の「価値」は、発行される通貨量に影響されるなんていうことなど、小学生でも直感的に理解できるだろう。
余談だが、へんちくりんな「経済」学本が巷で受けてるようでもある。「デフレの正体」とかいう少子高齢化、人口の減少がデフレの正体だとかいうのだけど・・・・。人口減少がひどい韓国、一人っ子政策で人口が減りつつある中国が、OECD先進国で少子高齢化のドイツがデフレなんでしょうか?高齢者達が、消費をすることが減るのでしょうか?生活が苦しくても貯蓄を減らしてでも介護や生活必需品を購入していますが、どうなんでしょうねえ?
衆議院予算委員会 議事録自民党の山本幸三VS日銀総裁白川。
はたから見ていてゾクゾクする程の議論展開がある。予算委員会がまっとうな議論の場になっているので、読み応えがあるのなんのって・・・。山本と白川は、同じ東大経済学部の小宮隆太郎のゼミ生というのもさらに興趣をそそる。途中白川の駄本研究書の理論的誤りを山本がずばりと指摘しているところなど胸がすく思いがする。
是非に、マスコミの経済論者や、短期と長期の区別もつけずデフレが長期の現象であるなどとの賜わっているバカ経済学者などは、勉強し直した方がいいと思う。白川、「ワルラスの法則」も知らないし、その適切な適応も知らないんだな(笑)ということがよ~く分かる議論。
山本幸三に政治的実行力があったらなぁ、少なくともデフレが20年も続くようなこともなかったろうに・・・。リフレーション金融政策の最大の眼目であるインフレターゲット(筆者は、名目成長率を目標とする政府と日銀の共同宣言が一番いいと思っているが)の山本の追及がある。インフレターゲットの白熱した議論を引用しておく。最後の菅の間の抜けた答弁も笑い物であるので付け加えておくが・・・。
はたから見ていてゾクゾクする程の議論展開がある。予算委員会がまっとうな議論の場になっているので、読み応えがあるのなんのって・・・。山本と白川は、同じ東大経済学部の小宮隆太郎のゼミ生というのもさらに興趣をそそる。途中白川の駄本研究書の理論的誤りを山本がずばりと指摘しているところなど胸がすく思いがする。
是非に、マスコミの経済論者や、短期と長期の区別もつけずデフレが長期の現象であるなどとの賜わっているバカ経済学者などは、勉強し直した方がいいと思う。白川、「ワルラスの法則」も知らないし、その適切な適応も知らないんだな(笑)ということがよ~く分かる議論。
山本幸三に政治的実行力があったらなぁ、少なくともデフレが20年も続くようなこともなかったろうに・・・。リフレーション金融政策の最大の眼目であるインフレターゲット(筆者は、名目成長率を目標とする政府と日銀の共同宣言が一番いいと思っているが)の山本の追及がある。インフレターゲットの白熱した議論を引用しておく。最後の菅の間の抜けた答弁も笑い物であるので付け加えておくが・・・。
「○白川参考人 まず最初に、インフレーションターゲティングについての御質問からお答えいたします。
日本銀行の金融政策の枠組みというのは、今先生も御指摘のとおり、一つは、中長期的な物価安定の理解ということを、これを明らかにしまして、それを念頭に置いた上で、いわゆる二つの柱という形で経済、物価情勢の点検を行いまして、これを踏まえて政策を決定していくというものであります。
金融政策の枠組みとして今先生インフレーションターゲティングということをおっしゃいましたけれども、G7を構成している国でいきますと、確かに英国とカナダは、これはインフレーションターゲティングを採用しております。しかし、日本を含めほかの国はインフレーションターゲティングを採用しておりません。
ただ、私はここでインフレーションターゲティングの採用の有無について何か反論をしたいということでは必ずしもありませんで、今インフレーションターゲティングを採用している国もそれから採用していない国も、実は金融政策のやり方は非常に似通ってきているということでございます。
どういうふうに似通っているかということですけれども、第一に、物価安定に関する何らかの目標あるいは定義を、これを数値的に示しているということ、これが第一点でございます。
第二点は、金融政策の効果が発揮されるには、これはラグが一年半から二年近くかかりますので、先行きの経済、物価の見通しを公表するということでございます。
三番目は、その上で、金融政策の運営に当たっては、足元の物価だけじゃなくて、中長期的に経済、物価が安定的に望ましい状況になるかどうか、経済が安定的に推移するかどうか、そうした中長期的な観点を重視しているということでございます。
この三点において、実は、どの中央銀行の金融政策も非常に似通っているということであります。
日本銀行の金融政策の枠組みは、そういう意味で、インフレーションターゲティングを採用しているところのいいところとそれからインフレーションターゲティングを採用していないところのいいところ、すべてを包含した上で、日本のこの環境の中で一番ふさわしいという政策運営の枠組みをつくっているというふうに自負しております。
○山本(幸)委員 逆で、一番悪いところだけをとっているんですよ。
だって、G7で、イギリス、カナダは確かにインフレターゲットを持っている。では、ほかの国は持っていないと言うんだけれども、EUはもうちゃんと持っていますよ。二%で、二%に近いところを目指すと言っているんだ。アメリカは、これは物価と雇用と二つの目標を持たなきゃいけないと法律で決められているものだから、物価だけというわけにはいかないんですね。だけれども、それでも長期的には一・七から二・〇がいいよと、ちゃんと数字を出していますよ。
日本の場合ははっきりしないんだよ。理解であって目標じゃないんだ。これじゃだめなんだ。しかも、その目標がずっと〇%台というのを、つまり、ゼロインフレをやろうとしているのが日銀なんですよ。
ここが、さっき言った上方バイアスとの絡みで非常に問題になるんです。上方バイアスで、〇・五以下などというのは実態はマイナスなんだから。少なくとも〇・五以上のCPIコアでいかせないと、デフレから脱却したことにならないんですよ。
だから、大事なことは、ああでもないこうでもないと言っているのは、日銀はとにかく何でも責任をとりたくないんだよ。無責任であることについて雄弁なんだ、物すごく。それじゃだめなんです。
これは、前回の日銀法改正のとき、私は、失敗したと思う。これは自民党の失敗だ。これは認める。それは、中央銀行の独立性というのは二つあるんだ、目標の独立性と手段の独立性と二つあって、各国が独立性と言っているのは、手段の独立性を中央銀行に与えましょうと言っているんだよ。目標は政府が決めるんですよ。そうじゃないとおかしくなるんです。そうじゃないことをやっちゃったから、日銀は常に自分の無責任さを正当化する日銀流理論にガードされて逃げるわけですよ。
だから、菅大臣、最後に、あなたが本当に政治的リーダーシップを発揮しようとするのなら、きちっと日銀に、最低、できれば一だな、一から三ぐらいのインフレターゲットをちゃんと政府が目標を設定して、それを一年か一年半で達成しろと。本当は日銀法を改正してそれをするのが一番いいんだけれども。でも、やろうと思えばできるわけでしょう。これをやらない限り、あなたは政治的リーダーシップを発揮したことにならないし、名目成長率三%というのは達成できませんよ。それをやる覚悟はありますか。
○菅国務大臣 いろいろな議論、大変参考になる議論をしていただいて、ありがとうございます。
この間も日銀との間でいろいろなコミュニケーションを図っているつもりです。そういう意味で、私も、今言われたいろいろな目標を達成するための手段については、やはり日銀は日銀としての独立性というものを認めていくべきだろうと思っています。しかし、政策の方向性とか目的という点では、政府と日銀がある意味で共通の目標を持って進めることが望ましい、こう思っております。
そういう意味で、先ほど一パー、二パーという数字、あるいは上方バイアスという私にとっては大変参考になる御意見も聞きましたが、この間の経緯で聞いているのは、プラスゼロから二%の間、つまりはプラス一程度が望ましいという形で日銀がたしか何月でしたかその態度を示されている。一パーが十分かどうかは別として、私どももやはりその程度を政策的な目標にすべきだと考えておりますので、私の認識は、目標については、一パーそのものの数字が固定化されているわけじゃありませんが、大体そのあたりから、もうちょっとかなと個人的には思わないでもありませんが、そのあたりではほぼ目標としての認識は一致している、こういうふうに私は考えています。
○山本(幸)委員 非常に大事な答弁だったので、ぜひ、しかも一というのは、日銀がずっと低いことをやっていたから、今まで低かったからそれをベースにしているんだけれども、本当は足らないんだ、危ないんだ。だから、一から三ぐらいのものに行かないと間に合わないし、IMFはもう四ぐらいにしろと言っているんですね、今。だから、ここをやって、それを政府が、いつまでに達成しろ、この間については達成しろとしっかりたがをはめないと、日銀は無責任であることについての説明能力は抜群だからね、だまされないようにしてくださいよ。そのことについて菅大臣の政治的リーダーシップを期待して、質問を終わります。
○鹿野委員長 これにて山本君の質疑は終了いたしました。」
武者 陵司 (むしゃ りょうじ)氏の解説 恐怖心を封じたバーナンキ議長の闘争宣言 なるほどねという説明だわ。向こうはこっちと弾き比べれば頼もしい限りの金融政策陣営がある。
こっちの政策を眺めると頼もしさの程度の差ががよく分る。根本的なれ金融政策体制の転換とはなってはいが、日銀は追加特別融資枠を20兆円から30兆円に枠を広げたそうである。
それを受けて株価は上昇だそうである。しかし、な。長期国債の引き受け残高と日銀の通貨発行のルールの変更はなしであり、長期国債の直接引き受けもなしである。危機に応じたルールの変更がない限り、金融政策体制の転換はないと「市場」は見透かしているから、焼け石に水の策で、FRBが追加の緩和に踏みければ、ドル安円高の基調の変換は長期的にはないだろうと思う。
こっちの政策を眺めると頼もしさの程度の差ががよく分る。根本的なれ金融政策体制の転換とはなってはいが、日銀は追加特別融資枠を20兆円から30兆円に枠を広げたそうである。
それを受けて株価は上昇だそうである。しかし、な。長期国債の引き受け残高と日銀の通貨発行のルールの変更はなしであり、長期国債の直接引き受けもなしである。危機に応じたルールの変更がない限り、金融政策体制の転換はないと「市場」は見透かしているから、焼け石に水の策で、FRBが追加の緩和に踏みければ、ドル安円高の基調の変換は長期的にはないだろうと思う。
FRB:米国債25.5億ドル相当を購入-09年10月以来で初
8月17日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)は17日、25億5100万ドル(約2183億円)規模の米国債買い切りオペを実施した。国債買い切りは昨年10月以来で初。金融システムからの資金流出回避が狙い。
FRBは購入する可能性のある証券のリストに挙げた25種類のうち、14証券を購入した。ニューヨーク連銀の発表によると、対象証券の償還期日は2014年8月から16年7月。
FRBは公開市場操作用口座、システム・オープン・マーケット・アカウント(SOMA)を8月4日時点での約2兆540億ドルで維持することを目指す方針を示している。米国債購入の財源には、住宅ローン担保証券の償還金を充てる。
インタビュー:リスク要因は円高、政策対応必要なし=渡辺元財務官
(前略)
「今はスムージングオペレーションといっても、ほとんど86円程度で1円の範囲内で動いている。極めて安定的なマーケットだ。ここ数年、1日3円飛ぶようなことが不思議ではなくなっている中で、きわめて安定的だ。(今の為替動向は)極めて高値安定推移している。これが一転85円を割った瞬間雪崩を打って80円に行くとか、トリガーがあってそこを超えた瞬間に一挙に3円ぐらい飛ぶ状態になっているかどうかということを見ながらやらないといけない。今はどれにも当たらないということ」
──単独介入は協調介入ほど効果がないとみられる。
「スムージングオペレーションは単独介入でも全くかまわない。3円も動いているときは、お灸をすえる意味で、やらないと思っていた人が動けばサプライズで懲りる人は出てくる。ジワジワ上がってくるものに対していくらひしゃくで汲み上げても仕方ない。いたずらしている人に何かするのはありうる。ただ、やるときにはそれなりの覚悟がいる。そういう覚悟を認識してやってもらうということ」
──金利差の縮小が円高の背景にある。日銀の対応も必要ではないか。
「(金利差縮小は)あてつけの理由だ。これ以上日本の金利が下がるのか。一方で、長期金利をこれ以上下げて本当に良いのか。3.5%が4.0%に戻るときと0.5%が1.0%に戻るのは全く意味が違うことを日本は経験している。1%割れしている長期金利を無理やり下げる方策をとること自体は、次のステップに行くときに、リパーカッション(影響)が大きい」
──影響が大きいとは。
「保有主体が個人や事業法人なら構わないが、金融機関がもっているため。ロスが特定の部分に集積し、間接金融の一番悪いパターンになっていく恐れがある。金融の仲介機能を果たさなければならないところにロスが生じることが前回起きた」
──現在のような市場動向であれば、介入や日銀の金融緩和は必要ない。
「為替のために何かやる必要はない。経済政策を何かやるというのは必要だ。為替は単にインディケーターなので、特段為替のためにすべての政策を考えるのは本末転倒だと思う
(ロイターニュース 吉川裕子記者 梶本哲史記者)
ま、この違いには怒りを超えて呆れる。ことほどの経済情勢の認識の薄さと危機感のなさ、マクロ経済政策についての政策のなさの露呈にはほとほとあきれる。今に始まったことじゃないが、にしてもひど過ぎやしないか?通貨のレート高低は、市中通貨量の「差」とその予測の「差」が、「長期的」には大きく作用する。米国は、通貨供給権を握るFRBが、ほぼゼロ金利にもかかかわらず量的金融緩和の手段の一つである長期国債の買い切りに再度挑戦する。市中通貨供給量が大きく増えるという予想が成立する経済情勢を作り出そうとしている。それに対して、日本の政策当局者である渡辺の発言は、緩和によって市中の通貨供給さえも拒否、何もしないというのだから『円高』容認ととらえられることを許可しているに等しい発言である。日銀のバランスシートは、リーマンショック後ほとんど悪化しておらず、FRB、BOE、は債権の買い取りで「異常」に膨らみ平常時の3倍から1.5倍だといわれている。
これでは、市中通貨供給量がどちらが大きいかの予測は、日本の方がはるかに小さくなり、長期的に円高へと傾くことは明らかだろう。日本は変動相場制を採用し、資本移動を認める国である。よって、国際経済の基本である、国際経済のトリレンマである金融政策の自由を持っているのである。名目のゼロ金利ではあっても、実質の金利の低下は通貨供給によって可能である。
自然失業率が日本の場合3%になるほどもまで通貨の供給を国債の買い切り、地方債、中小企業の債権、手形の買い取りを実施すれば、通貨供給量は増え、さらにインフレの目標を2%程にして、それが達成されるまで粘り強く、丹念に実体経済の回復を通貨で表現されるマネーサプライが増えているか、その傾向が続いているかを調べるべきである。
マネーサプライが増えるということは、当然にインフレ率が上昇することを表す。それが上昇するまで果敢に政策実行を続けるべきなのである。これを粘り強くして来なかった。その結果が「20年」間の物価下落の長期停滞である。物価下落期に景気の回復もあれば、不況もある。但し、その景気回復は高揚感乏しく、また、不況はその底が深くなる。 デフレ脱却の政治家たちの動向。
一冊目、構造改革派ではあるが、中央の金融によって実質金利を下げて、円高是正、デフレの脱却、経済成長による増税の極力回避の姿勢は、高橋の年来からのマクロ経済の主張が盛り込まれている。そのための日銀への批判が激しく、いや呆れかえっていることが明瞭に読み取れる。(当り前のことで、日経新聞や他の経済紙、大新聞でリフレレーションの政策を支持する大メディアの基調があまりにもなさすぎる。主流派≒反リフレーションマクロ経済学者、エコノミストが幅をきかせ過ぎているから呆れるのだろう。それに中央官僚たちのマクロ経済無視の省益にこだわった財務省の記者クラブを通じた垂れ流しによる情報操作もある。)
リーマンショック後の中央銀行の対応を中央銀行のバランスシートの拡大≒資産購入が増えていることから、金融機関への通貨供給量の拡大が金融危機から恐慌への道を防いだということが示されていて、説得的である。
高橋の著作で目新しいのは、デフレの歴史を1800年代から各国での状況を記していることである。これはこれで、なかなかに面白かった。素人でもわかるように分かりやすく書いてあるが、構造改革や個別企業の生産性の向上だけで「デフレ」脱却ができると思い込んでいるマクロ経済観を修正するにはちょうどいい経済本である。
経済成長政策もマクロ経済学では常識であるが、政府が作る産業政策は、様々な規制や予算配分など長期的には弊害を与えるのでそのような産業政策は採るべきではないとしている。この点ひどく同意する。
政府は成長と再分配政策はするべきだ、というのが高橋とは違うが筆者の意見である。
二冊目、基本的に買ってまで読む本(この判断基準は、構造改革の遅れ、あるいは少子高齢化、人口減少がデフレを持ち込むとするマクロ経済理論は間違い。山田は、この前者である)ではないので、立ち読みで済ませた。山田の問題意識がずれているのだが、グラフがよかった。バブル崩壊が後の90年代の中ごろをピークに平均賃金の下落と消費者物価の下落がほぼ完璧に対応しているグラフがあった。これが筆者の目を引いた。所得が向上せず下落し続けているのだから、消費者物価の下落し続けるのは当然であるが、この単純なありようを一目で理解出来て分かるように示しているので、この本を取り上げたわけである。 山田の立論は、大づかみに言って二つである。一つは、賃金の低下は、デフレが原因ではなく、賃金の減少が原因だということである。これは一面では正しいが、デフレが原因で、企業側の販売不振となり、それがもとで平均賃が減少していること、つまり名目成長率がOECD各国の成長率に比較しても極端に低く、1%しかないことを見落としたことが主因だろう。 そしてさらに山田はここ20年間の超低金利が原因で、ブラック企業=働いても働いても給料が上がらない企業、やゾンビ企業にまで融資可能のにする超低金利の金融政策を批判している。これも一面では正しいが、その超低金利とは名目のそれであって、実質の金利ではない。企業が資金融資を期とするのは、つなぎ資金ばかりではない、積極的な資金として、これこれの設備を作りこれだけの収益が見込めるという経済の情勢、個別産業の動向、経営者の資質などマクロとミクロの情勢をみた「予測」の下に融資を受けるのである。経済情勢がひどい時には、販売の不振に陥る可能性が大きく、実質金利=名目の金利-インフレ予想率であるからデフレ下では実質の金利は上昇している。そのような中、融資のリスクが伴うのであり、また、融資の実行主体に不利益が生まれると判断されれば融資額は減少数するのである。デフレ下ではあっても景気の拡張があった06年までは、銀行の融資額=資金の供給=資金の需要額は増えていたのである。それは超低金利であったから起きた現象で、その間高止まりの傾向ではあったが失業率は低下傾向にあった。それゆえ名目の経済成長率は、1,2%を達成していたのである。 余談だが、1.2%の成長率でも、税収は22兆円も増えたのであるから財政再建優先派は成長率の向上が、つまりはデフレの完全な脱却が先ず最優先されることだと肝に銘じてもらいたい。
平均賃金≒国民所得≒名目GDPの向上は、いかにしてなされるか?たいがいの人たちは、財・ザービスの供給の向上によってなされるということから、生産性の向上を図るべきとするとする構造改革の徹底を言い募るだろう。しかし、国民所得は総需要=総供給で決定されるから、総需要が減少していれば、総供給も減少していることになり、在庫の積み増し、人手の余剰を招き、物価の下落を招くことになるのは必定である。総供給の向上は、個々の企業や企業家の方針によって勤労者がそちらの方向に「市場」競争によって動いている、生産性の向上は技術の革新により生産性は徐々に向上し、市場の失敗を招かない限り、総供給の能力は長期的には向上するものである。反対に総需要は、企業利益、家計の所得、利益予想、所得予想に大きく依存するから、大きなリーマンショックや石油ショックなどの外部要因がなければ、大国であれば徐々に名目GDP≒平均賃金、またその獲得できる将来予想とその履き違えに依存することになる。
物価の下落=デフレーションは、所得の向上、所得の向上観、予測がなければ引き続き起きるのである。山田が言うような労働生産性の下落は、インフレをもたらし、デフレが起きるとは説明はつかない論理矛盾なのである。
三冊目、アイケングリーンや、バーナンキは1930年代の大恐慌の研究で知られる国際マクロ経済学者だが、アイケングリーンがどのように見ているのかを知りたくて買ってみたが、なかなか難しい。
グローバルインバランスとは、国際収支のインバランス、またはバランスが歪だということである。アイケングリーン グローバル・インバランス 国際収支の赤字≒貿易収支≒資本収支 貿易収支の赤字≒資本収支の黒字、貿易黒字≒資本収支の赤字
二つの国で考えれば、一方が貿易黒字であれば、一方は貿易赤字。一方の総需要が総供給を上回っているから、輸入が増え貿易赤字となる。貿易黒字は、その逆で総需要が総供給を下回っているから、余剰の貿易財を需要のある他国に供給する。貿易黒字は、輸出相手の国から黒字額だけ所得が増えることになる。この増えた余剰の資金は、税の徴収分を無視すると家計と企業に分けられ貯蓄、投資、消費に仕分けされる。もともと貿易黒字国は総需要が供給量より不足しているのだから、消費や投資という総需要に資金が回されるわけではない。貯蓄へと回されることになる。貯蓄を預かるのは銀行や保険会社、証券会社などの機関投資家である。機関投資家は、様々な保険商品、投資信託商品などを販売しているが、国内での総貯蓄の貿易額に等しい金額を年間ベースで一方の国へ貸し付けることになる。これが会計式としての貿易黒字≒資本収支の赤字である。
そこで貿易赤字国は、資本≒資金を貿易赤字の分だけ大量に受け入れる金融国だともいえることになる。それが現状では米国である。また、アジア諸国は貿易黒字の国がアジア通貨危機の1997年以降ほとんどであるから対外債権を米国に対して持っていることになる。この一国への多量の輸入と輸出、一国への多量の貸付=資本収支の赤字と黒字に偏っていることをグローバル・インバランスとアイケングリーンは呼んでいる。それはFRBのバーナンキもそれに沿って発言しているらしい。資本を呼び込み、膨張肥大した流入した資本は国の金利の低下を招き、レバレッジを大きくした金融商品への投資だけでなく、ローンの証券化により住宅投資へと金融機関を駆り立て証券バブルや住宅バブルを招いたとするのがアイケングリーンの立論である。資本の流入が一国に偏り過ぎていることをグローバル・インバランスの問題点で、これを解消するには、竹森も述べていることであるが資本流入の規制か中央銀行の金利の操作によってマクロとしてするのかどちらかである。中央銀行の金利操作の自由はよりマクロの経済、経済全般への影響が大きいので、資本流入の規制策がとられる必要があることになる。
さてここで金融の話題に首を突っ込むことになる。金利の上下は中央銀行のする技である。金利の操作によって実質金利を下げ民間銀行の貸し出し姿勢に影響を与え設備投資を呼び込み総需要を上げて、インフレの調整をして、雇用を維持するのが金融という信用経済を通じて住民、勤労者などの生活活動がある実体経済を誘導することが中央銀の大きな存在意義である。但し、デフレ下での不況では、設備投資の資金需要がマクロ的には大きく減衰する。実質金利がインフレ時より高いからである。であるから、企業の内部留保は高くなる。
金利の操作は、預金準備率の上下、公定歩合などの名目金利を上下させる「率」の変更だけで行われるのではない。銀行間の貸し借りであるコールレートは、通貨の供給量によって誘導される短期の政策金利である。つまり通貨供給量で政策的に貸し借りの金利を現代の金融政策は調整しているのである。
潔癖なメルケル首相が欧州リセッションの元凶か-ドイツは外需で安泰
7月26日(ブルームバーグ):6月も終わりに近いある日の午後、ドイツのメルケル首相(56)は財政赤字削減の必要性について厳しいメッセージを送るため、首相府の主会議場に立っていた。「持続可能な成長の道へとかじを切らなければ、次の危機が襲ったときに対応する資金はない」と演説した首相の手は、鷲をかたどったドイツの国章の上に置かれていた。
ドイツの財政赤字は国内総生産(GDP)の4.5%と大半のユーロ圏諸国に比べ低いが、首相は満足しない。繁栄への道は緊縮財政に始まるとし、ドイツが他国に道を示すべきだと説いた。
政府は7月7日、2011-14年にかけて総額で816億ユーロ(約9兆2100億円)の歳出削減・増税策を承認した。メルケル首相は財政赤字を、13年までにGDPの3%に縮小すると表明した。
欧州の他の諸国は、東ドイツ育ちの元科学者であるメルケル首相の例に倣い始めた。フランスとイタリアの首脳も赤字を3年内に欧州連合(EU)の協定が求める3%以下とするために大規模な歳出削減を約束。スペインも11年末までに6%まで減らす目標を示した。
ハーバード大学の歴史学教授、ニアル・ファーガソン氏は、メルケル首相がユーロ圏の他の首脳らを大きな過ちへと導いている可能性を指摘する。「緊縮財政の手本として先頭に立つことによってメルケル首相は、欧州を長期にわたるリセッション(景気後退)に陥れるかもしれない」という。「もし、すべての国がドイツと同様に行動し皆が同時に財政均衡を図れば、結果として世界の需要は崩壊するだろう」と指摘した。
ソロス氏
資産家の投資家ジョージ・ソロス氏も同様に、財政をめぐるメルケル首相の潔癖さを批判する。「ドイツが強い通貨と財政均衡を望むことは責められないが、ニーズや優先順位の異なる他の国に自国と同じ道を押し付けるのは問題だ」とソロス氏は6月23日に行われたベルリンのフンボルト大学での講演で述べた。
メルケル首相は5月に、ユーロ圏救済にドイツが参加する条件として域内の他の諸国も財政問題に積極的に取り組むことを求めた。首相は結局、7500億ユーロの救済パッケージのうち1480億ユーロをドイツが負担することに同意した。
メルケル首相の決断は国内では不評だ。フランクフルトで年金生活を送る元中銀職員のモニカ・ミューズ氏(65)は、首相は「ドイツの国益を守ってくれなかった」と不満を漏らす。「ギリシャを破産させた方がよかったのに」と述べた。
国民の不満の傍らで、ドイツ経済は堅調だ。政府予想では今年は1.4%のプラス成長と、09年のマイナス5%から回復する見込み。ドイツ経済の回復の鍵は輸出だ。今年1-5月で14%のユーロの対ドル下落を追い風に、ドイツの輸出は同期間に前年同期比で11%伸びた。
満足
7月23日時点でユーロは1ユーロ=1.29ドルと年初から10%の下落だった。カンペーター副財務相は、「輸出を基盤としたドイツの成長モデルは力強さを見せている」と満足げに語った。
しかし、内需より外需に頼る経済モデルは、他国からは迷惑と見なされる。ロンドンの経済アドバイス会社、ロンバード・ストリート・リサーチのチャールズ・デュマス会長は、「ドイツは輸出に頼らない成長の道を学ばなければならない」と述べた。ドイツの1-3月(第1四半期)の個人消費は前期比0.8%減だった。
UBSのシニア経済アドバイザー、ジョージ・マグナス氏は、「ドイツが貯蓄大国なのはほかの国が借金大国だからだ」として、「皆がドイツになろうとしたら、ユーロ圏は崩壊してしまう」と話している。
何んとも政治家側の大きな変化だな。但し、民主党側の執行部がこれを受け入れ入れるかどうか、日銀側がこの一般受けもしないインフレターゲット論をのむかどうかは、全く別だろう。インフレターゲット政策は、ハイパーインフレーションをとめる政策枠組みであるということを強調すべき、さらに所得の向上と雇用の確保の基礎ができるとっも強調すべきである。 政府と日銀の共同責任宣言まで踏み込まなければせっかくの提言も生きたものにはならない。民主党の有志の国会議員は、デフレから脱却するため、政府が金融政策の数値目標を定め、日銀はその目標の達成に向けて、市場への資金供給の拡充など適切な政策を実行すべきだとする提言をまとめました。 民主党で、衆議院予算委員会の筆頭理事を務める松原仁衆議院議員ら有志の国会議員は、「厳しい財政状況のもとで、デフレから脱却するには、迅速に金融緩和策を講じることが重要だ」として、具体案を検討し、提言をまとめました。それによりますと、金融政策の目標を明確に打ち出す必要があるとして、政府が価格の変動が大きい生鮮食料品やエネルギーを除いた「消費者物価指数」の数値目標を定めるべきだとしています。そして、日銀は、その目標の達成に向けて、市場への資金供給を拡充するなど、適切な政策を実行すべきだとしており、松原氏らは、こうした提言を参議院選挙の政権公約に盛り込むよう、近く執行部に求めることにしています。NHK
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