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潔癖なメルケル首相が欧州リセッションの元凶か-ドイツは外需で安泰
7月26日(ブルームバーグ):6月も終わりに近いある日の午後、ドイツのメルケル首相(56)は財政赤字削減の必要性について厳しいメッセージを送るため、首相府の主会議場に立っていた。「持続可能な成長の道へとかじを切らなければ、次の危機が襲ったときに対応する資金はない」と演説した首相の手は、鷲をかたどったドイツの国章の上に置かれていた。
ドイツの財政赤字は国内総生産(GDP)の4.5%と大半のユーロ圏諸国に比べ低いが、首相は満足しない。繁栄への道は緊縮財政に始まるとし、ドイツが他国に道を示すべきだと説いた。
政府は7月7日、2011-14年にかけて総額で816億ユーロ(約9兆2100億円)の歳出削減・増税策を承認した。メルケル首相は財政赤字を、13年までにGDPの3%に縮小すると表明した。
欧州の他の諸国は、東ドイツ育ちの元科学者であるメルケル首相の例に倣い始めた。フランスとイタリアの首脳も赤字を3年内に欧州連合(EU)の協定が求める3%以下とするために大規模な歳出削減を約束。スペインも11年末までに6%まで減らす目標を示した。
ハーバード大学の歴史学教授、ニアル・ファーガソン氏は、メルケル首相がユーロ圏の他の首脳らを大きな過ちへと導いている可能性を指摘する。「緊縮財政の手本として先頭に立つことによってメルケル首相は、欧州を長期にわたるリセッション(景気後退)に陥れるかもしれない」という。「もし、すべての国がドイツと同様に行動し皆が同時に財政均衡を図れば、結果として世界の需要は崩壊するだろう」と指摘した。
ソロス氏
資産家の投資家ジョージ・ソロス氏も同様に、財政をめぐるメルケル首相の潔癖さを批判する。「ドイツが強い通貨と財政均衡を望むことは責められないが、ニーズや優先順位の異なる他の国に自国と同じ道を押し付けるのは問題だ」とソロス氏は6月23日に行われたベルリンのフンボルト大学での講演で述べた。
メルケル首相は5月に、ユーロ圏救済にドイツが参加する条件として域内の他の諸国も財政問題に積極的に取り組むことを求めた。首相は結局、7500億ユーロの救済パッケージのうち1480億ユーロをドイツが負担することに同意した。
メルケル首相の決断は国内では不評だ。フランクフルトで年金生活を送る元中銀職員のモニカ・ミューズ氏(65)は、首相は「ドイツの国益を守ってくれなかった」と不満を漏らす。「ギリシャを破産させた方がよかったのに」と述べた。
国民の不満の傍らで、ドイツ経済は堅調だ。政府予想では今年は1.4%のプラス成長と、09年のマイナス5%から回復する見込み。ドイツ経済の回復の鍵は輸出だ。今年1-5月で14%のユーロの対ドル下落を追い風に、ドイツの輸出は同期間に前年同期比で11%伸びた。
満足
7月23日時点でユーロは1ユーロ=1.29ドルと年初から10%の下落だった。カンペーター副財務相は、「輸出を基盤としたドイツの成長モデルは力強さを見せている」と満足げに語った。
しかし、内需より外需に頼る経済モデルは、他国からは迷惑と見なされる。ロンドンの経済アドバイス会社、ロンバード・ストリート・リサーチのチャールズ・デュマス会長は、「ドイツは輸出に頼らない成長の道を学ばなければならない」と述べた。ドイツの1-3月(第1四半期)の個人消費は前期比0.8%減だった。
UBSのシニア経済アドバイザー、ジョージ・マグナス氏は、「ドイツが貯蓄大国なのはほかの国が借金大国だからだ」として、「皆がドイツになろうとしたら、ユーロ圏は崩壊してしまう」と話している。
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