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主に政治と経済について、思いついたことを語ります。リンクフリー、コピーもフリー
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高木 徹 / 講談社
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 著者の高木徹は圧倒的な取材力と主人公のジム・ハーフの証言によって読むものを現場につれ行くことの出来る筆力の持ち主である。  ボスニア・ヘルツェゴビナ共和国のハリス・シライビッチ外務大臣、米国PR会社、ルーダーフィン社のジム・ハーフとセルビア共和国のミロシェビッチとミラン・パリッチ首相の米国メディアをめぐってのイメージ戦略による闘争のルポルタージュ。  

 ヘルツェゴビナとセルビアは当時対立し戦争下にあった。ヘルツェゴビナは、形勢が圧倒的に不利だった。国際世論をヘルツェゴビナ側に傾ける必要があった。シライジッチがイゼトベコビチィ大統領によって外相に選ばれ、米国に向かう。様々な経緯から米国PR会社、ルーダー・フィン社のジム・ハーフに情報操作を委託する。

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江畑 謙介 / ビジネス社
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 ラムズフェルド国務長官が、辞任したが、イラク戦争は、戦争には勝ったが、それ以後のイラク統治には端無くも失敗したのである。米国共和党内部からも、ラムズフェルドの辞任要求はあったが、その要求内容は、軍の派遣を最小限にとどめた手法にあったとされる。ラムズフェルドの手腕は軍の構造改革に発揮されたが、人的統治の面には及ばなかったのだろう。その意味で、米軍の内部の統制にも、失敗したといえるかもしれない。
 本著では米軍再編の全貌が、描かれる。インド洋のディエゴ・ガルシアアンドというインド洋にあるかどうかさえまったく知らない島にある軍事基地の詳細までが記してあって、ここまで調べ上げる労力に頭が下がる。

 インド洋のディエゴ・ガルシア、グアム島のアンダーセン空軍基地、グルジア、バルカン、トルコ、タイ、シンガポール、サイパン、シンガポール、オーストラリアなどなど、米軍の再編を、文字通りグローバル、世界の軍事再編として捉えた大著。

 そうではあるが、かなり読み易く、平易に書かれていること兵器の写真、米軍の戦略拠点(PPH)が地図によって明示されているので、再編状態が手に取るようにわかる。日本と米軍の関係だけを見ているとまったくその本質を見失うことになる。米軍再編はラムズフェルド国防長官による、軍隊の「プレゼンス」を前提とした旧陸軍の思考解体であり、国際的、グローバルな軍事は配置のリストラクチャリング(構造改革)であるということが分った。

 脅威のベースから、攻撃能力への思考の転換でもあるが、軍事経費の有効効率的なかけ方を軍備として実践しているところなのである。韓国、英国、独逸とその再編プログラムは、終結しようとしているが、ただ日本だけは、政府の政治的意思が、不明瞭なため米国の不興さえかっている。これは、おそらく米軍再編の本質を政府側が見えていないことに起因するのだろう、と思う。また、その本質は、日米安全保障条約の「片務性」に大きく規定されたまま、これまで防衛について日本の主権国家としてのあり方が、論議されたこなかったのも大きな制約原因だったのではなかろうか。日米安全保障条約の片務性を双務契約に変更するとこによって、防衛についての日本の米国からの開放が生まれるのだろが、これについて、歴代の首相の決断や説明責任が本質的に果たされず、現象的な説明で、日本国憲法の問題に摩り替えられたまま、今日に至っている気がする。

 ともあれ、江畑はこのことについては論じてはいないが、片務性から双務性の議論は、戦後一貫してタブーであり、これからもタブーであるのだろう。 さて、江畑謙介の労作は、米軍再編のグローバルの本質を詳細に論じながら、大きな前提を分らせてくれる。以下、引用。


半藤 一利 / 文藝春秋
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 戦争を観察するには、次のようなところを診ておく必要がある。 
1情報とその分析力
2軍事技術
3食料などの補給路
4兵員数とその戦闘力
5国際政治環境と政治力
6財政力
7核抑止力(現代として)

 ノモンハン事件1939 7月参謀中央本部VS関東軍参謀 辻政信と服部卓四郎
 五相会議(陸相、海相、外相、総理、蔵相)明治憲法では、総理大臣は、国務大臣の任命権も罷免権もない。また、閣議は、全会一致とされるが、総理大臣の権限は、強くは無かった。

薬師院 仁志 / 光文社
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 フランスの社会のしくみと日本の社会のしくみが対比されていて、戦後左翼の自由主義への標榜が、まったく間違った方向に進んでいってしまった事が良く分る。自由平等は民主主義の目指す基本だが、それは対立する観念であり、左翼は平等と国家主義であることを論理的には目指すものだと力説されている。フランスの現状のみならず、政治の基本用語の実情がフランスを例にして具体的に分りやすく述べられて今までの理解の仕方が、日本的でずれていることが大胆に示される。

 特に愛国あるいは反愛国について、それと連動して中央集権的であること、軍隊を社会的枠組みで持つこと、また経済的自由の制限は「左派」の考え方であり、地方分権や、NPO、などの民間団体の設定は、自由主義の「右派」の思考であり、社民の志向とはほど遠い思考の枠組みにあること、また、公共交通機関のストに、他業種の勤労者が同意する理由が示されるなど、日本的な「政治的」「社会的」枠組みにとらわれているものたちに対して違和感がある人には参考の一冊となる可能性は高い、と思う。以下引用。
 


半藤 一利 / 文藝春秋
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 日本政府は、愚かにもソビエト、スターリンの仲介により、戦争の終結を図ろうとする。当時、妄想の国、日本ではソビエトは救世主であったのである。満洲での仮想敵国は、ソ連であった。そのために関東軍を作ったのである。その仮想敵国が、救世主となったのである。その救世主が45年、8/9に日ソ中立条約を破棄し、日本に宣戦布告する。この出来事に一部の人たちを除き、新聞マスコミなど、多くの日本人は失望と落胆を抱いたのである。その動揺の姿が、今から思えば異様でさえもある。特に政府、日本軍部はソビエト軍部の実像とかけ離れた、ありもしない願望であるソビエトが仲介してくれるという妄想に酔っていたのである。以下引用。 
 六人の最高戦争指導会議は「連合国との一般的な講和を締結する上で、ソ連に仲介を頼む」という国策方針を決定。鈴木貫太郎総理は、ソビエトの仲介を期待するあまりスターリンを西郷南州に似ているとまで絶賛していた有様であった。ソビエトの仲介への有り余る期待とそんな期待が裏切られた動揺と落胆の姿を引用しよう。

外尾 悦郎 / 光文社
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 ガウディが、奇妙な奇想の建築家であると思われているイメージを一掃する一冊。著者は外尾悦郎という石の彫刻家であり職人である。サグラダファミリアはいまだ職人たちによって作られ続けているが、その職人のうちの一人が本著の作者外尾である。  

 石という沈黙の素材から、素材そのものに宿る「意志」を聞き取ることのできる職人である。彼の見るガウディは、職人且つ自然の観察家であるガウディであり、奇矯を呈する建築家のガウディ像ではまったく無く、機能と象徴が対立物ではなく、機能は象徴であり、また装飾が補強の機能を果たしている建築物となっているのがガウディーの天才にあるとしている。  
 
 カテナリーは重力によってできる紡錘形であるが、それを逆さまにした建築の研究に基づいて、サグラダ・ファミリアの内部や柱の構成が出来ていると記されているのを観て、ガウディの着想に驚かされた。  サグラダ・ファミリアが、教会であると同時に、装飾であると同時に補強された建築物であり、また内部構造が計算されつくした自然の力学に沿った建築物であることを著者は丹念に説明する。また、サグラダファミリア本体が、音楽を奏でる楽器でもあるという。これには、驚きというか、着想が凄いどころか、やはりガウディーは天才なのだなと思わされる。  バルセロナに関わりのあるの三人の天才 、ピカソ、ミロ、ダリのガウディに対する姿勢の違いと逸話も面白かった。  
 読み進むほどに現代の経済社会に侵されて行く自分が見えて来る、というのは石の沈黙とガウディの無言の伝言と語り合う著者の意志がこちらに静かに響いてくるからだ。著者の石とガウディの沈黙の伝言を聞きつける、そのような生活に羨望を持って迎えてしまった。

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