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外尾 悦郎 / 光文社
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 ガウディが、奇妙な奇想の建築家であると思われているイメージを一掃する一冊。著者は外尾悦郎という石の彫刻家であり職人である。サグラダファミリアはいまだ職人たちによって作られ続けているが、その職人のうちの一人が本著の作者外尾である。  

 石という沈黙の素材から、素材そのものに宿る「意志」を聞き取ることのできる職人である。彼の見るガウディは、職人且つ自然の観察家であるガウディであり、奇矯を呈する建築家のガウディ像ではまったく無く、機能と象徴が対立物ではなく、機能は象徴であり、また装飾が補強の機能を果たしている建築物となっているのがガウディーの天才にあるとしている。  
 
 カテナリーは重力によってできる紡錘形であるが、それを逆さまにした建築の研究に基づいて、サグラダ・ファミリアの内部や柱の構成が出来ていると記されているのを観て、ガウディの着想に驚かされた。  サグラダ・ファミリアが、教会であると同時に、装飾であると同時に補強された建築物であり、また内部構造が計算されつくした自然の力学に沿った建築物であることを著者は丹念に説明する。また、サグラダファミリア本体が、音楽を奏でる楽器でもあるという。これには、驚きというか、着想が凄いどころか、やはりガウディーは天才なのだなと思わされる。  バルセロナに関わりのあるの三人の天才 、ピカソ、ミロ、ダリのガウディに対する姿勢の違いと逸話も面白かった。  
 読み進むほどに現代の経済社会に侵されて行く自分が見えて来る、というのは石の沈黙とガウディの無言の伝言と語り合う著者の意志がこちらに静かに響いてくるからだ。著者の石とガウディの沈黙の伝言を聞きつける、そのような生活に羨望を持って迎えてしまった。

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