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長期国債の大量発行は、長期金利の上昇を「財政出動」を伴って、有効需要の民間経済の奪い合いが起きて金利が上昇する懸念がある。
 国債の大量の発行によって、国債の買いが少ない場合、流通利回りとしての長期金利は上昇する。国債需要が供給に追いつかなければ、国債の価格が下落し、国債の額面金利を国債の流通価格で割った利回り率は上昇する。よって、長期国債の大量発行が見込まれれば、長期金利の上昇を抑える意味でも、国債の大量買付けが臨まれる。 
 
 インフレ(ハイパーインフレ、スタグフレーションは除く)時には、金融政策として、法定準備率の引き上げ、政策金利から公定歩合の復活、長期国債と短期の国債などのスワップ(交換)など伝統的な政策が打てる余地がある。伝統的な政策が打てないのは、インフレ=景気過熱の状態が、90年代後半から日本経済にはないという「長期」の経済状態が存在するからである。ここに長期とは、構造的な長期停滞というより、景気循環の促進に政策ミス、政策失態が続けられたことが、原因として大きい。
 
 米国のFRBの長期国債の大量の買取策は、大量に発行されるだろう国債の予想金利を下げる働きをする。それを予め読み込んだ上での予想実質金利の低下をマイルドなインフレ率を想定しながら実施したものである。つまり、FRBは、マクロの経済の安定を主眼に、量的金融緩和へ踏み込んだ。長期金利上昇を防ぐ意味での長期金利の買取でもある。長期金利が上昇して、経済環境が良くなるなど言うマクロ経済学など社会通念では聞いたことはあるが、学として聞いたことがない。FRBはバランスシート毀損の危機より、マクロ経済の安定を政策優先している。またバランスシートの毀損に対して政府保証などの政府間との協定も結んでいる。
 
 株価の時価評価の変更、金融危機時での自己資本比率の規制の可変性の導入など不況期と好況期での可変性がある「規制」が必要とされ、バーナンキはすでにその発言をしてる。遅かれ早かれその対策が打ち出されるだろう。

 こういった対応策の稚拙さが米国と日本の中央銀行の差であり、また、EUの中銀行政策の実効性不備の社会での金融政策のあり方よりも、劣る日本の金融政策である。この稚拙な金融政策は、バブル崩壊が始まった時期から、今まで続いている。米国の景気が好調のとき、日本の景気がそれほどでもなかった主因は、金融政策の稚拙さにある。

国債買い増し求める声じわり 日銀、内規たてに防戦

政府の借金である国債を、日本銀行はどこまで買い入れるべきなのか。国債増発が確実になる中で、政界の一部には日銀に買い増しを求める声が出始めた。日銀は、購入に上限を設ける「銀行券ルール」をたてに「いま以上は無理」と主張するが、財政規律の「最終防衛ライン」としては、やや心もとない。

 与謝野財務相は10日、09年度補正予算案に10兆円以上の国債の追加発行を盛り込む意向を表明した。大量の国債増発は、長期金利の上昇を招きかねない。

 一方、日銀は3月の金融政策決定会合で、国債買い入れ額を月4千億円分増やし、過去最高の1兆8千億円とした。市場の安定に「先手」を打ってくれた日銀は、政府にとってありがたい援軍だ。

 与謝野氏は「日銀にお願いすることは一つもない。全面的に信頼している」と蜜月ぶりを強調。現時点では、これ以上の買い入れを求めたわけではない。

 しかし、国会ではもう一段の買い増しを求める声が出ている。9日の参院財政金融委員会で民主党の大久保勉議員は「今は非常時だ。銀行券ルールの撤廃に踏み込むべきだ」と主張した。

 「銀行券ルール」とは、日銀の長期国債の保有残高を、世の中に出回っているお札(銀行券)の発行残高の枠内に収めるという日銀内の取り決めだ。直近時点では銀行券発行残高77兆円に対し、国債保有残高は43兆円で、余裕があるように見える。だが、これから国債を毎月1兆8千億円買い入れると、満期がきた国債の償還を計算に入れても、あと4~5年で「ルール」の上限に達するという。

 日銀は、長期国債の保有残高が大幅に増えることには、問題があると説明する。

 一つは、長期国債ばかり大量にもっていると、将来金融引き締めに転じたときに、市場で国債を大量に売却せざるを得ず、長期金利が跳ね上がるおそれがある――という点だ。金融調節を円滑にするためには、国債ばかりため込んで身動きがとりにくくなるのは避けたいという。

 もう一つは、野放図に国債を買い増せば政府の財政規律がゆがみ、急激なインフレを起こしかねないとの懸念だ。日銀は、もとは内部の暗黙の取り決めだった「銀行券ルール」を、量的緩和政策の導入を決めた01年3月の決定会合で、初めて明文化。資金の大量供給に合わせて「国債の買い増しを求める声が強くなるリスクがある」と見て、「防波堤」の役割を担わせようとした。

 最近になって、日銀はそのトーンを高めている。白川総裁は政府との協調姿勢をアピールする一方で、「(国債買い増しが)財政負担の軽減が目的と見られると、マーケットに悪影響を与える」とたびたび強調。山口広秀副総裁も先月の講演で「銀行券ルールを逸脱しないことが、財政ファイナンスと認識されない金融調節だ」と述べた。

 ただ、銀行券ルールには法的根拠はなく、日銀自身も「専門家以外には分かりにくいルール」(幹部)と認める。市場でも「ルールを超えて国債を買い入れても、直ちにインフレになるとは思えない。次の経済対策の時に、日銀券ルールは撤廃されるだろう」(野村証券の松沢中チーフストラテジスト)といった見方が出ている。

 危機が深まるなかで、米英の中央銀行も国債の大量購入に踏み出している。日本の財政法は、日銀が国債を政府から直接引き受けることを原則禁止しているが、一方で国会の議決があれば引き受けも可能、とのただし書きがついている。国債買い入れをめぐって政府と日銀はどこで一線を引くべきか、守るべきルールは何か、改めて確認すべき時期にきている。(堀口元、織田一)

    ◇

 日本銀行が国債買い入れ額の大幅増額を決めた3月の金融政策決定会合で、財務省や内閣府の出席者からも買い入れ増額を支持する意見が出ていたことが、10日公表された議事要旨で明らかになった。

 3月17、18の両日開かれた会合では、毎月の国債買い入れ額を4千億円増額し、月1兆8千億円とすることを全員一致で決めた。議事要旨によると、財務省からの出席者は、政策委員の国債買い入れ増額の議論を受けて「日銀は長期国債買い入れの増額など、積極的な資金供給を行い、資金面から経済を下支えして頂きたい」と求めた。政府の出席者は議決権は持たないが、会合で意見を述べることができる。

 政策委員の議論では、多くの委員が円滑な資金供給のために長期国債の買い入れ増額をすべきだと主張。複数の委員は「市場安定に向けた日銀の強い意志を示すため、できる限り大幅な増額が適当だ」とも述べた。 asahi


国債発行増で、長期金利は上がるのか
   田巻一彦

 財政支出が15兆円規模の追加経済対策が固まった。20兆円程度とみられる需給ギャップのかなりの部分を埋め合わせる規模だ。

その財源は、いわゆる埋蔵金や予備費を除き、10兆円を超える規模の赤字国債、建設国債の発行で賄われる見通しだ。

マーケットの一部には、この先の長期金利上昇を懸念する声が浮上している。「新規国債発行額が7─8兆円程度との見方が多かっただけに、10兆円に乗せる規模の国債発行計画は、長期金利を押し上げる要因になる」(大手銀関係者)との声が代表的だ。

一方で、景気の先行きが不透明な中で「長期金利が2%を目指して上昇することは考えにくい」(別の大手銀関係者)という見通しも出ている。

だが、冒頭の大手銀関係者は「公的年金や郵貯・簡保などこれまで国債を積極的に購入してきたセクターが、それぞれの資金ポジションの関係から、大きな買い手の座から降りることが確実視されている。大幅な国債発行増がなくても、長期金利は上がりやすい需給環境になっている」と指摘する。

また、外資系証券の関係者の1人は「日本の経常黒字額が、減少傾向を明確にしている。この傾向が継続するなら、国内勢の投資余力が中長期的には低下することになるので、これまで以上に海外勢の動向が、長期金利を左右する市場環境になるだろう」との見通しを示している。

長期金利が明確に上がり始めたら、日銀に国債買い切り増を求める圧力が政府・与党サイドから強まると、多くの市場関係者は予想している。

果たして日本の長期金利は、2%を目指して上がり始めることになるのだろうか。

(写真/ロイター)
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