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飯田 泰之 / 筑摩書房(2006/11)
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だめな議論を、分析的に見抜くためのだめ議論のまとめと具体的紹介本。

アウトラインを簡単に示すと・・・。

ダメな議論が形成される過程
 
 ラポール(何となく気が合う)
→ストックスピール
 (誰でも当てはまる問いかけ)
→セレクティブメモリ
 (印象深い出来事は記憶に残る)
→COLD READING
 (性格や悩みを言い当てられたと思わせ
  他者を説得し誘導する技術)

こうした感情的な賛同に対し、水を差すことができるようにするための基本チェックポイント

①定義の誤解・失敗はないか
②無内容または反証不可能な言説
③単純なデータ観察で否定されないか
④比喩と例話に支えられた主張
⑤難解な理論の不安定な結論

である。 
 
 さて、本には様々な種類があるが、小説や漫画など自分の趣味であれば、さほどの社会的な風潮に対してさほど害は無いのだが、「評論本」を読むのが好きな人たちは、自分の見解を補強するため「評論本」を自分の趣向にあった「評論」を読む傾向がある。これについては、誰しも免れることが出来ないことであろうが・・・・。
 
 その姿勢は、自らが気づくことのない、自分の傾向性の補強のために読んでいることになる。私人はこれで、この方法が間違っているわけではないが、こうした「私の論」が公論のような役割を、また常識のような役割を社会的に果たすとき、社会には有害に作用することになる。

これでは、著者が勧める「分析」的思考には、程遠いことになり、社会的に有害でさえある場合も想定される。
 
 「公」のTV発言場でのコメンテイター、などの発言、新聞などの一見もっともらしい議論の扱い方に注意喚起している。これくらいのことなら、誰でも知っていることであるだろうが、その議論のだめさ加減を、機械的に観る診断基準を列挙しているのが、この本をどう評価するかにかかってくるところはこの点だろう。 
 
 ニートの増加に見られる「若者」に対する意欲が無いとみる議論のだめさ加減。若年犯罪者の増加議論のだめさ加減。初めから結論がある議論は議論というより「時流」にあった風潮に則った言論といったところだろう。 

 他の有益な指摘を書き記すと・・・・。
 
 蕎麦屋を例に、食料自給論と食糧安全保障論の駄目さ加減を、説明しているが、これは再三著者が述べているように、判断できる基準が「経済」的な金銭の基準としてあるのであり、その主観にあるのではないことが、ベースになっている。 

 内外価格差に注目し、各国の物価の比較は、為替レートによるのだということを論理的に指摘。 
 
日本の貿易額、輸出と輸入の対GDP比は、10%台であると記してあり、米国についで、このGDP比が低いことの指摘も驚きであった。

 経済学者、経済に対するなんでも効率主義だとか、需要と供給だけで論じる学問だとか偏見がある人には読んでみると見方が序章で変更されるだろう一冊。
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