「 東京都足立区教委は、区立小中学校に配分する07年度予算で、都と区の教委がそれぞれ実施している学力テストの成績に応じて各校の予算枠に差をつける方針を固めた。小学校計72校、中学校計37校をそれぞれ4段階にランク分けし、最上位は約500万(中学)~約400万円(小学)、最下位は約200万円にする予定。都のテストで同区が低迷していることなどから、学校間競争をさらに促す必要があると判断した。
区教委によると、差をつけるのは各校の自主的な取り組みを支援する「特色づくり予算」の金額。各校の申請をもとに配分し、外国人講師や補習指導ボランティアの派遣費用などに使われている。07年度は前年度比約1億5000万円増の約4億1000万円を予定している。
ランクづけの大きな根拠は、年1回実施される都の学力テスト(小5と中2の全員が対象)と区のテスト(小2以上の全学年全員が対象)。都テストで、各校の平均正答率が、都平均と区平均以上の科目がそれぞれいくつあるか▽区テストの成績が前年度からどれだけ伸びたか――などの項目を設けて査定する。
これらの成績と校長からのヒアリング結果を8対2の比率で数値化し、各校の「実績」とする。満点は小学校が165点、中学校が170点で、上位から順にA(全体の1割)、B(同2割)、C(同3割)、D(同4割)のランクに区分けする。
予算枠はAランクの中学校で約500万円、小学校で約400万円。B、Cと減らし、Dランクは小中学校ともに約200万円にする。各校が「特色づくり予算」について申請すると、ランクの枠内で認める。
教材費や光熱費など学校運営の必要経費は、従来通り児童・生徒数やクラス数などの「基礎数」に応じて配分する。これまで中学校は1校あたり平均で約1000万円、小学校は約850万円を配分してきた。07年度はこの経費にむだがないかどうかを厳しく精査して圧縮し、「特色づくり予算」の増額分に振り分ける方針だ。
同区は02年度に区全域の小中学校で学校選択制を導入。都と区のテスト結果については、教科別まで各校の平均正答率をホームページなどで公表している。人気中学校の多くが学力テストの平均点が高い傾向がある。今回のランクづけは公表しない。
04年2月に初めて実施された都のテストで、同区の成績は23区中23位だった。今年1月の都のテストでは中学校は22位、小学校は21位と順位を上げた。
内藤博道・区教育長は「頑張った学校に報い、校長と教員の意欲を高めることが、区全体の基礎基本の学力向上につながる。これまでも希望に応じて非常勤講師を追加配置するなどの対策をとっており、成績のよい学校ばかり優遇するわけではない」と話している。
文部科学省の担当者は「学力テストの結果を予算に反映する例は聞いたことがない」と話している。朝日新聞」
だいたいここ最近の事件のタイミングとマスコミが取り上げる内容、政府の動きの関係が露骨というか、胡散臭いのだな。
足立区が学校選択制の新機軸。学校バウチャー制の導入機運に学校選択制の方がいい制度だって言う主張をするため焦っているんだ。背景はそんなとこだろう。学校の必修科目漏れ問題が、どこからリークされたか、分からないけど、学校の運営が追求されるのが眼目となる。とすれば、教育再生は、本来の問題である「公共心」の育成、道徳力の育成など、公共への意思の獲得であり、また、その次元での思考への課題設定がいかに生徒によってなさる様に仕向けるかの先生側の知の環境作りである筈であった。
が、教育再生の課題は、学校再生問題にすり代えられて論じられる切っ掛けを持たされたことになる。よって、さらにすりかえが学校の運営方法の問題として取り上げられる方向が決まる。そこで、官営としての学校選択制か、消費者主権による学校バウチャー制かの選択が、迫られる。学校選択制が、いかに優れているかを、足立区は示そうとしていることが背景にある。焦りがあるのだろう。
で、これが、教育再生会議の議論の範疇に入る議論から逃れら無くなる呪縛の構造へと転化する。
高校の履修問題を最初に取り上げたのは読売、だった気がするが。安倍政権が出来て、そこで社説で、教育再生に激しく期待した社説を載せたのは読売。履修問題なんて、ほとんどの高校が単位未修得とまでは言わないでも、辻褄合わせの追試合格とかで補ってきたりしてる程度の学校空間内の問題で、程度の差に解消されることで、教育の本質的な話題になり難いところ。それをさも本質的な問題だとして文部科学省を叩くための材料として、世間に流布。それに世間が乗っかる。マスコミが煽る。いじめの問題で、学校の先生、運営方法の叩きへと発展。教育基本法改正(改正の方向についての賛否は別に)へと繋がって来ているのだろう思う。
中々巧くいってるんじゃあないのorz.