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 亀井静香金融担当相は27日のテレビ朝日番組で、中小企業向け融資の返済猶予制度について「(金利の支払いも)できることなら免除した方がいい。実効性のある方法を考える」と述べ、借入金の元本に加え、金利の支払い猶予も検討していることを明らかにした。

銀行が返済猶予を嫌気して中小企業への貸し渋りが起きるとの懸念に対しては「空理空論だ」と批判。「弱った銀行には税金で資本注入している。借り手の中小零細企業もちょっと待ってもらえれば立ち直れる」として、制度の必要性を強調した。

閣内などから慎重論が相次いでいることに対しては「私は揺らがない。鳩山総理が私を更迭すればいい。できっこない。選挙の前から合意している」と述べ、猶予制度の導入に強い意欲を示した。 (共同)


 亀井については馬力があって、づけづけとものをいい私欲より公を重視するとても好きなタイプの政治家だが、債務者の支払い猶予を銀行に押し付けるのは、かなり経済を沈滞へと引きずり込むようになるのでは危惧する。
 
 中小企業の現状は、亀井の危惧するとおりの経済状態である。あえいでいる中堅以下の企業がひしめいているのが現状だろうと思う。中小企業の債務はが増えたのは、もともと長期的に物価が下がり続けるデフレ経済にあった日本では、リーマンショック以降の不況が、、総需要の不足として襲来した不況である。サブプライム関連証券の価格下落による金融機関の損傷は、欧米に比較すればそれほどひどくはなかった。それは循環的な不況であって、二十一世紀型の不況とか、規制緩和がなされていない、あるいは、官製の不況という不況の種類ではない。そうでなければ、スーパーなどの小売業の苦境が、説明できないことになる。

 中小の企業が苦しいのは、消費者の買い控え、大企業の中小企業に対する注文が減ったからである。つまり経済のパイが縮小する中、実質的金利が上昇してしまう卸売り物価、消費者物価の下落が不況によって引き起こされている需要の不足にある。不況種類で言えば、金融危機によって引き起こされた不況ではなく、実体経済が引き起こした不況の種類である。 
 とすれば、亀井の債務企業に対する債務支払猶予は、実際の需要が不足、額の低下が背景にあるのだから、その実効性の乏しいものになってしまう。亀井の案をより実行のあるものにするには、中央銀行の大きな協力が必要である。中小企業のローン債務を証券として中央銀行が大胆に引き受けること、さらに公平性を帰するためにも、長期公債の大量な引き受けが必要である。
 
 ところが、この中央銀行の金融によるファイナンス政策を採用するという意思は、内閣の連中の発言には報道されている限りでは、まったく見られない。
 
 安倍、福田、麻生政権と続いた自民党内閣でも、不況下での金融政策へシフトする意思がまったく要職(安倍は中川秀直の成長戦略として金融政策に理解は示していたが、中川を閣内に置くことはしなかった、その点で組閣の間違いをしたのである)にある連中に省みられることなく終焉したが、それと同じ課題を鳩山内閣は抱えていることに彼らはまったく気づいていないのだろう。

 金融政策の効果の発現は、かなり時間がかかることは、マクロの経済学では常識である、民主党が政権を磐石にしたいのならば、早急に果断な金融緩和の策が必要である。政治家連中≒マスコミのマクロ経済論≒庶民の考えるマクロ経済論が認識しているほど金融政策の不手際の影響は小さくはない。経済を停滞に落ち込ませる非常に大きな要因である。
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