どうやら、米国はイラク戦争を、イラクのサダム・フセインの独裁国家からの解放し、民主主義国家への転化へのプログラムさえも放棄する世論の状況があるようである。イラク戦争は大量破壊兵器が発見されず、米英が捏造した情報で仕掛けた一方的な戦争であった。そこで、米英の戦争の正当性は、「民主主義」化という近代国家への大前提をイラクに移植することに変更された。戦争目的は、複数性にあるということを認めても、民主主義化が実現出来なければ、政治責任ということになる。最終的には、戦争が政治の延長である限り、近代国家の政治原理のひとつの結果責任から逃れることは出来ないのである。ゆえに、ブッシュ大統領は、イラクが内戦状態にあることを認めたがらないのである。
ドバイでの国際会合で述べた。軍人出身で制服トップの統合参謀本部議長も務めたパウエル氏は、イラク戦闘開戦時の国務長官で、軍事作戦の遂行では強硬派ともされるラムズフェルド前国防長官らと対立していたとされる。氏の今回の発言は内戦状態を認めないブッシュ大統領へのいら立ちとも受け止められる。 大統領は、イラクの現状について、国際テロ組織アルカイダがイスラム教シーア、スンニ両派の対立を煽っているとの認識を示している。内戦と認めた場合、軍事作戦、占領統治、政府への権限移譲などと続いてきた米国のイラク政策の欠陥を認めることにつながることを懸念しているとみられる。 ブッシュ政権は、イラク政府が機能し、支配地の争奪戦が起きていないことなどを「内戦」否定の根拠にしている。しかし、両宗派間の武装対立は今年に入って常態化し、これまで内戦の言葉を避けてきた米新聞、テレビもここに来て使い始めている。2006.11.30 Web posted at: 22:36 JST
- CNN
連日の報道を見る限り、イラクのシーア派とスンニ派の対立は、同一宗教であるのかと思わせるほどの内戦状態のように、見える。イラク戦争開始前に、こうした状態を警告していたのは、姜尚中(カン・サンジュン)など多くの識者である。何故、米英は、これほど馬鹿げた戦争を起したのだろうか。自由と民主主義の擬制のアングロサクソニアン的強制なのだろうか。あるいは、キリスト教の特にプロテステンタントの熾烈な使命感めいたもののだろうか。