レッドソックスの60億円応札はさまざまな反響を呼んでいる。28日付のボストン・ヘラルド紙はレ軍と西武との間の“裏交渉”の可能性を指摘した。レ軍側は西武に支払う約5111万ドル(約60億円)の入札額の一部を返却してもらい、それを松坂の契約に充てることが可能であるとし「ルキーノと西武の会談は契約締結へ重要な意味を持つ」とした。
同紙は27日に契約交渉について、レ軍は年平均700万~800万ドル(約8億1200万~9億2800万円)を提示、松坂の代理人ボラス氏は1500万ドル(約17億4000万円)を要求していると報じたばかり。その差を埋める手段として「レ軍は年俸900万ドルが限界と考えていて交渉で5年、年平均1100万ドルで手を打ったとした場合、西武に入札額のうちの1000万ドルを充ててもらえば、その差額は埋められる」と具体例を挙げた。
松坂の年俸捻出への“ウルトラC”といえそうだが、これが本当ならポスティング・システム(入札制度)を定めた日米選手契約協定の禁止事項に抵触する可能性がある。米コミッショナーは「入札過程を注視する必要がある」との方針を示している。スポニチ井川マネー”の使い道どうなる?
阪神は29日、ヤンキースが、ポスティングシステム(入札制度)でメジャー移籍を目指す井川慶投手(27)の独占交渉権を得たことを発表した。落札額は、2600万194ドル(約30億円)で、レッドソックスが落札した西武・松坂大輔投手の5111万1111ドル11セント(約60億円)に次ぐ史上2番目の高額。
ヤンキースが約30億円で落札。当初は想定もしなかった巨額の“井川マネー”の使い道について阪神では、さまざまな意見が出た。新外国人獲得など補強費を視野に入れるのはもちろん、沼沢正二球団本部長(49)は「当面でいうとクラブハウスの新築にお金が掛かりますから」と言明。井川資金によるグレードアップの可能性を示唆した。
井川の“置き土産”のおかげで、クラブハウスがグレードアップするかもしれない。
甲子園球場のリニューアルに伴い今年5月から新室内練習場隣に新クラブハウスの建設に着工、来年2月の完成を目指している。総工費約11億円を投じ、ロッカールームをメジャースタイルの木目調の内装にし、トレーニングルームも併設。流水温水プールも設置されることになっている。このクラブハウスに井川のポスティングで得た約30億円の一部を投入しようというのだ。
もちろん第一は井川の穴を埋めるため、新外国人など補強費として投入され、これ以外にもファンサービスや球団運営費に充てられることになっている。その上で沼沢本部長は「クラブハウスにお金が掛かりますから。内容のグレードアップ?その可能性はあります」と話した。
たとえば、井川にちなんで05年の優勝時に胴上げに遅れた“原因”にもなったウエートトレ器具のグレードアップ。最新鋭の機器をさらにもう1台、なんてこともあるかもしれない。
ロッカールームはメジャースタイルになるが、調度品のグレードアップにミーティングで使用するモニターの巨大化、ハイビジョン化、シャワールームに人気の岩盤浴なんてのもあるかもしれない。はたまた、岡田監督の使用する監督室がどこか大企業の社長室のようになるかも…などと想像は膨らむ。
銅像、プレートなどの記念碑は「今のところ考えていない」と沼沢本部長。いずれにしても“置き土産”はチームのために最大限運用されることになる。(デイリースポーツ) - 11月30日