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小室 直樹 / 集英社インターナショナル(2002/03)
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とても判りやすい記述で、宗教ってとっつきにくいなという先入観を取り払ってくれた小室氏に感謝。これほど判りやすく、そして論理的な「宗教」の論理の詳解は、小室氏で無ければ出来ないであろうと思う。民間学者として優れていると思う。
枝葉末節は、殆ど無く、何故イスラムに「資本主義」が根付かないのか歴史的論理的に明快かつわかりやすく論理を展開する。何故ジハードが、他の宗教には無く、イスラムに在るのかも良く理解できた。イスラム信仰者のアラブ人の「約束を守らない」アラブ人と「習癖」は、その信仰にあったことも理解しやすく解説されている。イスラム教の信仰論理を知るには必携だろうとも思った。


以下引用
「ムスリムが「ありがとう」と言う相手は、神のみ   
さて、こうした事実を踏まえてみれば、筆者が「イスラムにおいてはヨコの契約が存在しない」と指摘した意味もお分かりになるであろう。  たとえば、イスラム教徒と日本人が契約を結ぶとする。  その場合、日本人はそのイスラム教徒と直接・対等に契約を結んだと思っているわけだが、一方のイスラム教徒はそう思っていない。                
イスラム教徒が何か約束をする場合、それはすべて「頚動脈よりも近くにいる」アッラーに対して約束をするわけである。  つまり、披は心の中でタテの契約を結んでいるのだ。  

彼が「約束を守ります」と言った場合、その言葉は契約相手に対してではなく、神に対して言つていると思わなければならない。そこが分からないから、日本人も欧米人もイスラムとの取引に失敗してしまうのである。  

こうしたイスラム教徒の心理をひじょうに分かりやすい形で証言しているのが、第三章でも紹介した、サウジアラビアのジャーナリスト、U・D・カーン・エスフザイ氏である。  氏は、日本人が「ムスリムはけっして『ありがとう』という言葉を言わない」と批判するのに対して、こう説明する。   「中東の因で買い物をする。日本で買い物をすると、売ったほうはお金を受け取ると、お客さんに対して『ありがとう』と言う。けれども、中東の人びとは、お客さんに対して『ありがとう』 と言わない。                    
ホテルでチップをあげても、あるいは道で子供にお金を恵んであげても、けっしてその相手に 『ありがとう』とは言わない。日本人にとってはこれが 『ありがとうも言わない!』ということになるが、これも習慣のひとつである」 (『私のアラブ・私の日本』CBS・ソニー出版)  では、なぜ彼らは 「ありがとう」と言わないのか。 その答えは、もう読者もお分かりであろう。 引用を続けよう。  

「イスラムの人間は、その『ありがとう』 は神に言うのである。商売を成立させてくれたのは神である。理屈でいうと、売ったほうは商売が出来たのだし買ったほうは欲しいものを手に入れたのである。そうして、両者に喜びを与えてくれたのは神である。だから、お互いに 『神にありがとう』と言うのである」 (同書)  商取引も一種の契約である。  

欧米の資本主義においては、売買契約はもちろんヨコの契約であって、人間同士が結ぶものと思っている。  だが、イスラム教徒にとっては商品を売り買いする場合であっても、そこには神と人間のタテの契約しか存在しない。だから、それで儲けても相手(神より下等な人間)に感謝する必要を感じないというわけなのだ。

(中略)   

すべてはアッラーの思し召し イスラム教の世界においては、ありとあらゆる約束はタテの契約によって成立する。ムスリムたちは商売においても、神と契約を結ぶのである。 とすれば、欧米人よりもイスラムのほうが契約厳守になりそうなもの。 そう思ってしまうのだが、現実にはそうならない。彼らは契約を守ることができなくても平然としている。  

これはいったいどうしてなのか。 神との約束するほうが重要に決まっている。   その理由もまた、宿命論的予定説にある。  イスラムでは、現世に起こることはすべて「天命(カダル)」であるとする。アッラーがすべてを決めているというわけだ。   

アッラーの能力は計り知れない。どんなこともアッラーの思し召しによって動かされている。ここがイスラムにおける契約を考える上で決定的に重要。 たとえば不測の事態が起こったり、何かミスが起きて、契約を守れない状況が発生したとする。そのとき欧米人や日本人は、トラブルを何としてでも乗り越え契約を履行しようとするだろう。

あるいは、契約書に従って違約金を払うのを覚悟する。 これがヨコの契約に慣れた人間の感覚。  だが、タテの契約に取り巻かれたイスラム教徒はそう思わない。 何かトラブルが起きて、契約が守れなくなった。 このとき彼らは反射的に「これはアッラーの思し召しによるもの」と考える。

なぜ、こんなことをなさるか、その理由は分からない。だが、アッラーにはアッラーのお考えがあって、こうなさるのだ。だったら、しかたがないではないか。こう思ってしまうわけである。  

すべては「アッラーの思し召しのままに」-つまり、宿命である。これをアラビア語で「インシャラー」と言う。イスラム教徒がしばしば口にする言葉だが、これは単なる挨拶ではない。  

イスラム教徒はタテの契約である以上、どんな約束も一所懸命に守ろうとする。その精神に疑いの余地はない。その熱意はひょっとしたら、欧米人を上回るかもしれない。  

だが、そこに神のご意志が入ってくる。すべては「インシャラー」である。こうなってしまえば、契約書のとおりにビジネスが進む保証はなくなるのである。しかし、それはけっして彼の責任ではないのだ。  そうした意味を込めて、彼らは「インシャラー」と言う。この言葉をけっして軽んじてはいけない。  

エスフザイ氏もそれを強調する。「何かを約束する。その約束は必ず守る。けれども、いつ、その約束を履行するかは、当然、努力はするけれども、インシャラーなのである」


 宗教の教義は、それが共同の規範となることが、その是非と適否は別に重大な影響を社会に齎すことになる。宗教の教義に忠実であることの証を求められたり、する。それがジハードの強制であったり、自らの信念を宗教的教義が加速させ、「自主的」に、そして積極的にジハードに参加したりすることなど、様々に、社会に個人の「意志」に負の影響を与えることになる。政治家が、こうした共同規範を「利用」することになり、また、負の力を使うことによって、「戦争」などに入ると、後の世代の宗教的共同的規範と社会的な共同の規範のねじ曲がりが生じ、それについて、社会的、歴史的解決が出来ないような事態を招いたりすることになる。
 とはいえ、日本人は宗教心がないだから、だから、宗教が絡んだ問題は難儀なことだ、とするのは早計な理解だ、と考える。神道的な心性は、あるいは、日本化した仏教の中の心性であるからこそ、逆に、他宗教の「論理」を明快に示してくれることによって、論理によって他宗教の「理解」が出来るのである、と考える。信じている当事者、その渦中にあるものには、一歩引きさがって、「論理」が見えないことになるからである。当事者は、正当性を齎してくれる「感情」に寄りかかり、判断してしまうことになりかねない。「主体」を形成できない事態にのめり込むことになるからである。
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