菅経財相、経済演説で日銀に注文へ
脱デフレ、下支え期待」菅直人副総理・財務相は25日、29日に予定する財政演説の原案を固めた。「財政規律を高め、財政への信認を確保することは、将来に対する国民の安心につながり、活力ある経済社会の基盤となる」と、財政健全化に取り組む姿勢を強調する。経済財政担当相としての経済演説ではデフレ克服に向けて、日銀に「適切かつ機動的な金融政策の運営で経済を下支えするよう期待する」と異例の注文をつける。
財政演説では自民党政権を念頭に「公共事業依存」や「行き過ぎた市場原理主義」などの言葉で従来の政策運営を批判。「知恵を使って新たな雇用・需要を生み出す第三の道を進む」との路線を打ち出す。 (07:00)
菅のデフレ克服の注文は、歴代財務大臣の中で、非常に明確な形で出しているので、大きく進歩しているのだけど、そのための政策を日銀側が提示しない状況が非常にマクロ経済にとって非常に苦しい。菅だけでなく、民主党の連中は、適切な「専門家」を見つけたり、それらの知識や理論を活用することのが下手なように筆者には見える。供給より需要を重視するという姿勢を菅は、披歴した。そんなわけだから需要を重視する「マクロ」経済の専門の知識や理論を聞き、実行することが望まれる。
デフレの克服には、日銀の下支えではなく、日銀がマクロ経済を主導しなければならない。財政出動が先行するだけでは、マクロ政策として不十分であるだけでなく、財政規律も緩んだままでに終わってしまいかねない。そのためには、インフレの目標を日銀に取らせるのではなく、目標を政府が示し、それを「専門家である日銀が手段として独立している金融政策を有効に発動させ、適切なマクロ経済金融政策をとるようにするべきである。
インフレ目標策は、一般に経費削減で人件費も削減される中、インフレは生活の加速を連想させるので非常に誤解を招きやすい。よって、インフレ目標ではなく名目経済成長率を3%とするような名目の成長率目標を政府が立て、政府と日銀がこれを共有する形で、協同主導していく形が、共同責任の宣言となって、政治責任の日銀の責任だ、あるいは政府の財政政策がおかしいといった、たらいまわしにならなることを避けることができる。
このためには、日銀が政策転換をしなければならない、いわゆる日銀発券残高ルール、長期国債の引き受け残高を発券残高以内に押さえるという平時のモードの金融政策姿勢を改めること、金融システムの安定だけに注目するのではなく、マクロの経済全体の調子を見てマクロ経済全体のパイを拡大させることを主眼とする着眼点の転換などである。