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 一般に言って、輸出が増えるといういうことは、国民経済が潤うという観念が流布されている。が、総需要と総供給と言うマクロ経済の基本で考えれば、それは逆である。モデルを簡単にすると、総需要が総供給を上回るとき、需要と供給の曲線の移動で述べると、供給曲線は一定でも、需要曲線が右に移動状態が、国民経済にとって「潤う」状況だということが、一般にいえる。
 米国の経済は、サブプライムローンによって、消費の減退がいわれているにしても、今現状では良好であると米国内部の「格差」問題は別に誰しも認めるだろう。総需要が総供給を上回っているから、輸入が多く、輸出が少ないといえるわけで、それ故、貿易赤字が続いているといえる。
 つまりは、輸出が輸入より増えるということは、国民経済にとって「潤い」を齎すとはいえないともいえるのである。日本の経済は、周知のように貿易黒字である。それであるから、経済がいいとは言えないのであって、貿易黒字は、国民経済が、「潤い」を無くしているから起きる現象なのである。但し、お断りしておくが、貿易の黒字赤字は、マクロ的には、貯蓄ー投資=貿易収支であることは、論を待たないのだが・・・・。このマクロの投資と貯蓄バランス式から、国民経済にとっての「潤い」を招来するためには、高齢化、団塊の世代の退職などによる貯蓄率の低下による貯蓄が減ることではなく、投資の増大を目論んだ「政策」が、望まれるといえる。
 内部的に「構造」的に眺めれば、貿易黒字は貿易財を扱う企業の輸出に偏りすぎているから起きる現象だといえる。また、貿易財を扱う第一次産業、製造業と第三次産業の「生産性」の異なりが、「構造」的貿易依存になっていることも、収支が貿易依存に傾いている原因ともなっている。

 輸入に対する「関税」障壁や、環境基準や民間の寡占企業同士の民間規制の撤廃を、総需要喚起政策が、国民経済にとって重要な課題になってくる。
 自民党の山本幸三に藤沢久美が主として「日銀金融政策」についてインタビューしている。

景気回復には「日銀改革」が不可欠=山本幸三(衆議院議員/自民党 金融政策に関する小委員長)×藤沢久美(シンクタンク・ソフィアバンク副代表)
2008年1月8日 リベラルタイム
二〇〇七年二月に金利を〇・二五%から〇・五%に引き上げた日本銀行。
さらに、福井俊彦総裁は、「利上げ」姿勢を崩さない。
こうした日銀の金利政策に対し、「むしろゼロ金利に戻すべき」との
論陣を展開するのが山本幸三自民党金融政策小委員長だ。
同委員長に、「利下げ推進」の理由を聞いた


景気後退の元凶は

「規制強化と日銀の失政」
藤沢 まず二〇〇七年八月に世界同時株安を招いたサブプライム・ローン(低所得者向け住宅ローン)問題の影響ですが、〇八年も続くという見方が強まっています。山本さんは、この問題をどう捉えていますか。
山本 サブプライム問題の原因は、アメリカの住宅金融業者による、倫理観を失った安易な貸し出しに尽きるのではないでしょうか。これは、二、三年は尾を引く問題だと思います。
 二十一世紀は、世界が産業資本主義から金融資本主義に突入した時代といわれます。証券化等を通じ、土地を含め、あらゆるものが金融市場化されています。ここで重要なことは、金融市場が大きな影響力を持つ中で、市場関係者が侵してはならない倫理観をどう養うか、という問題。「資本主義はプロテスタントの倫理観が支えた」と唱えたのは二十世紀のドイツ経済学者のマックス・ウェーバーですが、金融資本主義を支える新しい倫理観を、いまこそ考えなくてはいけない。
藤沢 サブプライムショック以来、日経平均株価は下落基調から脱していません。経済の先行きへの不安が高まっています。
山本 日本銀行も内閣府も、いまは緩やかな景気回復期というが、私は景気は後退局面に入っていると見ています。アメリカや、BRICs等の新興経済国の外需に牽引されて、日本の輸出関連の設備投資や生産は好調ですが、内需に力強さは見えない。一部の企業の収益は上がっているというが、全体的には賃金はむしろ下降傾向。そのため、企業業績の回復が家計に反映されず、国内消費は鈍いままです。
藤沢 同感です。中小零細企業を含めた企業の多くは、好況の実感を得ていません。
山本 実際、中小企業庁の統計では、中小企業のDI(景気動向指数)は〇六年十二月から下降を続けていますから。
 そこにきて、〇七年六月に施行された改正建築基準法が、景気に様々な悪影響をもたらしている。建物着工時の建築計画の審査を厳格化する同法は、煩雑過ぎる審査手続き等が原因で建築作業が停滞し、これがまた景気を後退させているわけです。九月の新設住宅着工数を見ると、三カ月連続の大幅減少、前年同月比で四四%減で、GDPを押し下げています。
藤沢 十二月施行の改正貸金業法も、景気の足枷になっていると思います。
山本 おっしゃる通り。この法改正による上限金利の引き下げが貸金業の貸し渋りを招き、また同法で利用者の借り入れ限度額を年収の三分の一までに定めたことも、短期的に資金が必要な事業者の、資金調達を阻害しています。
 私は今回の貸金業法改正には反対でした。貸金業者の不法行為を厳罰に処すことが重要であり、金利は市場原理に任せるべきでした。
 しかし、どうしてこういうことが起きるのか。それはいまの政策に、金融のあるべき姿を考える、包括的な視点が欠けているためではないでしょうか。シティやシンガポールの金融市場は、規制緩和を行い、世界中の金融機関を集め、市場を活性化しました。対して、日本の金融市場は規制重視。「水清ければ魚棲まず」ではありませんが、金融については、過剰規制は市場の活力を削ぎます。


次期日銀総裁は

官僚、プロパーは避けよ
藤沢 現在の日銀の政策を、どうご覧になられていますか。
山本 なによりもまず、福井俊彦総裁の責任を問いたいです。日銀は〇六年三月に量的緩和を解除、同年七月に金利を〇・二五%に引き上げた。福井総裁が金利引き上げに踏み切った理由は、CPI(消費者物価指数)が前年同月比でプラス基調が続き後戻りする恐れがなくなったから、というものでした。これに対し、私は当時、「八月には五年ごとに行われるCPIの基準改定がある。改定結果が公表されるまでゼロ金利解除は待つべき」と強く主張しました。しかし、日銀は金利引き上げを強行した。結局、八月のCPI基準改定では日銀の予想を上回る下方修正がされました。そして、利上げの根拠だったCPIのプラス基調が、実は四月はマイナスだったことが明らかになった。日銀は引き上げ時期を、見誤ったわけです。
 福井総裁は、総裁就任前に私に「デフレを数年以内に解消する」と確答したが、これも果たしていません。〇七年九月のCPIは前年同月比で、八カ月連続下落傾向です。〇八年の予算委員会で、福井総裁の責任を追及するつもりです。
藤沢 どのような金融政策がベストでしょうか。
山本 〇八年の国内経済の最優先課題はデフレ脱却。いま必要なのは、ゼロ金利に戻し、その効果を待つことです。
 一方、水野温氏日銀審議委員は「バブル発生の予防を意識し、金利引き上げを」と発言しています。しかし、バブルというのは破裂して初めてバブルだったと知る代物。ましてやデフレ経済のいま、水野氏の発言は全く不用意としかいえません。日銀が金利引き上げ姿勢を見せるたびに、企業は萎縮して設備投資も賃金値上げも控えてしまい、国内消費が伸びない悪循環が起きています。
藤沢 一九九〇年代のバブル崩壊を招いた原因の一端は、日銀の金利引き上げでした。金利変動は、慎重に慎重を重ねるべきですね。
山本 バブル崩壊については、アメリカの連邦準備銀行(FRB)がバブル崩壊時の日銀の失敗を検討し、レポートしています。それによると、金利引き上げや量的引き締め等の金融政策でバブルに対処すると、あのようなバブル崩壊後の経済の大混乱を招くといいます。にもかかわらず、日銀はいまだにこのデフレ状態で、金利引き上げを唱えている。いまや、「日銀の常識は世界の非常識」です。
 金利を引き上げるべき時期については、CPIで前年同月比〇・五以上が三、四カ月継続し、将来的にもそれ以下になるリスクがほとんどないことが条件です。
藤沢 福井総裁の任期は二〇〇八年三月までですが、次期総裁にはどんな方を求めますか。
山本 日銀出身者や官僚は避けることが望ましいです。メンツやしがらみに捕われず、金融理論がわかって、国民生活の安定回復を信念に持つ方に就任して頂きたい。


金融は外交手段でもある

藤沢 国際金融の分野についても伺えますか。いま専門家からは、日本が保有する手つかずの外貨準備高を、積極的に運用して収益を上げるべきとの声があがっています。例えばシンガポールの政府が出資する投資会社テマセク・ホールディングスのような政府系外貨準備運用会社を、日本も設立するべきだと思いますか。
山本 賛成ですね。というのは、これは金融だけの問題ではなく、外交の手段になります。中国は〇七年九月に、テマセクにならい、政府系投資会社を設立しました。世界最大手の投資会社ブラックストーンに出資しています。おかげでブラックストーンを含めアメリカのヘッジファンドは、中国当局の顔色をうかがう必要が出てきました。こうすることで、中国は存在感を誇示しているのです。
 私は毎年アメリカを訪れ、現地議員やシンクタンクの研究員たちと金融問題の議論を続けていますが、アメリカは日本を見捨てつつあるのではないか、という感触が段々と強まっています。そして、アメリカと中国との関係が深まっていることに危機感を持っています。
 日本は、金融、外交等、様々な局面で、世界に存在感を示さなくてはいけません。それが、日本経済の潜在能力を生かすことになるからです。(構成/本誌・栗原将実)
 リベラルタイム2月号「藤沢久美のFOCUS ON」

※各媒体に掲載された記事を原文のまま掲載しています。
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