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ミルトン・フリードマン
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フリードマンが1962年に刊行した『資本主義と自由』では、廃止すべき14の政策
が挙げられている。それの再刊版。
●農産品のパリティ価格(政府による買取保証価格)制度
●輸入関税または輸出制限
●産出規制
●家賃統制、全面的な物価・賃金統制
●法定の最低賃金や価格上限
●細部にわたる産業規制
●連邦通信委員会によるラジオとテレビの規制
●現行の社会保障制度
●特定事業・職業の免許制度
●公営住宅
●平時の徴兵制
●国立公園
●営利目的での郵便事業の法的廃止
●公営の有料道路。
 さらっと読んでみると、M・フリードマンの思想は「自由」主義をどのように擁護するか、また自由を守ることがいかに困難であるかが上記の「改革」が今頃実施されてことからも解かる。つまり、ミルトン・フリードマンの提言は、長期の「構造」改革の展望であり、また、「改革」の本性を「経済学」という卑俗ではあるが、実質の生活感を使って自由の重要性を表している。政治的自由と経済的自由対立とその程度も考えられている。「私人」間の自由の対立をどのように処理するかも考察されていて、巷に言われるM・フリードマンに対する「暴論」、非難は的外れであることも解かる。要は、「市場」を保守するための市場主義を説く「自由主義」の主張であり、また、その姿勢の堅持、保守することが述べられているにすぎない。教育バウチャー制も、人種差別の撤廃に有効であり、また、裕福ではないもの達が、十分な教育を受けるには必要な制度としての提言である範囲を出ていない。これを日本に導入するという元首相安部の提言は、平等性の元に運営されている日本の教育には不適である。裕福であるものは、すでに進学塾に通っているのであるから、バウチャーの導入が、貧困でありながら優秀な子供を作るということには向かわない。学習塾が乱立する日本における教育での問題点のひとつは、[優秀]でありながら、経済的に進学を許されない子供たちには、公的な奨学制度の充実が最も適した制度となる。
 資本主義と比較して、社会主義との政治的「自由」の差も具体的に、述べている。社会主義の国で、自由主義の思想を説けば、それは排除されることになるが、自由主義を表明している国では、それは建前にしろ政府と違った見解のデモ、社会主義運動も許容されている。そうした卑近な点から、資本主義下での「自由」の方が、価値観の多様性を認める範囲が多いとしている。ともあれ、「経済学」上では、長期と短期を分類するが、その意味は具体的に何年ということを意味するのは無い。その状態が解消する期間を云う。その意味で、本書は、長期の構造としての制度変革の提言であり、その意味でのみ傾聴に値するといえるだろう。
 また、国家の介入を排除するという言う意味で、全く無政府主義に近い結論が、本人は無政府主義ではないとしているが、得られているということである。自由主義=保守主義=反社会主義=反社民主義であるということを根本的に理解していない日本の保守主義者、亜インテリの新聞紙の社説子などが読むべき本作である。フリードマンは、本作で自由主義こそ、多様性を、多くの価値観を、多くの個別「利益」を維持、保守する思考であるとしている。特に、どこぞの知事は読むべき著作だろう。
 そして、日本での「自由」についての思考や信条などの姿勢が、作られるのは中々に難しい。政府によるラジオとテレビの規制がかなり米国と比べてひどいように思うので、この分野での新規参入が甚だ心もとないからである。また、マスメディアに対する規制については、章として扱っていないのでフリードマンとしてどのように考えていたのかは、不明である。

 それにしても、政治的自由、個人と政府との自由の立ち振る舞いを考察しているが、この点を保守主義者達はどのように考えているのであろうか。彼らこそ、現状の政府による電波規制に従い放送局支配の排除を主張べきである。長期で見ればNHKの民営化だけではなく、新聞社が、放送局を牛耳っているという「自由」の規制を市場に解放するべきという結論になるだろう、「自由主義」の観点から言えば、である。
 報道各局の記者クラブという民間同士の規制を独占的に許し、官庁の電話、ファックスなどを記者たちは、無料で使っている実態があると猪瀬直樹の指摘があるが、この馴れ合いの関係に当事者自身が疑問さえ持たない構造。
 元参事官の高橋洋一が、「さらば財務省」で述べていたように、財務省のまた国家官僚たちの政治家の操縦術、記者への自らの省益、個人益を守るための姑息なリークをそのまま掲載する新聞社、某保守系?とされる新聞社であるが、などおよそ「自由」矮小化が、「保守」によって実施敢行されている。
 
 更に、憲法の改正も、より「自由」主義に傾ける、若しくは、その主義を保守するのであれば、基本的に自由主義を体現する現行憲法を守るということは、社民党、あるいは民主党の一部の発想の根拠となるものではまったく無く、保守の「自由主義」者たちの採るべき姿勢である。
 さらにいえば、憲法は、政府を拘束する基本法規であり、政府、官僚達、裁判所、国会議員に対する強制的な「命令」であり、憲法違反はまずもって彼らが負わなければならないのが、近代の国家のあり方である。憲法の改正の是非より、この基本精神が無ければ、到底、政治的には近代国家と呼べる機関を持つことは出来ないだろう。
 尚、解説は、高橋洋一が筆を採っている。金融政策について論述しているが、高橋は、日本経済の建て直しに優先順位をつける①「デフレの脱却」②「政府資産の圧縮」③「歳出削減」④「制度改革」⑤「増税」である。これは、自民党の中川秀直の「上げ潮路線」と同じである。
 ①「デフレの脱却」
十分な国債の買いオペを通じた金融緩和とインフレターゲットの実施による。
 ②「政府資産の圧縮」
これはいわゆる特別会計に存在する数十兆といわれる「埋蔵金」の取り崩しをすることである。
 ③「歳出削減」
これには景気への対策としてデフレ脱却をする中での「削減」には疑問がある。構造的失業率を「完全雇用」下での失業率とするならその「完全雇用」まで一過性ではあっても財政出動は必要である。
 ④「制度改革」
年功序列の廃止(能力主義の採用)と各省庁による再就職(天下り)の禁止を中心とした公務員制度改革の実施。これに反対するのが与謝野薫など自民党の大半の議員である。
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