主に政治と経済について、思いついたことを語ります。リンクフリー、コピーもフリー
野口 旭 / 日本評論社
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竹中平蔵の政策的活動を認めながら、また、サプライサイド経済学の正当性を認めながら、その適応の誤謬を説得力をもって的確に指摘している。その点が、政治主義的な「批判」と一線を画しており、格調の高さを維持してもいる、とも思う。国際競争力の低下、日米経済摩擦というマクロ経済学とは、全く異なった謬見の丁寧な指摘は、国際経済学を専門とする野口の独壇場ともなっている。
ひとつの例を示すと、経常収支は、投資と貯蓄のバランスと全く一致し、米国の経常赤字は、景気気がいいから起こる事象であり、逆に日本の経常収支が黒字なのは、投資が貯蓄に比べて異常に少ないから不景気になることを表している。
巷にあふれる、日本破綻を扇情する「トンでも経済本」とは遠くへだった経済学本である。為替の安定、資本の移動の自由、金融政策の自由のトリレンマから、90年代のアジア通貨危機の起こり方、そしてその終息は、通貨危機国の変動相場制への移行に依存したという。その説明は、ゾクゾクとする読書体験さえ持たせてくれるだろう。ある程度マクロ経済と国際経済の知識があるものにとって、得心のいく展開があって、面白い読み物である。
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