主に政治と経済について、思いついたことを語ります。リンクフリー、コピーもフリー
野口 旭 / 筑摩書房(2007/05)
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野口には、基本から解き明かし理詰めで説明してくれる分りやすさがあって筆者好みの論述がいいのである。扱っている内容は、グローバリズムの弊害と貿易自由化としての肯定面を扱っているが、グローバリズムの肯定面を貿易の観点から、比較優位説に従って述べてあって素人の筆者にも理解しやすく述べられている。
野口は、グローバリズムの恩恵を最も受けた国として、日本を挙げているが、そういった点からも、ごりごりのグローバリズム礼賛論ではない。
グローバリズムという言辞を表題に持ってくるというのも中々に挑戦的、今日的だが、「景気拡大」が持続しており、その恩恵を受けている上場企業では、グロバーリズムの否定面を見る向きは少なくなっているだろう今日、出版のタイミングがずれたかなという印象がある。何故なら、「三角合併」が5月から解禁となったが、景気拡大に伴って、「三角合併」に反対する企業が減り、反対派は、3割程度となった。如何に、景気という循環的な問題が「構造」的な問題を解決するかがこの事態を見ても分る。本質的な解決は、循環的な景気と構造問題を、別に腑分けして適切な政策を打つということであろう。
国際経済を基本から根本的に見るというような表題の方が、長期的には売れただろうにと老婆心ながら思ったが・・・。
国際経済といっても、「経常収支=輸出ー輸入=GDP-国内総支出」の会計原則を機軸に複雑な国際経済を簡明単純化して論じてあるので分りやすい。
飯田 泰之の「分析」思考の技術に沿っているわけだ。
イギリスの通貨危機、アジアの通貨危機が、為替の安定と金融政策、資本移動の自由、のトリレンマによって引き起こされたというきわめてオーソドックスな基本に沿った説明が丁寧に、また、素人にも分るように述べられている。
無根拠な扇情的な経済評論や経済の名を騙った意図的な政治評論に流されることに疑問がある人は是非手にとって考えて見るべき参考経済本である。マクロ経済の「理論」を知らずして、マスコミのデマ経済論に流されるか、あるいは、「正当」性や倫理観に訴える左右両派に政治的に大衆利用されるか、の結果が待っているのであろう。「理論」によって納得するタイプの人にはうってつけだろう。
但し、中国の固定相場は、通貨危機に陥る可能性は、今日ほぼゼロであるという理由なき断定する箇所があったが、それがどうにも解せない。と同時に中国に通貨危機が起きないという理由をぜひとも知りたくなった・・・。 いずれ試行として考えてみたい。
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