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飯田 泰之 / ダイヤモンド社(2007/07/27)
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本書には、現代経済学にあっての「期待」ーー将来と現在との対比によってほとんど変わらないのか、あるいは、インフレになっていくだろうという漠然とした予測ーーーーの重要性が歴史的な事象(昭和恐慌、江戸時代の各改革、幕末期の金流出な、第一次大戦後のハイパーインフレ)に照らして論じられる。歴史経済学のおもしろさを啓蒙してくれる意味で、マクロ経済学の意義と金融政策について解説してくれるので面白く読ませてくれる。特に、一部の1920年代のオーストリアのハイパーインフレーションの終焉に果たしたインフレについての「期待の転換」によるインフレの終焉の論証は、格別なものがあった。マクロ経済「素人」には活目してみるだけの価値がある。また、飯田の著作には、定義の掲載があるのがうれしい。インフレ率=マネーの増加率ー実質経済成長率+マネーの流通速度変化率である。こうした定義によって経済事象を分析あるいは眺めるさせてくれるように読者を仕向けてくれるのも、マクロ経済の観察を堪能できる。つまり、読んで理論や定義によって考えることが出来るので、「論理」の空回りが起こらない。そこが、理論書の条件だろう。以下に本書は3部構成になっているが各部のまとめを掲載。詳細の理論と具体的事象は本書で確認されたい。きっとスリリングな論証過程が堪能できる。理論によって歴史事象を分析し、経済分析による「歴史」を眺めてみることをしてみたい人向きの歴史経済本。現在の状況を眺めるマクロ経済学的ツールも装填。

 「第Ⅰ部「貨幣数量説の栄光と挫折」まとめ
・物価はマネーの価値の逆数である
・したがって物価は広い意味ではマネタリ1な現象である
・原始的な数量説では、今日の物価が今日のマネーの量から決まると考える
・新古典派的な数量説では、インフレ率はマネーの量の増加と、経済成長から決まると考
-える
・現代的な理解では、現時点の物価やインフレ率は過去から今日のマネーの量ではなく、
 将来のマネーの量の予想から決定されると考えられる
・将来のマネーの量が予想できない状況では、原始的な数量説や新古典派的な数量説が「結
 果として」正しいことがあり得る
 第ⅱ部「為替レートの悲劇と喜劇」まとめ
.為替レートは両国の貿易可能な財の価格が一致するように調整される
・第Ⅰ部の物価理論から、2国間の為替レートは両国の将来のマネー量予想に影響される
・固定相場制は国際間取引の収支を一致させるように国内経済が変化するという調整機能
 を持っている
・固定相場制下では各国の中央銀行はマネー量を決定することはできない(マネーの量は国際取引の動向から決まってしまう)
.変動相場制下ではマネーの量は中央銀行がコントロールすることができる
・実体経済とかけ離れた固定相場制の維持は、投機アタックやキャピタルフライトの温床となる
  第③部「金融政策 マネーとは結局何なのか」まとめ

・政策の評価は「その人にとって得か否か」に左右される
・損得は所得の絶対的水準だけではなく、相対的水準にも左右される。身分制社会ではその傾向が顕著である
・貨幣改鋳政策への批判は、今日的な意味からは批判とはいえない場合がある
・江戸時代の経済政策は、景況・一般物価水準の安定・米の相対価格の上昇、さらには財政再建という複数の使命の間で揺れた
・政策目標は明確でなければならないが、例外的にうまくいったかもしれない金銀複本位制のような事例もある。
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