主に政治と経済について、思いついたことを語ります。リンクフリー、コピーもフリー
著者は、日本フリージャズ創世記、60年代からの今日のポップ・アヴァンギャルドに至るまでの、前衛ジャズの「歴史」を「運動」の参加者の観点から実作者に時には厳しく、又著者副島が参加者、運動者であるが故の愛着を持って実作者の活動とその音楽に対する姿勢を記述している。
■実作者たちとの交流と彼らのプロデュースを通じた自らの半生記にもなっており、その記述は暖かく、正鵠を得ている。ドイツのメールス祭―――前衛ジャズ祭―――に日本のフリージャズを積極的に紹介し、縦横無尽に奔走し、日本ジャズの卓越性を海外にまで広げた功績は、すばらしく、また彼には批評家を超えた容喙することの無い寛容が宿っている。■副島は、とかく前衛評論家にありがちな、観念的なもの達だけを、自らの嗜好的価値に沿って取り上げるだけではない。その守備範囲は広く、唐十郎から詩人吉増剛三、舞踏家土方撰、田中泯にまで及ぶ。90年代ジャズまで取り上げられており、現在の実作者の動きまでが取り上げられている。それらは乱立と混沌の状況だが、それこそが現代ニュージャズの動きが健在であることの立証にもなっている。音楽情報収集について、怠慢な筆者は、ご多分に漏れず「日本」のジャズが、これほどの評価を「海外」で持っているとは、知らなかった。これほど多くの者たちが、今現在活躍しているということも知らなかった。その意味では、貴重な情報的啓蒙とも筆者にはなった。■フリージャズというより、日本前衛ジャズは、「表」の文化規範となりえてないという意味でアンダーグラウンド・ジャズといった方がいいのかもしれない。期せずして2003年に60年代から70年代までのニュージャズを再発行している。聞きもらした「熱き」時代の音楽の一端を、聞けるのもうれしい知らせだ。 ■採り上げている実作者は、かなり多く、めぼしいところを取り上げれば以下の通りである。山下洋輔、坂田明等の意気のいい演奏家を旗頭に、富樫雅彦や佐藤允彦といったクラッシク的観念性、硬質感のあるものから、とぐろを巻く演奏の安部薫、高柳昌行のギターを破壊した音響としての「現代音楽」、ギターとターンテーブルの大友良英、演歌をも楽しむというフリージャズの猛者、現在活躍中の「渋さ知らず」―――海外ツアーのプロデュースを副島は手がけている―――の不破大輔まで取り上げられており、「いま」の状態を知りたいものにもいい手助けにもなるノートにもなっている。
PR
不破大輔
その本、持ってます。途中までしか読んでないので、続き読みます。
「渋さ」は友人がDVDその他送ってくれたし、自分でもCD買いました。エイベックスから出たのはレンタルで聴きましたわ。
「渋さ」は友人がDVDその他送ってくれたし、自分でもCD買いました。エイベックスから出たのはレンタルで聴きましたわ。
毎度
そうでしたか、この本持っておられましたか?!副島のフリージャズ、つまりは前衛、つまりは地味な活動をしているがそれについて寛容且つ広い目を持った「音楽」に対する姿勢には、目を開かされる思いヲ持った。
単なる前衛ではなく、職人たちの活動に共感し、海外に活動の場を造る副島の姿に打たれる思いも持った。
そして、日本のフリージャズというカテゴリだけに共通するものではなく、日本の文化が、海外で評価される価値を持っていることを再度確認させられた。日本では主流ではないものが、意外にあちらでは評価されるということは、結構あって、知らないのは「日本人」ばかりという現象が起こるのもまた日本文化らしい、と言う現象も垣間見た気がした。
単なる前衛ではなく、職人たちの活動に共感し、海外に活動の場を造る副島の姿に打たれる思いも持った。
そして、日本のフリージャズというカテゴリだけに共通するものではなく、日本の文化が、海外で評価される価値を持っていることを再度確認させられた。日本では主流ではないものが、意外にあちらでは評価されるということは、結構あって、知らないのは「日本人」ばかりという現象が起こるのもまた日本文化らしい、と言う現象も垣間見た気がした。
Comment form
カレンダー
リンク
カテゴリー
最新コメント
[10/17 coach outlet]
[10/15 ティンバーランド ブーツ]
[10/11 モンクレール ever]
[10/11 コーチ バッグ]
最新記事
(06/22)
(06/11)
(01/22)
(12/01)
(09/06)
(08/16)
(08/11)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
解 龍馬
性別:
非公開
ブログ内検索
アーカイブ
最古記事
(09/20)
(09/21)
(09/25)
(09/26)
(09/27)
(09/28)
(09/29)
カウンター
アクセス解析
フリーエリア
組織の中の人