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インフレリスクへの対峙は責務、警戒怠るべきでない=須田日銀審議委員
【金沢 28日 ロイター】 日銀の須田美矢子審議委員は28日、石川県金融経済懇談会でのあいさつで、国際商品市況が調整局面にあるからといってインフレリスクへの警戒を怠るべきではない、との認識をあらためて示した。

 その上で、不断にインフレリスクに対峙しておくことが、中央銀行としての重要な責務だと語った。

 今後の金融政策運営に関しては、経済・物価の見通しとそのがい然性、上下両方向のリスク要因を丹念に点検しながら、それらに応じて機動的に行っていくとの方針を繰り返し、リスク要因を点検する際のポイントについては、景気とインフレのどちらを重視するかといった二者択一的な見方はしていない、と強調した。

 <大幅な調整想定しておらず>

 日銀は8月の金融政策決定会合で景気の現状に対する基調判断を「さらに減速している」から「停滞」に下方修正した。須田委員は日本経済について「原油をはじめとする原材料価格の高騰や海外経済の減速に伴う輸出の増勢鈍化などを背景に、成長のモメンタムはやや弱まっている」と指摘。ただ「景気がここにきて急に落ち込んだ訳ではない」とも述べ、「日本経済が現在停滞局面にあることは確かだが、過剰な在庫や設備を抱えているわけではないため、1998年や2001年のような大幅な調整は想定していない」と強調した。

 基調判断を引き下げた大きな理由となった生産については「7─9月も3期連続で減少する可能性が高くなっている」としながらも「在庫・出荷バランスが大きくは崩れていないもとで、エネルギー・原材料価格高の影響が薄れ、所得形成力が次第に回復していくにつれて、再び増加基調に復していく」との楽観的な見通しを示した。

 生産が下振れた背景には、これまで日本経済をけん引してきた輸出の失速がある。須田委員は「米経済は年後半の減速は避けられそうになく、米国向けの輸出は、当面低調に推移する可能性が高い」としたほか、NIEsやASEAN向けについても「世界経済の減速に加えて商品市況高に伴う所得形成の弱まりが、成長の制約として徐々に顕在化しつつあり、そうした地域向けの輸出もしばらくは弱めの動きを余儀なくされる」との見方を示し、こうした認識から、輸出全般について「世界経済の成長率が鈍化していくもとで、輸出全体の伸びは緩やかなものになっていく」と語った。

 <インフレ警戒怠るべきではない>

 世界経済の波乱の目となった原油価格(WTI)は7月中旬にピークを付けた後、2割程度下落している。須田委員は、国際商品市況の動向について「長い目でみれば緩やかな上昇トレンドを持つが、目先は、世界景気の減速に伴って落ち着きを取り戻す」と指摘。国内消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率については「この先2%を上回る時期がしばらく続く可能性はあるが、次第に上昇幅を縮小していく」との見通しを示した。

 その上で「持続的な経済成長を達成させるためには、インフレ率の安定化が不可欠」として、「その鍵を握っているのは人々のインフレ予想」との見方を示した。

 インフレ予想については「ガソリンや食料品といった生活必需品の価格上昇が長引いていることから、人々のインフレ予想を上振れさせるリスクは高まっている」としたが、賃金が上がっていないことから「インフレ率と賃金が相乗的に上昇するような二次的波及効果の顕現化には至っていない」とも指摘。ただ「このまま原材料価格の転嫁が進み、消費者物価が上昇し続ければ、賃金も次第に上昇ペースを速め、インフレ率と賃金の相乗的な上昇傾向が思いのほか強まっていく可能性もある」と警戒感も示した。

 須田委員は、自身がインフレの上振れリスクを意識している理由として、世界的に緩和的な金融環境を挙げ、「世界を1つの国と見なせば、物価安定のもとでの持続的な成長を維持していくためには、引き締め政策をとっていくのが望ましい姿と言える」と語った。こうした考えを念頭に、先行きについては「グローバルな金融緩和の状態が続く中、世界でインフレ率が高まっており、人々や企業のインフレ予想は確実に高まっている」として「足元、国際商品市況が調整局面にあるからといって、インフレリスクに対する警戒を怠るべきではない」と強調した。

 さらに「インフレ予想がアンカーされているからこそ様々な危機にも弾力的に対応できるのであって、そのためには、不断にインフレリスクに対峙しておくことが、中央銀行としての重要な責務だ」とも語った。

 今後の金融政策運営に関しては「金融市場の安定を維持すると同時に、経済・物価の見通しとそのがい然性、上下両方向のリスク要因を丹念に点検しながら、それらに応じて機動的に金融政策運営を行なっていく」との方針を繰り返し、リスク要因を点検する際のポイントについては「景気とインフレのどちらを重視するかといった二者択一的な見方はしていない」と強調した。

 (ロイターニュース 志田義寧)
人々のインフレ予想率の上昇が続けば、確かに須田の言うとおりになるだろう。が、世界のインフレ率が上昇しているのは、GDPデフレターがプラスになっているからであるが、日本では、日銀の金融失政により15年ほどの長期の停滞、GDPデフレターのマイナスが続き、プラスの指標などの時期などほとんどなかったのである。
 
 「景気」が良かったときは、日本銀行が2001年3月19日から2006年3月9日まで実施していた量的金融緩和策が採られた時期からタイムラグ置いた時期である。名目経済成長率が実質経済成長率を上回った本格的景気回復の時期などほとんどないの、だ。景気とインフレの二者択一的な見方はしないなどと述べるが、インフレの方を日銀のスタンスは過去15年間に渡って重視してきたのである。それ故、不徹底な量的金融緩和策を速水総裁の一時期、また、福井総裁の一時期にとられた歴史を持つに過ぎないのではないか。デフレの方が、経済にとって望ましいとの考えも持った審議委員も存在していた時期もあったのではないか。
 
 須田の「二者択一」的見方の拒否は、その意味で滑稽であり、日銀の採用してきた歴史を無視した自家撞着である。常識的に考えても多少のインフレを伴ってでも、平均賃金の上昇率によってインフレを補うような金融経済政策の方が、好ましいであろう。それとも、平均賃金の上昇の無い懐が寂しい状態が続くことを望む者たちのほうが、日本では、はるかに多いのだろうか?構造改革という痛みに耐えて、重ねる忍耐によって社会全体が良くなり日本経済の景気の回復ができるなどいうデマ経済論などを無根拠に信じている、それほど「特殊」な人種の集まりではあるまい。忍耐や道徳は、マクロの企業経営の身体論的な次元や人々の人生訓など個人的な諸活動では有用な「資源」ではあるが、マクロの経済にまでそれを拡張適用するようでは、論理の履き違えであり、全く無効である。

 ある左翼の評論家が、日本社会はバッシング社会になっていると述べていたが、その根本的な原因は、脆弱な経済性と適切な政策が打てない中央銀行を含めた政治状況にある。問題意識、危機意識を持っている人々は何かがおかしいと思っているのだろうが、その向かうところがあまりにも身辺的な発想によっていれば、道徳観の欠如に、あるいは個々人が単称化していることに、その原因を求めるならやはり共通の社会ルールなどの共同規範、コミュニティに求めたり、求心力回帰としてのナショナリズムを求めるのが問題意識の解消になるのであろう。

物価上昇にあるのだから、金融は引き締めるべきという論が、散見されるが、これは、大きな誤りである。高橋洋一が月刊文芸春秋9月号で述べているように、70年代の年率20㌫もの物価上昇率は、それ以前からの金融緩和によって、それを上回る平均賃金の上昇率年率25㌫台の上昇率によって、補われていたといえるのである。2006年3月の日銀総裁福井の量的金融緩和の解除によるベースマネーの削除が、現状の日本経済の沈滞を招き、その脆弱な経済状態のときに、外部のショック、米国サブプライムによる米国需要の沈滞、資源高としての原油高が日本経済を襲ったと考えるべきである。
 
 また、「ばら撒き」政策のマスコミの拒否は、論点を自分たちで了解していないことにある。ばら撒きの拒否ではなく、ばら撒きによる既得権益の維持、レントシーキングの拒否、が「ばら撒き」政策の批判の趣旨であるはず。とするなら、既得権益化した「制度」を解体するような「制度」を作ればよいはずである。「ばら撒き」政策をに期限を設けるか、あるいは、ばら撒きを「融資」の形にするかである。
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