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小室 直樹 / 集英社インターナショナル
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 軽い体裁をとっているが、中身は、小室直樹節が充満していて痛快であり、「学問」の薦めでもある。基本から説き起こし、読者を考えるように仕向け、回答を開陳する小室節に我慢出来ない人は、苦痛となるだろう憲法「学」の本でもある。憲法も所詮国民性に規定される代物であり、如何に高尚な憲法であっても憲法に対する姿勢によって、むしろ危機的政治状況を呼び込むものでさえある。そのことが、ドイツのナチスの政策を取り上げて重厚に歴史論理的に述べられている。 

 著者のスタンスは、改憲でも、改憲反対でもない、憲法制定の前に、憲法が飾りではなく国家の機関を構成する「公務委員」を統制する法であり、よって、国民の「自由」が守られる構成がとられているとする。憲法「学」の啓蒙の姿勢が著者のスタンスである。

 政治学としてジョン・ロックの神から与えらた「自然権」についての「思想」を下敷きにしている。これは近代国民国家の「理想」ではあるだろうが、西欧の諸国家もいまだその理想を達成してはおらず、その理想がそもそも幻想ではないかという姿勢を持つものにとっては、小室のスタンスも強固なものとはならないのではないか?とも思う。

 が、著者の広範な知識、かつ歴史の咀嚼力には、碩学の言葉がふさわしい。是非はともかく、圧倒的な小室ワールドではある。 憲法改正が、メディアで、煩いが近代国家にとっての憲法ならびに、その精神はいかようにあるべきかを考えるにあたっては、参考になる一冊。

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