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NY原油続伸、46・34ドル…1年前の半値以下で推移 【ニューヨーク=山本正実】2日のニューヨーク原油先物市場で、指標となるテキサス産軽質油(WTI)の2月渡し価格は続伸し、前営業日の31日終値より1・74ドル高い1バレル=46・34ドルで取引を終えた。

 1年前の08年1月2日は、原油価格が史上初めて100ドル台に乗せる記録的な日となったが、この日は半値以下の水準で推移した。

 ロシアがウクライナへのガス供給を停止したことやイスラエルによるガザ地区攻撃を受け、石油やガスの安定供給への懸念が広がり、買いが優勢となった。

(2009年1月4日01時03分 読売新聞)

 う~ん、これから原油価格はどう動くのか?イスラエルが、ハマスとの対立だけを視野に入れているとは思えない。イスラエルとイランとの抗争が勃発したり、ロシアのウクライナ牽制対策などの政治的ショックが、原油市場に影響を与えることを「市場」が予測すれば、原油高に振れるだろうなぁ。
 
 今年の日本経済は、短期的循環的な外政的ショック(米国の需要支持策、中国の成長率、インドの成長率による輸入など、さらには政治的なクーデター、など)と日銀の金融政策、政府の財政政策によって揺れ動くのだろう。
 
長期ではガソリン車から電池系(ニッケルからリチウム電池によって小型化)の自動車などへの家電メーカーを巻き込んでの設備投資が、すでに主要メーカで着手、巨額な内部留保を軸に設備投資に余念がないとされている。製造開発までに必要とされる3、4年ほどのスパンで見れば、長期的には設備投資を軸に「回復」へ向かうだろう。
 株価の下落率から見てもそれほど下落してないゲーム過程娯楽の産業などの奮闘などもある。


 
リチウムイオン電池、日産・NECが量産前倒し 1000億円投資 日産自動車とNECは2011年以降、電気自動車やハイブリッド車に使う大容量のリチウムイオン電池を年20万台規模で量産する。増産計画を1年前倒しした上で、日米欧に新工場を建設。総投資額は1000億円を超える見通しだ。ホンダも10年代半ばにはハイブリッド用を最大50万台分生産する。新車販売が世界的に極度の不振に陥り、自動車各社の業績は悪化しているが、環境車への投資は優先する。競争力を左右する中核技術である同電池をいち早く量産することで、逆風下の勝ち残りを目指す。

 リチウムイオン電池は小型・軽量が特徴。現在のハイブリッド車で主流のニッケル水素電池に比べ、燃費性能や電気自動車の走行距離を大幅に向上できる。

[12月29日/日本経済新聞 朝刊]

 
個々の企業は、経済界は意外に頑張っている。
 
経済界の頑張りを下支え据えるのがマクロ経済の安定なのだが、これがなぁ、労働界や産業界の脚を引っ張ることばかりやっているからな・・・・・。特に日銀さんが唯我独尊のベースマネー、マネーサプライの絞込みをやっているからさ・・・・。
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ガソリン値下げ、年末控え加速 都内も90円台徐々に
 年末年始の需要期をにらみ、ガソリン店頭価格の下落が加速している。首都圏や近畿圏の販売激戦区ではレギュラーで1リットル90円台の販売が増加し、高知市では90円の看板も登場した。原油価格の下落に加え、景気後退で消費者の節約志向が根強いためだ。価格下落で販売はやや回復傾向だが、赤字覚悟の安値販売も出ており、販売店の採算は厳しいようだ。

 高知市とその周辺部では11月下旬に改装した給油所の安売りをきっかけに、現在は数店舗が90円での販売を展開。全国有数の販売激戦区となった。大阪府南部の泉南市では92―93円で販売する店が出てきた。首都圏でも都内の環状7号などで今週から90円台の看板が徐々に増えてきた。 (09:07)日経新聞

 どこまで下がるのかは、直接に、短期にはドバイの原油先物市場、WTIの先物価格市場の価格次第。この下落の背景は、投機筋の資金の逃げ指摘されるが、それも副次的な原因ではあるが主因ではない。円高もこの原油下落を後押しするが、それも現状では主因ではない。オペックが減産を発表したにもかかわらず、現状の下落の勢いが収まらない。下落の主因は、世界景気減速、米国のみならず、新興国、それも中国、インドの景気減速による需要の落ち込みが、激しすぎるとの需要国でのと取引業者の判断が基本にあるのだろう。全くの需要と供給の経済の基本法則が、貫徹していることにある。

 ガソリンスタンドの価格の形成は、界隈での供給者の値下げ競争、年末での値下げセールなど「市場」価格は形成されるが、それもミクロの供給者側の生業の都合であって、マクロの総需要と総供給の原理の貫徹のもとになされている価格劇の登場人物である。原油の総需要と総供給の監督は別にいるのである。
 
 今回の景気減速が、米国発であるという認識が、原油価格の下落を主導しているのである。とすれば、米国の景気回復、新興国の経済成長率の低下がある限りは、原油の上昇は見込めるものではない。少なくとも理論的には、下落の傾向は続き、「理論」値では、ドバイが1バレル30ドル台に突入したので、日本のガソリン市場価格は一㍑80円台は視野に入ってくる。
 
 ガスの値下がりは、次第に徐々に進むことは短期においては確実である。ガソリン消費は、いつも満タンにするのは、値下がることが確実だと分っているのなら、愚かな選択となる。通常の満タンの半分、3分の一ほどにガソリン投入量を減らすべきである。

 これがデフレ期の経済行動である。こうした消費態度が、買い控えと称され、さらに一般物価の下落を待つという高度に出る人々が多数を占めると「デフレ」期待が定着する。この期待の定着が、厄介な経済政策問題を引き起こす。
食品・日用品、大手メーカーが値下げへ 日経調査 食品・日用品の大手メーカーが2009年からスーパーなど小売り向けの価格を引き下げる。日本経済新聞の37社調査によると、小売りの求めに応じて4割近くが出荷価格下げか、実質値引きに当たる「販促奨励金の積み増し」に踏み切る。店頭での値下げ競争が本格化し、消費者は商品が安く手に入る一方、メーカーには収益圧迫要因となる。原材料高を受けた昨春来の食品などの値上げも、景気後退と消費不振で下げに転じる。

 食品や日用品は今年10月以降、イオンや西友など一部の小売り大手が円高差益還元や消費刺激を狙って値下げを始めている。しかしメーカーの出荷(小売りの仕入れ)価格が下がっていないため、11月の食品・日用品の消費者物価指数はなお前年比3―4%程度高い。今後は出荷価格の段階から下がることで、値下げ競争が加速。店頭価格が全面的に下落に転じれば、約3年ぶりとなる。(07:00) nikkei


筆走り気味に書き付けると日本のデフレ圧力は、凄い(笑い)。デフレ下でも、景気回復がある。デフレ下でも、失業率がそれほど上昇しない。90年代から、ずっとデフレ。それにもかかわらず、デフレ脱却へのプログラムを完全に無視、黙殺に近い形で忘れ去るマスメディア、デフレによる国内販売不振が見受けられにもかかわらず、政府、日銀に対する政策要求が出来るだけの能力もないマクロ経済音痴の経営者団体の経団連などの諸組織、非正規職員が首切られたといって今頃騒ぐ、連合の幹部たち、連合としては、正規社員の賃金を削り非正規社員に回すことが現状の先決事項だが、それすらもまとめられない指導力の欠如。
 
賃上げは、確かに需要創出対策になるだろうが(デフレ下で金融からの資金の周りが減少している状態では、どこかに資金が退蔵される)解雇により非正規職員の所得が完全削除されることの方が、総需要の減少には影響が大きい。健康的な言い方ではないが、彼らの消費性向は、正規雇用者の所得の消費性向より高いからである。その上で、解雇やむなしとなれば、内部留保の取り崩しによる非正規職員に対して、数ヶ月ほどの退職手当てなどの給付策を経営側に採らせるべきであろう。しかしながら、雇用の削減は、大きな意味での「景気」の回復、言い換えれば名目の経済成長率の上昇に依存する。マクロ経済の理解の下での「景気回復」策のない、労働市場の活性化は出来ないだろう。

 デフレ下では、勤労者の平均賃金も上昇しない。というのも、一般消費者物価は、平均賃金、単位あたりの労働コスト(ユニットレイバーコスト)に依存するからである。否、物価とは平均賃金内での消費でもあるからである。もっと単純には、単位あたりの労働コストがマイナスであれば、デフレであるといえる。労働生産性上昇率のほうが、賃金上昇率より高いというデフレ現象が、労働市場でもおきていることになるのだろう。
 
 ユニット・レイバー・コスト = 1人あたり賃金 ÷ 労働生産性
 (賃金/生産量)       (賃金/人)  (生産量/人)
∴ ユニット・レイバー・コスト上昇率
≒ 1人あたり賃金上昇率 - 労働生産性上昇率
 
 これまた、連合のマクロ経済音痴、金融政策音痴が相当に影響していると思う。
 う~ん、すばらしい国、国民指導者たちである。
 
物価上昇スピード鈍化 11月消費者物価1.0%アップ
 総務省が26日発表した11月の全国消費者物価は、値動きの激しい生鮮食品を除く総合指数(05年=100)が101.6となり、前年同月より1.0%上昇したが、上げ幅は前月より0.9ポイント縮まった。上げ幅の縮小は3カ月連続。原油価格の下落を受け、物価上昇のスピードは急速に鈍っている。朝日新聞

 ゼロ金利下での金融緩和に懐疑的な新聞屋さんに朝日新聞がある。景気回復には「構造改革」必要派の朝日新聞でもデフレへの傾斜を認識し言い募りだした。そこでだが、朝日は、社説ともども日銀擁護派である。

 日銀の不徹底な緩和策がデフレを長引かせ、売り上げの主力を内需から外需へ方向転換できた輸出企業は絶好調、内需依存中心の中小企業は相変わらずの不調である格差型景気回復を齎したにもかかわらず、朝日の言論はそれについての言及はほとんどないか全くしない。循環型経済とはそれほど関係のない日銀の独立には固執する言辞をものにする不思議な新聞社である。日銀政治からの独立は、日銀マンの身分保障をするものではない。マクロの経済安定のという目的を達成するために日銀の独立が保障されているに過ぎない。

 不況への突入前夜である今現在の日本経済にとって大きな言語として必要なのはクルーグマン的、一部の経済学者を除いてほとんどのエコノミストが述べる財政出動と市中への直接の資金供給を担保する金融政策である。この社民的な「政策」こそ今現在ではもっとも望ましい十分な政策である。朝日がインテリの購読者が多いということを誇るのなら、そのような言動スタンスに説明責任を果たしながらも、転換すべきである。
米住宅ローン金利、最低水準に 申請も引き続き増加

 【ニューヨーク=山下茂行】米住宅ローン金利が一段と低下している。米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)によると30年固定ローン金利は 1971年の調査開始以来の最低水準に低下した。米連邦準備理事会(FRB)による大幅な金融緩和が好影響を及ぼしている。金利低下を受けて住宅ローンの申請も引き続き増加しており、米住宅市場の底入れにつながるかどうかが注目される。

 フレディマックは24日、同日までの1週間の住宅ローンの全米平均値を発表した。30年固定は前週よりも0.05%低い5.14%と8 週連続で低下。7月下旬には住宅公社の経営悪化などを受け、同金利は6.63%まで上昇しており、当時と比較すると約1.5%の大幅な低下となった。

 FRBが事実上のゼロ金利政策に踏み込んだうえ、住宅ローン関連資産の買い入れなど量的緩和策を続けていることなどが背景にある。長期金利が過去最低水準まで低下し、それに連動して住宅ローン金利も低下が続いている。 (10:13)
米国では、FRBの大幅な金融緩和策、住宅ローンの買い入れ、個人のローンの買取などによって、住宅ローンの申請が増加している。住宅ローンの申請の回復は、住宅投資として投資乗数が政府支出のそれより大きい。米国総需要の回復が、見込まれる兆しがあることになる。世界同時不況で、雇用の関係で非正規社員の解雇の特に製造業の暗いニュースが続く、年の瀬だが、米国では回復への兆しが実体経済に現れたことは、丁寧に見て置くべきである。
 金融危機は、実体経済への、特に雇用への危機となるこれが一番の経済災害である。
 米国の経済の回復は、住宅の価格が需給逼迫により上昇することが一つのめぼしになる。日本では、地価の上昇が一つの目安になるのだろうが、これが上昇へ転換する気配すら報道されない。
 クビ切り“ギロチン”企業まだこんなに金持ちだ!
2008年12月21日10時00分 / 提供:ゲンダイネット
ゲンダイネット

「5年間全社員を草むしりさせても、今のレベルの給与を払える」

 期間従業員のリストラを発表した大企業の経営陣がこう話していたと、ある経済ジャーナリストが暴露する。米国金融危機のあおりで一気に冷え込んだ消費。人員削減は苦渋の選択だったように見えるが、なんのなんの、大企業はまだまだ懐に内部留保やキャッシュを十分ため込んでいるのだ。

 一覧表は、期間従業員や派遣社員、請負社員などの削減を決めた大手8社の “金持ち度”だ。直近の有価証券報告書(四半期、半期含む)に記載された内部留保(利益剰余金)や、現金、定期預金、流動性のある有価証券の金額は、兆円単位の数字がずらりと並ぶ。今でこそ各社が業績の下方修正や赤字を連発しているが、思い返せば、その多くは、08年3月期決算で過去最高益を上げるほどウハウハだったのだから当然だ。好業績に合わせて、役員報酬もどんどん膨らんだ。

●内部保留は兆規模、キャッシュもたっぷり

 もちろん内部留保は、新たな設備投資など企業の成長に充てる大事なカネではある。キャッシュだって手元に置いておけば安心だろう。が、一方で、年収300万円程度の派遣社員は住む家まで奪われる。この世はどこか矛盾していないか?

「余裕のある会社ほど早めにリストラに動いていますね。経営者は口先では『(雇用を)努力する』と言っていますが、本心は、非正規社員はリースした設備と一緒で、余ったら返せばいいと考えている。人間としてカウントしてなどいません。むしろ、小泉政権の04年に製造業向けの派遣が解禁されたことで、今回のリストラでは正社員に大きく手をつけずに済みホッとしていますよ」(経済ジャーナリスト・有森隆氏)

 ここでも小泉規制改革の弊害が庶民を苦しめている。こりゃもう、非正規社員は暴動を起こすしかない。

◇企業名/内部留保/現金、定期預金など/役員報酬(平均)

◆キヤノン/2兆9050億円/8873億円/5004万円

◆トヨタ/12兆6658億円/2兆5845億円/1億2200万円

◆日産/2兆8204億円/5039億円/3億5583万円

◆ホンダ/5兆3629億円/9544億円/6057万円

◆ソニー/2兆850億円/1兆1761億円/2億8986万円

◆シャープ/8341億円/3270億円/1億1030万円

◆東芝/7166億円/2667億円/6087万円

◆コマツ/7911億円/774億円/1億3571万円

(日刊ゲンダイ2008年12月18日掲載)
こんなところが貿易黒字とデフレ経済(二つとも内需不足が主因である)による設備と投資より貯蓄信仰の結果の実態なのだろう。貿易の黒字は、投資より貯蓄が相対的に増えることによって生じる現象。個人の貯蓄が高齢化によって目減りする中、輸出産業の企業群が、貯蓄、つまり内部留保をフローの収益をストックの内部留保として確保していたことになる。デフレ期には、実質金利が上昇し、借り入れによる設備投資が減少、収益を設備投資より「利率の高い」証券などの内部留保にまわすこととなる傾向に大きく傾く。「川上絶好調、川下絶不調」実感無き景気回復による「格差型景気回復」の2002年以後の経済期を物語っているわ。
 
 企業のストックである内部留保をどうするかは、直接にはその企業の経営者の判断となるが、マクロ的にはそれをどう処理させていくかの「政策」が考えられる。そこに、政治側の社民的か、あるいは、自由主義的かのイデオロギーに依拠する「政策」が担うことになる。所得再分配か、それの拒否かの分かれ目を担うことになる。

この企業の多額の内部留保を、長期的な「経営」資源として使うにはどうしたらいいかの視点から眺めると、ガソリン自動車の開発よりハイブリッド、ガソリンに全く依存しない自動車の研究開発に使うべきであろう。ガソリン車は、夏場の原油急騰を受けて、その限界が見えた。経営側は、多かれ少なかれガソリン依存から環境車にシフトすべきであと考えているのだろう。
 
 家電、パソコンのメーカはどのように経営の方向を考えているのかも環境性を重視した自家発電型家電、省エネルギー型のパソコンなどの開発であろう。
 
 そうであるなら、ニッケルより効率のいい電池の開発と電池の生産設備への設備投資に進むことになる。開発の技術者の採用を、減らすことは避けるだろうと思われる。
 
米長期金利2%割れ目前 海外資金流入を阻害

 【ニューヨーク=山下茂行】米連邦準備理事会(FRB)による異例の金融緩和を受け、米金融市場では長期金利が2%割れ目前の歴史的な低水準に低下し、ドル相場が急落している。FRBが米国債の買い入れを検討すると表明したことが長期金利を押し下げる一方、大幅緩和でドルの価値が目減りするとの懸念が強まっているためだ。景気下支えには好都合だが、過度のドル安には海外資金の流入を阻害するなど副作用もある。

 FRBは16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の誘導目標の下限をゼロに切り下げる一方、「長期国債を買い入れる利点を検討する」などとして量的金融緩和の一段の拡大を打ち出した。これを受けて債券市場では米国債の利回りが低下(価格は上昇)、長期金利の指標となる10年物国債の利回りは18日に一時2.03%と過去最低を更新。11月初め(3日、3.91%)の約半分の水準まで下がった。 (08:30)日経新聞

 11月の輸出額26.7%減 貿易赤字2234億円に

 財務省が22日朝に発表した11月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額は前年同月比26.7%減の5兆3266億円、輸入額は同 14.4%減の5兆5500億円で、輸入額から輸出額を差し引いた輸入超過額(貿易赤字)は2234億円となった。貿易赤字は2カ月連続。〔NQN〕 (08:53)日経新聞


 米国ゼロ金利政策と同時に長期国債の買取表明によって、長期国債の価格上昇、つまりは米国長期金利が下落し、資金流出の始まりによって、ドル安へと波及する。この流れが本格化すれば、ドル安円高のトレンドが中期的にも定着する恐れがある。

もうそろ為替介入による円高阻止の政策転換を、政府と日銀は本格的に検討し、早期にかつ大胆に実施するときである。そうしなければ、短期要因である外需依存の日本経済の景気減速は続くことになろう。財務省と日銀のタッグによる03年の円安政策と非不胎化(市中からの通貨の不回収)を伴った「政策」は、景気の回復にそれなりに効果があった。
 
 ひいては、財務省のドル買い円安政策を日銀の不胎化による支援がある円高政策は、ベースマネーの増大と銀行に通貨供給量の増大によるデフレ阻止と非正規社員の解雇のトレンドを断ち切る社会政策の下支えにもなるはずである。
日銀の金融政策決定会合を受けた読売と日経の社説だが、危機意識の欠如がはなはだしいと思う。長期国債の買いきり額を増額したが、2000億程度の額では、いたずらにベースマネーの増大しましたという日銀側に政策口実を与える程度のことで、デフレ脱却へのマネーサプライの増大には結びつきにくい。金融政策の特に「緩和」策は迅速かつ果断になされ目標の明示と断行が必要であるが、それもなされた気配がない。
 
 一般に金融政策が効いてくるのは、政策実行から2~3年後であるとされる。それを見れば、車の販売量などでも、2006年ごろ(量的金融緩和の解除が03年3月頃である)から国内販売は落ち気味、若しくは上限が設定されているような具合だった。車の販売量の伸びが少なくなったのは、ガソリン自動車の飽和状態も背景にはあるのだろうが、金融政策の引き締めによる総需要の非増大にも深い原因がある。そうした脆弱な経済であったのが、21世紀の日本経済で、「川上インフレ、川下デフレ」伊藤元重、だとか、実感無き景気回復だとか、「格差型景気回復」上野泰也だとか言われていた経済状態であった。そこに米国発サブプライムローンの破綻が原因で、金融危機を誘発、実体経済に波及し、米国発の総需要減の削除による世界不況が、米国のみならず、日本の輸出産業の内外の販売不振を誘ったことになる。しかもその様態は、急激に。
 
 このような観点から見ると、日銀の政策対応は、社説群が述べるような悠長で、非世界経済的構え方であってはならないはず。各国は、財政政策発動競争に赴き、金利引下げ競争、緩和的競争、へと実体経済のデフレ懸念から立て直すための可能な限りの政策を競って発動している。米国は、国内の広範な反発がありながらもビッグス3を救済へ、ドル安になるゼロ金利へ、更に長期国債の買いきりまで検討に入れる迅速かつ大胆な政策発動をした。
 
 一方日本経済は、かなり特殊な経済状態にある。他国はインフレ上昇圧力が、顕著に見られたのだか、原油高の時期にほんの少しの一般物価の上昇率で済んだのである。この背景には、以前から指摘しているようにデフレの脱却がなされなかった経済状況がある。コストレイバーユニット、実質経済成長率>名目経済成長率の状態、消費者物価指数、GDPデフレターからみて完全にデフレ脱却していない状態が安倍政権から福田政権期にすでに指摘されていた通りである。今現在、デフレがすぐそこにある。ドル買い円売りの円安政策と長期国債の買いきりオペを上限設定なく果断に実行すべきときである。
 
 CPの買い切りは評価するが、長期国債の買取り額がいかにも低く、80円台の急激な円高を阻止するべく円安政策(財務省側との協議が必要だが、財務省側もこの動きもいかにも鈍く政策当局であることの責任放棄にも見える)も今は採用するべきである。買い取り解除の目標値の明示がない。政府側は、名目経済成長率について3㌫ほどを示しているのだから、それに添った形で金融政策を実行すべきである。それでなければ政策当局という責任も採ることにもならないことになるだろう。
 
 世界デフレがその期待共に定着してしてしまえば、その可能性は少ないだろうが、円高によるデフレの輸入が日本に回収される懸念が、大いにある。ちったあ、これぐらいの「素人」にも分かる先読みぐらい味のある「論争」のきっかけになる論を提出したどうなんだ。マスコミ社説氏さんたちは・・・・。
金利0・1% 危機モードに戻った金融政策(12月20日付・読売社説)

 世界的な金融危機と国内景気の急速な悪化を受け、金融政策が再び危機対応モードに戻った。

 日本銀行は19日の金融政策決定会合で、政策金利を0・2%引き下げ、0・1%とした。

 バブル崩壊後の金融不況期に採用された「ゼロ金利政策」が事実上、復活したと見てよかろう。

 長期国債の買い取り額の上積みや、企業への新たな資金供給策も打ち出し、実質的な金融の量的緩和政策に踏み込んだ。

 ゼロ金利と量的緩和は、米連邦準備制度理事会(FRB)が16日に導入した。日銀は前回の利下げから2か月足らずでこれに呼応した形だ。

 12月の企業短期経済観測調査(短観)では急速な景気の落ち込みが確認された。米国が日本より低金利になり、円高圧力も強まっていた。迅速に追加緩和を決断したのは妥当だったと言えよう。

 政府は2008年度の実質成長率の見込みをマイナス0・8%に下方修正した。09年度は0%成長の「目標」を掲げたが、実際には約10年ぶりに2年度連続のマイナス成長となりそうだ。

 物価上昇率も、09年度はマイナスとなる見通しで、デフレ再来の恐れは一段と強まってきた。

 財政・税制による景気対策に加えて、潤沢な資金供給による金融市場の安定が、デフレの深刻化を防ぐために欠かせない。

 日銀が今回、金融機関から買い入れる長期国債の規模を、月額1・2兆円から1・4兆円に増額したのも、市場への十分な資金供給を確保するためだ。

 01年から5年間続いた量的緩和政策では、日銀当座預金に最大30兆円超の資金を積み上げ、金融市場の不安を和らげた。しかし資金の多くは金融機関に滞留して企業などに届かず、景気改善の効果は限られたとされる。

 今回の金融危機では、コマーシャルペーパー(CP)や社債での資金調達が困難になり、大企業も資金繰りに苦しんでいる。

 このため日銀は、CPを買い取る新制度を打ち出した。自ら「最後の買い手」となり、企業に資金を流すのが狙いだ。買い取る債券などの対象拡大も検討する。

 倒産などで資金が回収できなくなるリスクを日銀自身が負うのは異例だ。金融正常化に向けた強い決意がうかがえる。

 日銀は、財務の健全性を大きく損なわない範囲でさまざまな工夫を凝らし、金融緩和の実効性を高めてほしい。
(2008年12月20日01時46分 読売新聞)
社説1 政府・日銀はカネ詰まり阻止へ全力を(12/20)

 
日銀が追加的な利下げに動いた。19日の金融政策決定会合で、無担保翌日物金利の誘導目標を年0.3%から0.1%に引き下げることを決めた。企業が発行するコマーシャルペーパー(CP)の買い取りも決め、目詰まり感が強まっている企業金融を下支えする。

 米国発の金融危機をきっかけに日本経済は過去にないほどのスピードで下降しており、金融環境も悪化している。これに対応して日銀が追加的な金融緩和に踏み切ったのは当然である。カネ詰まりにより、経済が一段と押し下げられることのないよう、政府・日銀は万全の措置を取っていくべきだ。

 利下げは誘導目標を0.5%から0.2%引き下げた10月末以来2カ月ぶり。CP買い取りに加え、長期国債の買い入れ額を月2000億円増やすことも決めた。結果的に長期金利の低下を促し、景気の下支えにつながる可能性がある。

 日銀が利下げに加えて、CP買い取りという異例の措置を取ったのは金融の引き締まり感が急速に強まっているためだ。CPや社債の発行金利上昇を背景に大企業が銀行借り入れにシフトしており、中小企業がおカネを借りにくくなっている。日銀がCPを買い取ることで、銀行の貸し出し余力が高まり、企業の資金繰り改善につながるのを狙っている。

 日銀は今後も経済や金融の動向をにらみながら、景気の落ち込み防止に積極的な役割を果たすべきだ。利下げが限界に来つつあるのは確かだが、一段と強まる恐れがあるカネ詰まりの緩和や、長期金利の低下につながるような政策対応は可能だ。

 もちろん、日銀がやみくもにリスクを取ればいいわけではない。中央銀行の資産内容が悪化すれば金融政策や通貨への信認が揺らぎかねない。日銀がCPなど信用リスクのある資産を購入する場合は、損失保証など政府の後ろ盾も必要である。

 政府も金融環境の悪化を防ぐための措置を強化する必要がある。中小企業の命綱になりつつある信用保証枠の拡充や政府系金融機関の危機対応融資の活用が求められる。先に成立した金融機能強化法を活用して、中小金融機関に対する資本注入も積極的に検討すべきだ。

 経営内容が悪く、もともと生き残れないような企業まで助ける金融支援は望ましくない。ただ、暴風雨のような経済・金融環境の悪化で、普通の企業でも資金繰り倒産に追い込まれかねない状況が生まれているのが実情だ。政府や日銀はこうした被害を最小限にとどめる責務がある。
保有株買い取り20兆円に、企業の持つ銀行株も対象 政府・与党

 政府・与党は18日午前、緊急市場安定化策として検討している株式の買い取り額について、過去に用意した2兆円から20兆円規模へ大幅に拡大する方向で検討に入った。事業会社の株買い取り規制を緩和し、銀行保有株だけでなく一般事業会社が持つ銀行株もすべて買い取り対象に含める方針だ。不安定な展開が続く銀行株価を下支えするための安全網として位置づける。

 麻生太郎首相の指示を受け、自民党は銀行株式保有制限法の改正案を議員立法でまとめる検討を開始。同日開かれた国際金融危機対応プロジェクトチームなどの合同会議では週明けにも案をまとめ、来年の通常国会での法改正を目指すことで一致した。 (16:00)

 政府が買い取るということは、税金を一時的にも使うということであるが、買取を中央銀行が行えば、市中通貨量の増大に繋がるリフレ策にもなる。つまり、デフレ対策にもなる。と同時に将来を含みこんだ「コスト」も税の使用と比較すれば中央銀行の購入策の方がコストもかからず効率的、効果的な策だと断定できる。
 理解に苦しむ政府自民党の政策である。まことに政策コストも考慮に入れない「変」な政党であることよ。これを「変」な政策と思えないエコノミスト、経済紙寄稿者、経済紙編集者たちが多いのが、経済政策以前のかなり「変」な「構造」問題だがな・・・。

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